道内の国道を維持・除雪してくれている業者さんたちが参加する、北海道維持除雪管理ネットワーク協議会の総会ならびに懇親会があって、参加してきました。
全道各地で夏は道路維持、冬は除雪に力を尽くしくれている皆さんが集まるというので、こういう場は現場の生の声を聞く絶好の機会というわけです。
懇親会の冒頭で宗谷枝幸の安田会長から、今年の北海道は寒いという話の流れで、宗谷バスが5月2日に雪のため動けなくなって地域の公民館へ避難した事件があった、という話が紹介されました。
地域の公民館では地元の女性たちが炊き出しをしてくれて事なきを得たそうですが、5月上旬に雪で遭難しかけるというのは、北海道の道を守るというのは実に大変なことだと改めて感じました。
立食でいろいろな方と話ができましたが、その中の一人は、前回お会いした時に、私が話した「一見関係のなさそうな方たちの共感を得る努力が必要です」という話に感心したそうです。
「そうしたら先日丁度、地元のPTAの会合で話をする機会がありましてね」
「それは良かったですね、反応はいかがでしたか」
「はい、ちょうどPTA会長が、『最近通学路の除雪が遅いと感じているのですが、なぜでしょう』と振ってくれたんです。それで、(これはチャンスだ!)と思って、20分くらい、除雪機械の老朽化と降神の遅れについて話したんです」
「…そ、そうですか。それで反応の方は…?」
「…はい、ドン引きされました(苦笑)」
「やっぱり(笑)」
私も、この会の皆さんの前で、「老朽化を世間の話題にしてください」と話しましたが、それはあくまでもこうした問題に基礎知識や問題意識がある人に対しての話し方でした。
PTAに参加してくれているような、小さなお子さんの保護者となると、話し方や話す時間などに工夫が必要だったのでしょうね。
まあ、人に分かりやすく伝えるためにはひたすら場数を重ねるしかないのですが、こういう地道な努力が始まったことは一つのエポックかもしれません。
地道に地道に参りましょう。
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別な業者さんは、「除雪隊が出発するときはなにか背筋が伸びる思いがしますよ」と言います。
「除雪隊の出発と言いますと?」
「私が除雪隊の監督になっているものですから、シーズン初めての出発式の時に号令をかけるんです。グレーダーが何台か並んでいて、そこで私が『出発!』と声を発すると、一台また一台とブレードが地面に擦れて火花を発しながら、次々に公道へ出てゆくんです。そのときには『頼むぞー』という気持ちになって、何というんでしょう、背筋が伸びる感じがするんです」
こういう現場に立ち会ってみたいものです。仕事に誇りを持って出発する人たちのドラマをもっと紹介してほしいものです。
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さて、今日の深夜1時25分からNHKで、「地方発ドキュメンタリー」として、「日本一困難な除雪~知床横断道路 雪と戦う男たち~」が放映されます。
生で見なくても、まずは録画しておかれてはいかがでしょうか。誰かがどこかで誇りを持って社会の秩序を保ってくれています。
お勧めです。
→http://bit.ly/12p2Tve