都市整備部住宅課計画指導係 御中
『住宅マスタープラン』への意見書
(意見書募集記事: https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/82c8fb69eae5ff197771898a69da4eab )
氏名 小坂和輝
中央区月島3丁目30番3号2階
住宅マスタープラン改訂についての意見書を提出致します。
都市整備の観点にとどもらない福祉、防災・防犯、環境、恊働などの幅広い視点から計画が策定されており敬意を表します。
以下、細かな点もありますが、意見申し上げます。
よろしくご検討のほど、お願い申し上げます。
総論
1、今回の改定が、従前の住宅マスタープランの満了である平成29年から時間をあけて計画期間をはじめてしまった理由を教えて下さい。
本来、平成30年度(2018年度)から計画の期間を始めるべきではなかったでしょうか?
2、従前の住宅マスタープランを総括して、今回のマスタープランに反映させることがPDCAサイクルの考え方からは必要であると考えます。
どのように従前の住宅マスタープランを総括するのか、新規の計画は分かりますが、廃止した計画はあるのかどうか、など記載をお願い致します。
3、西暦と元号の併記
令和が入り、元号だけでは、カウントがやりにくくなってきています。利便性の向上のために、西暦と元号の併記を、図表など含め、お願いします。
4、計画、施策における数値目標の記載
4−3住宅施策の内容においては、現状の数値と、該当施策の実施によりどのように数値を向上させるのか、数字を入れた具体的な記載をそれぞれにお願いします。
5、人口密度による分析の追加
第2章中央区における現状と課題において、人口と世帯における分析で(3頁)、人口密度の分析もお願い致します。
超高層建築物の出現で、人口密度が過密になり過ぎ、社会インフラの供給が追いつかない可能性を、人口密度の分析により知ることが可能であると考える理由からお願いします。
6、マンションなどを建てたあとの事後評価
計画では、事前に検討をすることを強く求めていますが、建てられたあとの事後評価が適切になされている事例は、少ないです。
事後評価を行う視点を入れていくことをお願い致します。
計画段階で、「子どもや高齢者など、多様な世代のふれいあいが生まれる住環境づくり」を謳っていたとして、建築後にそれが達成できているのか、経時的なフォローを各マンション毎にお願いします。
各論
1、3世帯同居世帯または近居を支援する施策
3世帯同居世帯を増やす施策も、それを求めている家族が増加していることから(3頁)、必要であると考えます。
2、超高層への居住者
できれば、超高層(20階以上)と言われる住居への居住している世帯の割合も記載をお願い致します。(4頁)
3、戸建ての空き家数
空き家数について、地域別に戸建てにおける数も記載をお願い致します。(5頁)
4、「やすらげる緑や水辺の空間」と「オープンカフェ」を別の項目に
生活する上で必要なものの記載(6頁)において、「やすらげる緑や水辺の空間」と「オープンカフェ」は、空間という広場と、カフェという飲み物を飲む場所と根本的に異なるものであり、統計で加えず別々の数で記載すべきであると考えます。
5、「プロアクティブ・コミュニティ」の用語
地域コミュニティへの支援(7頁)において、「自ら率先して行動する地域コミュニティの形成」は、基本構想で重要な概念である「プロアクティブ・コミュニティ」のことであり、その用語も落とさぬように記載をお願いします。
6、概念図の訂正(町会の追加)
概念図(9頁)において、「民間企業やNPO、大学、自治会、管理組合等」とありますが、町会が落ちています。「民間企業やNPO、大学、町会・自治会、管理組合等」へ訂正をお願います。このように、自治会があるけれど町会が落ちている箇所が複数有り、それぞれ、訂正をお願います。
7、概念図の訂正(中央区の内部の組織の図の追加)
概念図(9頁)において、中央区として二人の職員が笑顔で並んでいます。社会福祉協議会、都市整備公社、都市整備部、環境土木部、福祉保健部、地域振興課、防災、教育委員会など主な区の組織のイメージ図をもう少し詳述願います。そして、縦割り行政の弊害をなくし、横の連携ができているイメージとして記載をお願い致します。
