2019.01.18、聖路加国際病院で開催された『AYA世代のがん患者との協働-AYAサバイバーシップセンターの取り組み-』に、参加して参りました。
AYAとは、Adolescent(思春期)&Young Adult(若年成人)の略で、世界で定義は変わりますがおおむね15歳-39歳を指します。
サバイバーシップとは、がん(体験)を抱えて生きる人自身、支えあう家族、友人、医療関係者、支援団体などの総体を意味します。
聴講を終え、今後、求められる体制整備に向けて考える課題を記載します。
下線は、特に重要と考えるもの。
●本人:
・治療経過のサマリーの保管
●地域:
・がんになられた本人や家族に寄り添い、地域の資源につなげる人(「がん包括支援ケアマネージャー」(どう呼ぶべきかは別に、仮に呼称)、介護制度におけるケアマネージャーのようなかたの養成とそれぞれの地域への配置)
・かかりつけ小児科医や地区担当保健師によるAYA世代のがんの治療支援体制整備、上記「がん包括支援ケアマネージャー」との連携。
・移行期医療における小児科医と内科医の連携
●学校:
・副籍制度の整備(もとの学校にいながら、院内学級に参加)
・がん入院中の病棟と学校のクラスをICTで結んで、病院にいながらの授業出席ができる環境整備
・学校でのがん治療中の子どもの単位取得、出席数認定への柔軟な対応
・がん治療中の子どものスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーによる相談支援
・「がん教育」におけるAYA世代のがんについての知識
・がん治療中の先生への産業医・養護教諭を中心とした相談体制の整備
●企業、職場
・がんの従業員への相談体制整備、就労支援体制の整備
・両立支援コーディネーターとの連携
・がんの病名の個人情報としての企業内での保護
・企業へのがん治療中の従業員の情報(職場での配慮、治療の見通し、本人の思い)が届くこと
●市区町村:
・保健所や地域包括支援センターなどへの、ワンストップのがん相談窓口(この相談窓口ががん拠点病院の相談窓口へつなぐ)の整備
・仕事と治療を両立を支援する「両立支援コーディネーター」配置
・市区町村と都道府県の連携体制強化、都道府県が立てた『がん対策基本計画』実現に向けた市区町村の協力支援
・がん治療により免疫低下した子ども達へのワクチン再接種費用助成制度構築
・妊孕性保護のための治療への助成制度構築
・AYA完治後の定期健診費用助成(特に39歳まで)
・AYA世代のがんの方々の全例把握と各ニーズへの対応
・がん治療中の妊婦の「特定妊婦」としての支援
・企業、学校へのAYA世代のがんについての情報提供、啓蒙
・共済制度支援
など