北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

鯨の竜田揚げはいかが

2010-12-21 23:43:45 | Weblog
 東京での関係者挨拶回りの二日目。今日は海運関係の企業と霞ヶ関界隈を中心に回りました。

 クルーズ観光の会社では「来年はクルーズで寄港してくれる船として八隻を予定しています」と言うと、「それは素晴らしい!随分頑張りましたね」と評価されました。

 一方外房コンテナ輸送の船会社さんでは、「コンテナ輸送船を週二便に増やして欲しい」と言うお願いに対して、「運ぶものが増えればいくらでも増やしますよ。是非地域経済を活性化させて、荷を増やしてください」と言われる始末。

 全部がうまくいくのはなかなか難しいものです。

    ※    ※    ※    ※

 水産庁への訪問では、市内での年二回の鯨給食の実施などの鯨食文化振興への取り組みについて説明したところ、「大変有り難い話ですが、最近は鯨の消費が幾分か伸びているものの、安い鯨肉を輸入する動きもあって在庫が増えているので、さらに消費拡大をお願いします」と逆陳情を受けてしまいました。

 鯨肉をどのようにして食べるのか、と言う戦略については、「新鮮ならば刺身でも美味しいですし、南の鯨よりは釧路あたりの鯨の方が寒さを受けて脂を体にまとうのでトロっぽいものが食べられるでしょうね。しかし刺身では同じ魚消費のシェアを争うだけなので、『ライバルは肉だろう。ステーキや竜田揚げなどを美味しく食べてもらって、美味しさが分かる人が増えると良いのですが」とのこと。

 外はカリッとして中はふわふわというとっても美味しい竜田揚げを食べさせてくれる店が都内にはあるそうで、今度行ってみなくては。

 皆さんの近くのお店では鯨肉は手に入りますか? 

 
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「水を抜く」ってわかります?

2010-12-20 23:55:44 | Weblog
 午前中の飛行機で東京出張。今日から木曜日まで東京で挨拶回りやら情報収集に歩きます。

 木曜日から週末は札幌に移動するので、釧路のアパートは一週間留守にすることになります。アパートの管理人さんからは、水道凍結注意のお知らせが何度も郵便受けに入っていて、長期不在の際の水道の管理をしなくては、という思いにさせられます。

 「水道の水を落とす」なんて、北海道在住以外の方にはちんぷんかんぷんかも知れませんが、水道の水を配管や下水管の中に残したまま部屋が冷えると、配管の中野水が凍って水が出なくなるばかりか、氷の膨張で配管が壊れることだってあるのです。

 だから冬期に長期不在になる時は、まずは水道の元栓を閉めて水が部屋の配管に入ってこないようにします。しかしそれだけではまだ不十分で、部屋の中の流しやトイレ、温水器の配管などの中にある水は抜かなくてはなりません。これが「水抜き」という作業。

 水道の蛇口を開けっぱなしにして水をじゃあじゃあと出しながら元栓を閉めて、温水器などは水抜き栓を開けることで中に入っている水を抜き出すのです。

 全自動洗濯機だって、蛇口から繋がっているホースを一度外して中の水を抜きます。こんな作業は経験のない人には何のことか分からないかも知れませんが、子供の時は家にいてストーブを炊いているのに水道が凍ったという笑えない事実を何人もが経験していることと思います。

 もっとも現代の住宅では断熱がしっかりしているので余程のことがない限り凍らないと言われてもいるのですが、それにしても、冬の生活はなんといっても備えあれば憂いなしなのです。

 ちなみにトイレの排水は、タンクの水を流すことは当然として、便器の中に残った水については、雑貨屋さんで不凍液を買ってきてこれを注ぎいれることで凍らないようにします。不凍液は2リットルで千円ほど。冬の生活にはなにかとお金がかかるわけです。

    ※    ※    ※    ※

 もっとも今朝家を出てみると雨模様の天気で気温は5℃! 不凍液など全く要らない気温に憮然としながら空港へと向かいました。

 準備をしたからにはカーンと冷え込んでみて欲しい、というのはゆがんだ心理でしょうか(笑)