8、長周期地震動
基本目標1、(3)高層建築物における対策の検討において(16頁)、長周期地震動の検討を入れたことは、とても重要だと考えます。
その検討をさらに具体的にお願いします。耐震構造の検討をするのか、既にある超高層建築物を耐震補強工事をするのか、その検討の方向性を明示願います。
長周期地震動を考慮するなら、地震国日本においては、超高層建築物は、建築を止めるべきという結論にならないでしょうか。
一度目の大規模地震に耐えたとして、躯体の痛みが生じるため、複数の大規模大地震には耐えられないのではないでしょうか。複数の大規模地震の場合の安全性の検討もお願いします。
9、家具類転倒防止器具の取付
基本目標2、(1)防災に配慮した住まいやまちづくりの推進において(17頁)、家具類転倒防止器具の取付を行うとありますが、その数値目標の記載もお願いします。どれだけの需要があり、そのどれだけが現状できていて、どれだけのさらに推進を図る予定でしょうか?誰が、主体的に進めるお考えでしょうか。地域の消防団と民生委員などの連携のもと、推進体制の構築をお願いします。
10、防災区民組織の活動支援における管理組合の参加の拡大
基本目標2、(1)防災に配慮した住まいやまちづくりの推進において(17頁)、防災拠点委員会の記載がありますが、地域のマンションの管理組合も参加できるように参加者の拡大についての記載をお願いします。
11、災害時地域たすけあい名簿と個別避難計画
基本目標2、(1)防災に配慮した住まいやまちづくりの推進において(17頁)、災害時地域たすけいあい名簿の作成は進められていますが、その名簿登録者の個別避難計画の立案ができていません。
ケアマネージャーらがケアプラン作成において、災害時ケアプランは作成をしつつありますが、それらを個別避難計画として位置づけるとともに、個別避難計画の作成がなされるべきことの記載もお願いします。
少なくとも「個別避難計画」の文言はいれていただけますようにお願いします。
12、防災対策推進マンションの登録の数値目標
基本目標2、(2)マンションの防災マニュアルの作成、防災訓練の支援等において、「防災対策推進マンション」(18頁)は区内全マンションになっていただくのが目指す目標であると考えます。
現状の数と、10年後の達成目標数の記載をお願いします。
13、子ども110番の設置の数値目標
基本目標2、(3)防犯対策の推進において(19頁)、子ども110番の現状の数と、設置の数値目標を記載をお願い致します。
14、分譲マンション実態調査の実施の回答率の向上策
基本目標3、(3)マンションの管理状況を踏まえた維持管理支援において(21頁)、分譲マンションの実態調査の実施で、調査協力をいただいたマンションには得点を与えるか、答える義務が生じるような法的な根拠付けを「市街地開発事業者指導要綱」などに入れる等、実態調査の回答率の向上策を入れるべきであると考えます。それでないと実態調査の実効性が担保できないと考えます。
15、今回の地区計画変更で既存不適格となるマンションへの支援策
令和元年7月1日施行の住宅設置による容積率緩和の廃止にともなう既存不適格となるマンションの支援策を、基本目標3、(4)改修・大規模修繕・建替えへの支援において、項目建てをしていれるべきと考えます。
16、債権管理条例の追記
基本目標4、(2)区民住宅の管理の適性化において(25頁)、滞納指導の強化で、債権管理条例に則った適正な管理を進める旨、債権管理条例の文言の追記をお願いします。
17、区民住宅の建替えにおける検討会の設置
基本目標4、(2)区民住宅の管理の適性化において(25頁)、建替えの検討では、多角的な観点から施設のあり方を検討する必要があるため、専門家や区民を交えた検討会の設置をお願いします。
18、高層マンション型地域包括ケアシステムの事業計画作成時からの検討
基本目標4、(4)高齢者や障害者等に対応した住宅改修等への支援において(26頁)、高層マンションの準備組合などにおける計画段階から、地域包括ケアシステムをマンション内にどのように構築するか、検討することを指導する旨を項目立て(例えば、「高層マンションの計画段階からの高層マンション型地域包括ケアシステムの導入検討」)をして記載をお願いします。
