釧路の阿寒地区で「釧路湿原美術館」の開園準備を進めている、NPO法人佐々木榮松記念釧路湿原美術館の片野良一理事長さんが訪ねてきてくれて、6月15日のオープンを報告してくださいました。
この美術館は、昨年平成24年1月に亡くなられた、故佐々木榮松画伯の生前の功績を称える有志が集まってNPOを作り、なんとかして残された絵を保存しつつ展示したいということで準備をしてきたものでした。
建物は、阿寒本町の「道の駅丹頂」の隣にあった「北緯43°美術館」を譲り受けることができ、この改修も終えたとのこと。
故佐々木榮松画伯のご遺族から遺贈を受けた高野範子さんの協力と寄付によって、画伯の描いた絵画数百点を譲り受け、もう館内ではこれを展示して開園の準備は着々と整っています。
開園までの資金は、有志が奔走してボランティアを募った結果、必要な資金が半年余りで集まったそうです。
「せっかくなら釧路市内に作ってはどうか」という市民の声もあったようですが、NPOとしては「湿原の画家」として阿寒地区に焦点を絞っていたようです。
釧路市役所も陰に日向にこの活動には協力をしてここまでにこぎつけたようですが、地域に新しい魅力が加わることを大いに慶びたいと思います。
◆ ◆ ◆
この美術館の場所は、釧路から阿寒湖へ向かう通称「まりも国道」こと、国道240号線沿線にある「道の駅丹頂」に隣接しています。
この近くには、平成27年度に北海道道東自動車道の阿寒インターチェンジが建設予定で、道央方面から釧路地域を目指してくるドライバーにとって格好の立ち寄りポイントになるに違いありません。
また、これまでの道の駅との連携や、道の駅に隣接する国際ツルセンター「グルス」との相互連携も可能ですし、特に、NPO理事長の片野さんはその人脈を大いに活かして、JTBとも繋がりが深く、道東の旅造成にあたっても大いに協力が得られそうで、クルーズ船の釧路寄港も増えそうだということからすると、地域の魅力が増して地域の活性化に大きな期待ができそうです。
さて、故佐々木榮松さんと言えば、湿原の画家として有名で、湿原を題材にした多くの絵を残しています。
また、「道東の釣り」を始めとして、道東の釣りの雰囲気を叙情あふれる筆致で書かれた釣りエッセイでも有名です。
◆
私の釧路での釣りの師匠であるHさんは、当時もう既に廃刊だったこの「道東の釣り」を読んで、原稿用紙に書き写して何度も読んだ、という逸話の持ち主。
「眼光紙背に徹す」と言いますが、この本に書かれていることの意味を心底理解すればこそ釣りの真髄に達せられるのでしょう。
何はともあれ、来月6月15日(土)に釧路湿原美術館が開園するとのことで、これまでの関係の皆さんのご努力に敬意を表しつつ、地域の発展をお祈りしたいと思います。
早く行きたいものです。