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湿原を賢く使うには

2010-12-19 23:45:27 | Weblog
 今日は予算のヒアリング最終日。まずは大まかなヒアリングを行って、ここから先は若手を中心とした部隊が事務的な査定案の策定に入ります。

 限られた予算の範囲に収めるために、正月を挟んで連日夜遅くまで作業が続くことでしょう。その成果は年が明けてから再び聞くことになります。寒い中で風邪など引かずに頑張ってください。

    ※     ※     ※     ※     ※

 昼休みにちょいと抜け出して、ラムサール条約締結30周年記念イベントにご挨拶。このイベントの講演のために釧路に来ていただいている環境分野の恩師であるT先生にお会いしてきました。

 釧路湿原は国立公園になる際も、T先生の熱心なご指導により「利用と保全のワイスユース」という考え方でスタートすることができました。

 ワイスユース(wise use)とは『賢い利用』という意味。湿地の賢明な利用とは、『湿地の価値を認識し、その生態系を維持できるような方法で湿地を持続的に利用する』ことだという考え方を共有できているので、保護運動が先鋭化したり、利用の圧力に侵されるということもなく今日にまで至っています。

 保護自体は崇高な扱い方ですが、それが先鋭化して保護のためには何もするべきではない、という考え方が支配すると、人々の利用が少なくなって興味を持つ人が減り、結果として保護すべき価値を後半に伝えることができなくなってしまいます。

 だから、自然は、利用の圧力を抑えながらも、価値が分かる人を増やすための利用を促進するという相矛盾する活動の両輪を絶妙なバランスを保つ必要があるのです。





    ※     ※     ※     ※     ※

「そうした関心をもってもらうためにはねえ、面白がるということが必要なんですよ」とT先生は語ります。

「面白くならないと興味がわきませんよ。興味がわかないと人は離れて行ってしまいます。それは全く自然公園の価値を味わうということに逆行してしまいます」

「コンサルタントの調査もなんだか紋切型ですしね」と私。するとT先生は「そう、そうなんですよ」と強くうなずかれました。

「釧路川で一度直線化したところを再び蛇行させた工事個所があったでしょう。僕は切り替えたすぐ後に調査で入ったんですよ。そうしたらそのニュースを知った釣り人が何人もきていて釣りをしていたんです」
「なるほど、釣り好きには新しいポイントなんですね」

「そこで釣りをしている人たちに、どこでどんな魚が釣れますかね、なんてことを訊いてみるわけ。そうすると『あそこがよさそうだと思ったらどうもそうではないみたいだ』とか、『ここのポイントでは随分大きな魚が釣れました』なんて話が聞けるわけですよ。これこそまさに生きた情報だと思いました」
「コンサルタントの情報にはそうした喜びみたいな共感がありませんね」

「そう思うでしょう?『魚のことは魚に訊け』というけれど、魚には聞けないまでも、調査とすれば『釣り師に訊け』くらいなことはあってもよさそうだと思いましたよ」

    ※     ※     ※     ※     ※

 その話を聞いて思い出したのは、長野県で公園を作っていた時に出会ったある河川屋さんの話。

「私は長野県で当時河川事務所の所長をしていたKさんと知り合いました。その方が立派だったのは、魚を増やすという触れ込みで施工した木工沈床が本当に魚を増やすのに役立っているのかを知るために自らダイビングの免許を取って実際に潜ってその働きを目視したんです。結果は全く機能していないということだったようで、改善を施されたようですが、そうした『自ら見る』という姿勢を立派だと思いました」
「ああ、Kさんね。よく私も知っていますよ」とT先生、やはり有名な方でした。

「河川屋さんも数多くいて、河川環境は大事だということをおっしゃる方はたくさんいますが、実際に潜ってどんな魚がどういう生態でいるかを見るところまでやる人の話はまず聞きませんね。私も実はマリモの潜水調査に同行したいとお願いをしているところなんです」
「マリモの潜水調査ですか!それはすごいなあ、私も同行したいくらいだ、はっはっは!」

    ※     ※     ※     ※     ※

 環境に興味を持たせるには伝える側が心底面白がっている雰囲気が伝わることが大切です。

 もっともっと私たちも釧路湿原を楽しんで味わいたいものです。 


 年賀状を書ききれないまま明日からは東京出張で、週の公判は札幌で大掃除です。明日家を離れるときは水抜きと不凍液を忘れないようにしなくては!

