北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

自分の体とは何か~アンジェリーナ・ジョリーの決断に思う

2013-05-16 23:45:47 | Weblog


 奥歯をインプラントにする手術を受けてから1か月半が経ちました。

 微妙な噛み合わせもしっかりと調節してくれて、しっかり咀嚼ができることのありがたみを感じています。

 治療の過程で、先に埋め込んだチタン製の土台周辺が安定するのを待つために、四か月以上、奥歯が二本ない生活が続きました。

 そのため、舌が、歯がない口の中でだらっと広がる感覚になっていて、歯が入ってからときどき新しい歯で舌を噛むという目にあいましたが、それも少しずつ慣れて納まってきています。

 しかしながら、一つだけ事前に予想ができなかったことがあります。

 それはやはり微妙に食べ物の味がしないこと。

 それ以前にも歯の中の神経を取って銀をかぶせる治療をしていたので、神経はないものと思っていましたが、改めてインプラントにしてみると、反対側のまだ残っている自分の歯に比べて食べ物の味がしないんだなあ、と思います。

 痛くて噛めないことを考えると贅沢と言われるかもしれませんが、やはり人工の器官は本物に比べると機能が完全じゃないのかな、と思うのでした。

 これからも精々歯磨きと歯周病予防に取り組んで、この歯には長く頑張ってほしいところです。


    ◆    ◆    ◆


 【ニューヨークタイムスより】


 さて、女優のアンジェリーナ・ジョリー(愛称アンジー)さんが、遺伝子検査の結果で乳がんリスクが高いということから、正常な両乳房の乳腺の摘出手術を受けた、というニュースが世界に衝撃を与えました。

 yahooニュース http://bit.ly/YM7KWC

 
 記事を読むと、アンジーのお母さんは乳癌でわずか56歳で亡くなっていたとのことで、アンジー自身の乳癌になるリスクが87%という診断を聞いて、手術を決断し、しかもそれを公表しました。

 公表した理由は、「世の中の女性の多くにもっと乳癌のリスクについて知り、乳房切除という手法があることを認識してほしいから」と述べています。

 立派な決断だ、という声も多い一方、同じニューヨークタイムスの健康に関するコラムでは、それ以外の様々な医師の声を紹介しながら、「予防的な乳房切除は、板挟みを浮き彫りにした」と評しています。

 それは、アンジーが診断されたBRACAと呼ばれる遺伝子の突然変異は極めて高いリスクのある事例であって、これに該当する人は極めて少ないということ。

 また、1970年代から80年代にかけての調査でも、発症してからの腫瘍摘出手術は十分に成果のあることだという結果が出ていると言います。

 また、BRACA遺伝子を持っている女性でも、年に一度の乳房X線検査とMRI診断、または半年に一度のX線検査で乳がん診断はかなり簡単になっています。

 ベドロシアン医師は、「今回のアンジーの決断を前向きに理解すると、女性たちはもっと家族の病歴に関心を持ってほしい、ということになるでしょう」と言っています。

 アンジーのケースは極めて特別なものだという理解を踏まえたうえで、なお、乳癌に対する世間の関心を引き寄せたという意味で、彼女の思いは果たされたというべきでしょう。


    ◆   ◆   


 しかし自分に照らしてみると、歯の一本でも、体の一部が失われるということにはかなりの喪失感があります。

 注目される強い女性像としてのアンジーの役者魂が、こっそり隠しても良い手術を公表させたとも言えそうです。

 セレブもつらいものですね。

 
 
【ニューヨークタイムスコラム"HEALTH"】
 『ジョリーの予防的乳房摘出は板挟みを浮き彫りにした』

 "Jolie’s Disclosure of Preventive Mastectomy Highlights Dilemma" 

http://nyti.ms/11HqISc 

 

コメント
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