北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

掛川の茶畑が世界農業遺産に

2013-05-29 23:34:57 | Weblog

 

 私がかつて助役をしていた静岡県掛川市の周辺の茶畑が世界農業遺産の指定を受けたそうです。

 世界農業遺産というのは、国際連合食糧農業機関(FAO)が認定する、「世界重要農業遺産システム」の通称なのだそうで、一般的に言われるユネスコが認定する世界遺産とはちょっと趣が異なります。

 
【日経新聞 平成25年5月29日】
 国際食糧農業機関(FAO)は29日、存続が危ぶまれる農法や景観を維持する目的で認定する「世界農業遺産」に静岡県掛川市周辺、熊本県阿蘇、大分県国東半島・宇佐の3地域を選んだ。同日、石川県七尾市で開いた「世界農業遺産会議」で決めた。日本では2011年に認定された石川県能登、新潟県佐渡市に続き、5カ所目となる。

 静岡県掛川市など5市町は、茶園にススキを敷いて保湿に使う「茶草場農法」で認定された。熊本県阿蘇の7市町は草原を野焼きして新たな草の成長を促す放牧地の維持法、大分県国東・宇佐の6市町村は、クヌギ林とため池を栄養源としながらシイタケを育てる農法で認定を受けた。

 静岡、熊本、大分の3県はそれぞれ知事が会議でプレゼンテーションし、FAO関係者らの審査を経て世界農業遺産への登録が決まった。
 → http://s.nikkei.com/10zQo0v


 「掛川が…」などというと聞こえは良いですが、中日新聞の方には、「…茶の産地で知られる静岡県では、掛川、牧之原、菊川、島田、川根本町の五市町が、伝統農法として「静岡の茶草場(ちゃぐさば)」を申請していた。茶畑の周りに広がる採草地で、秋から冬にススキなどを刈り取り、茶畑の有機肥料などに活用する仕組み。茶農家が茶草場の草を刈ることで生物多様性が保たれていることなどが、審査関係者からも高く評価されている」とありました。

 掛川を中心とする茶どころの伝統的な茶畑を管理する方法として、ススキを刈り取って畑に敷き詰めるということがあるのですが、これが評価されたのだそうです。

 これって、掛川周辺の茶畑を見ているとときどき見かける当たり前の風景でしたが、それがこうして評価されたのは良いとして、しかしこの認定の目的は、「存続が危ぶまれる農法や景観を維持する目的」というのですから、要はそういう風景も減少していると認定されたということなのかもしれません。

 伝統的な農法は良いとしても、農家の高齢化によって、より効率的な農業をやろうと思うとどうしても肥料に頼らざるを得ないのも現実です。

 このあたりのバランスを上手に取って、残せるものは残してほしいですね。


    ◆  


 ところで上記日経の記事を読んでいて、違和感がある表現がありました。

 それは掛川にあるのを『茶園』と言っていること。

 私の茶園のイメージは、お茶の木をツツジの大刈込のようにして栽培している庭園の様なもので、実際に掛川で見られるような幅1メートルくらいの茶の木が延々と筋状に畑に植えられている風景は私的には『茶畑』だと思っています。

 今はほとんど茶畑になってしまっていて、茶園で栽培しているところはほとんど見かけないなあ、と思っているのですが、茶どころの人たちはこういう表現を使い分けしているのでしょうか。誰かもし分かったら教えてください。


 いずれにしても、静岡県中部の茶どころの評価がまた一つ上がりました。

 札幌スイーツには、美しい水色のお茶とのコラボを試してみてください。なんてったって日本の伝統の飲料なのですからね。

 

コメント
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