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釧路のガールスカウト第9団

2010-12-18 23:35:36 | Weblog
 「釧路の冬は東京みたいに晴れている」などと言っていたら、やはり北海道でした。

 釧路は朝から雪が降り、昼過ぎには10センチほどの積雪になりました。除雪車が出動するかどうかは微妙な厚さですが、外はもうすっかり雪景色です。

 今日も予算ヒアリングで出勤ですが、まだ大丈夫だろうと軽く考えて乗っていった自転車も真っ白です。路面がつるつるで危ないなあ。


                 【雪の庁舎前、もう真冬の装いです】


                 【雪積る自転車。もう乗れないかな】


    ※     ※     ※     ※     ※

 ヒアリング作業の合間の昼休みに、案内をいただいていたガールスカウトのクリスマス会をちらっと見てきました。

 一応ガールスカウト連盟の評議員を仰せつかっている立場上、地元の団の皆さんと会っておかなくてはまずいなあ、と思っていたところに来たご案内だったので、短時間でしたが参加できたのです。

 今年はガールスカウト日本連盟が創立されて90周年の節目の年で、各地で記念事業が行われたようです。釧路のガールスカウトは第9団というのだそうですが、これは北海道で9番目に作られた団ということなんだそう。この北海道第9団も来年の2月19日には市内でイベントを行う予定。

 今日はそのための準備的な会合とクリスマスを合わせた集いで、今日ばかりは団員だけでなく、お友達もつれてきて良いイベントとして催し物やおやつ類もたくさんあって楽しそうでした。


                 【ガールスカウトのクリスマス会、みんな仲がよさそうです】



 こちらの団では、ガールスカウトとして活動した一年のゆかりの品々をアルバムとしてまとめることを続けているのだそうで、関係の書類などが散逸するのも防げるし思い出のまとめにもなるので一挙両得です。

 今年は、ずっと続けてきた墓地清掃が評価されて地元の仏教界からも表彰されたのだそう。スポーツクラブとも違って本当にしっかりとした精神が育つ活動ですが、少子高齢化や、交通や変な大人など通う環境が悪化しているのが残念なんだとか。難しいものですね。

    ※     ※     ※     ※     ※

 帰りには駅から幣舞橋に向かう北大通りも真っ白。

 いよいよ釧路も冬に突入です。

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ロジとサブスタンス

2010-12-17 23:46:27 | Weblog
 昨日から各課からの来年度予算要望のヒアリングが始まって、一日中缶詰め状態が続いています。

 予算要望は、一度認められて毎年当然かかる経費はさておき、来年度にやりたいことややらなくてはならない新しい項目を中心に資料をつくり、それに関する意見交換をするものです。

 厚さ10センチのファイル二冊分の資料集に基づいて、各課が入れ代わり立ち代わり内容を説明してくれるのですが、その要望内容が実に多岐に渡り、また量が多いのです。

 聞いている方も大変ですが、これだけの資料を作ってくる方もさぞ大変だったことでしょう。まことにご苦労様です。

    ※     ※     ※     ※     ※

 よく会議の準備をするときに大事なことは「ロジスティック(通称ロジ=)」と「サブスタンス」と言われます。

 「ロジ」は軍隊用語だと古くは「兵站(へいたん)」と呼ばれ、戦う最前線にどのように兵隊や武器、食料などを運ぶかという意味で使われ、物流そのものを表すもの。

 会議で「ロジ」と言えば、会場はどこで、いつ何時から誰と誰がどの部屋でどういう組立で会議をするか、というシナリオを作る意味で使われます。政治家がある会議で誰々さんと会ったなどというのは、裏で会場や飛行機、ホテル、マスコミまで連絡をとった黒子たちが、入念に組み立てた演出である場合がほとんどです。