19、協議型まちづくりの推進
基本目標5、(1)開発の機会を捉えた住宅・住環境の整備の促進、「協議型まちづくりの推進」において(29頁)、根拠法令は、中央区まちづくり基本条例や市街地開発事業指導要綱の二つだけではないため、指導要綱の後に「等」を追加するとともに、「住民が積極的にまちづくりに参加をする」旨の文言の追加をお願いします。
まちづくり協議会に学識経験者を入れることや、まちづくり協議会の開催日程の区民への事前通知等をし、まちづくり協議会の話し合いのテーマや議事進行も区民が行うなど、形式的な会議運営から、実質的な会議運営へと変えていくことも合わせてお願い致します。
20、住み続け働き続けれるまちづくりのために高齢者などへの配慮
基本目標5、(1)開発の機会を捉えた住宅・住環境の整備の促進、「住み続け働き続けられるまちづくり」において(29頁)、再開発事業等では、工事期間が4年間程度に及び、高齢者等健康を害されておられることより、再開発事業においては、ご高齢の方の住まいのエリアを施工区域において先に作り、一度の引っ越しで終えられる工夫をすることを強く求めます。
21、子どもの遊び場、運動場の確保
基本目標5、(2)人にやさしいまちづくりの推進において(30頁)、「まちづくりのおける子どもの遊び場、運動場の確保」の追加をお願いします。
特に、公開空地が遊び場や広場になるような工夫をすることを強く求めます。現状理想的な公開空地は少なく、単なる通行の場や植栽の場で済まされています。
22、ゼロ・エネルギー・ビルディングの追加
基本目標5、(3)環境等に配慮した住宅・住環境整備の促進、「開発事業における環境対策の指導」において、省エネルギー型対応設備の使用だけではなく、施工区域内でエネルギーをまかなう「ゼロ・エネルギー・ビルディング」の指導を行うことの追加をお願いします。省エネルギーだけでは対策は不十分であると考えます。
23、基本目標5へ「風害対策」の追加
基本目標5において、「風害対策」を施策の柱のひとつとして追加することを求めます。その内容として、計画段階には風害の影響評価を行っているが、実際に建築後においても事後評価を行い、風害が生じる場合には、その対応策を実施することを義務付けることを求めます。また、中央区内の全域の風害の調査を実施、その対策も行うことも求めます。
24、基本目標5へ「太陽光の享受」の追加
快適な生活で最も重要な要素は、緑と太陽光であると考えます。緑の整備は、施策の柱にありますが、「太陽光の享受」については記載がありません。追加をし、「健康な生活を送れるように、受忍限度を超えた日影(複合日影も含む)を作る建築は許可しない旨の記載をお願いします。
25、基本目標5へ「生きる希望が湧くまちづくり」の追加
本区での自殺の手段として特徴的なことは飛び降りが多いという事実があります。記載がたいへん難しいのですが、まちづくりにおいて、生きる希望が湧くまちづくりとして、自殺予防の観点からのまちづくりへの配慮をする内容の記載をできればお願いします。
26、基本目標5へ「超高層居住における健康リスクの評価と対応」の追加
欧米では、超高層居住は、子育て等では行わないと言われています。健康リスクをきちんと評価し、リスクを回避する対応策をとっていくことの必要性があり、施策の柱のひとつとして追加をお願い致します。
27、ゲートキーパーの追加
基本目標6、(3)地域を支える担い手の育成、各種サポーターの養成研修において(34頁)、自殺予防につながる「ゲートキーパー養成講座」の追加をお願い致します。
28、自立支援協議会などの提言の受け入れについて
第5章施策の推進に向けて、5−1各主体との連携、(2)住宅関連事業者、NPO等の団体との連携において(35頁)、「自立支援協議会や子ども子育て会議など区の協議会・審議会」との連携も追加をお願いします。
自立支援協議会などにおいて、まちづくりへのバリアフリーの意見は常に多く出されており、その意見をどうか積極的に吸い上げる体制の整備をお願いします。
以上