 そして「サブスタンス」というのは、そんな風にして行われた会議で実際に何を話し、何が決められ世の中がどう動くことになるのか、という『実質的な中身』のこと。

 政治家があっても、何が決まったのか、会議にどういう意味があったのかが誰もわからない、などというのはサブスタンスの詰めが甘いと言わざるを得ないわけ。

 会議に先立っては当然事務方による先遣隊が下打ち合わせを繰り返して、会議の落としどころを見据えておくはずなのですが、利害が対立する会合だったりすると、そうした中身を詰め切れないままに当日になってしまうことだってあるのです。

 会議を演出するのもなかなか大変で、ロジもサブスタンスも、それぞれ専門の担当者がついて業務をこなします。

    ※     ※     ※     ※     ※


 そして市役所の予算ヒアリングだって、ロジとサブスタンスはあるわけで、担当者は、○○部の△△課は何時何分から何時ころまで、というおおまかなスケジュールをつくっておいてそれを事前に示す中で会議が進行します。それがロジの役割。

 会議に出ていると説明が上手な担当者とまだまだ発展途上な担当者がいて、なかなか面白いものです。

 私が考える上手な説明者とは、
①話し方は早すぎずゆっくりすぎず、適度なリズム感をもって相手を飽きさせない。

②伝えておきたい大事なポイントは決して外さず、隠したりごまかしたりしないが、あえて余計なことも言わずに相手の理解をきっちり得る。

③説明する相手が、背景を知っているかどうかを察知して、知らないと思ったらすかさず背景情報を説明する臨機な対応ができる。

④ロジを意識して、全体の時間の流れを阻害しないように時間の範囲内で収める。できるだけ早く終われるならその方が良いという価値観をもつ。

⑤節目で笑いを取るユーモアの余裕とテクニックを持つ。
 
 …といったあたりですがどうでしょう。上手な説明者だと説明を聞いているこちらの方がその流れとテンポと説明内容に感心する場面もしばしばあるものです。

 まああまりにシナリオ通りというのも詰まらないもので、ときどきはハプニングが起きて、それを治めるというのも良い練習なのですが。

 苦しい財政状況下での予算査定作業は週末も続きます。無駄がなく、それでいて効果的な予算運営になるようなサブスタンスを求めてスタッフ一同頑張っています。
   

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「六然」で生きる

2010-12-16 23:58:41 | Weblog
 私が高校生の時に、「現役不自然 一浪当然 二浪平然 三浪憮然 四浪悄然 五浪愕然 六浪慄然 七浪呆然」という戯言が流行りました。

 大学受験で浪人をした私は、まあ【当然】の人生を歩んだと言えるかもしれませんが、試験を受けて(だめだったろうな)と思ってもやはりショックなもの。

 学生のときは「浪人をすると定年までの労働年数が一年減って生涯賃金が1千万円は違うんだから頑張れ!」と檄を飛ばす先生もいましたが、浪人時代の経験を振り返ってみて今では「浪人をしてよかった」と思っています。

 酒に酔ってトラブルを起こした歌舞伎役者さんなどは若くして失敗をしたこともなく過ごしてこられたかなあ、と思わせるところがありましたし、今回の事件がうまく収まって、今後のためには良い薬になってくれると芸のためには良いだろな、とも思う今日この頃。 

  人間は若い時期にある種の失敗を経験した方が自分の至らなさを知って驕り昂ぶる心に抑制が効くような気がします。





    ※     ※     ※     ※     ※

 さて、冒頭の『一浪不自然…』のモデルになったのかもしれませんが、中国の古典に「六然(りくぜん)」という言葉があります。まさに「然」の字が付く人間にとって大切な六つの単語です。

 
 それは、安岡正篤先生によると

  自處(処)超然(じしょちょうぜん<自ら処すること超然>)
   自分自身に関してはいっこう物に囚われないようにする。

  處人藹然(しょじんあいぜん<人に処すること藹然>)
   人に接して相手を楽しませ心地良くさせる。

  有事斬然(ゆうじざんぜん<有事には斬然>)
   事があるときはぐずぐずしないで活発にやる。

  無事澄然(ぶじちょうぜん<無事には澄然>)
   事なきときは水のように澄んだ気でおる。

  得意澹然(とくいたんぜん<得意には澹然>)
   得意なときは淡々とあっさりしておる。

  失意泰然(しついたいぜん<失意には泰然>)
   失意のときは泰然自若(じじゃく)としておる。

…というものだそうですが、人間は、ともするといかにもこれらの逆な行動をしがち。冒頭の『二浪当然』とは風格が違いますが、この「六然」を知っていて作ったのだとしたら作者は相当の切れ者であるとも言えそう。

 ぜひともこの「六然」を覚えて、日常の生活の中に取り入れたいものですね。

 
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縁の下の忍耐力

2010-12-15 23:45:44 | Weblog
 朝起きるとうっすらと雪化粧の釧路。とはいえまだ日中の日差しでとける程度で良かったです。

 そろそろ除雪の季節が到来したこともあって、午前中に市内の除雪センターを見学して歩きました。

 釧路では旧阿寒町、旧音別町を除いた旧釧路市内を6つのエリアに分けて、それぞれ幹事となる担当の業者さんを定めています。

 降雪時には市役所の職員と各除雪センターを統括する民間事業者のセンター長が連絡を取り合って、見回りに出たり傘下の事業者さんたちに除雪の出動連絡をすることになっています。

 かつて夏の公共事業が潤沢だったときは、夏で利益を上げて冬の除雪はそれほど儲からなくても社員を使った社会貢献という趣があったのですが、近年は夏の公共事業が少なくなりどこの土木会社や舗装会社さんたちも四苦八苦。

 そもそも道路新設の公共事業が少なくなったため、グレーダーと呼ばれる砂利を均すのに使われて、冬は雪を道路わきに押しやるような大型機械や、トラックの先頭に据え付けるブレードという部品などもめっきり少なくなっています。

 しまいにはホイールローダーをもっている中古自動車の販売会社にまでお願いして地区割りをお願いしたりするなど、担当者は夏の暑いころから冬の除雪能力を確保して回るのにとんでもないエネルギーと労力を使っています。

 大きな都市であれば役所の側が業者さんを選ぶこともできるでしょうが、ここ釧路では業者さんが「そんなに苦労してお金も安くては…」と仕事を選ぶような状況。つまり、地域に自らの地域を維持補修するだけの健全な能力が欠けはじめているという認識を持つべきです。

 いくら苦情や文句を言われても、「できないことはできません」と言わざるを得ない日が来ないことを祈るばかりです。

    ※     ※     ※     ※     ※

 センターへ行く途中で「路上駐車を減らすための工夫はなにをしていますか?」と訊いてみると、担当者からは「事前に路上駐車をしている車にお願いのチラシを配っています」とのこと。

「慣れてしまうと効き目がないのではないですか?」とさらに訊くと「昨年まではちょっと優しい感じの右側のチラシだったのですが、市民の方からの『もっと強い調子で訴えてもいいと思うよ』という声を受けて、今年からは左側のちょっと強めのイラストに変えました」という返事でした。

 こんなイラストの変更も市民感情を害さないように慎重に行っているのです。


                 【ささやかな変更の効果に期待です】



    ※     ※     ※     ※     ※

 
 あるセンターへ到着して、センター長さんに地域からの苦情の状況を訊いてみました。

「苦情はやはり多いですか?」
「はい、電話二本で受けていますが雪が降るともうなりっぱなしになります」

「路上駐車場の数も相変わらず多いですか?」
「はい、でもチラシの効果もあるのか、年々少しずつ減っていることと感じています。まあ苦情を言って来られる方はだいたい決まっているような感じですが…(笑)」

「苦情の内容はどういうものですか?」
「雪が降っているけれどまだ除雪車は来ないのか、というものや、間口に雪を置いてゆくな、あるいは間口の雪を取ってほしい、というものが多いですね」

 除雪車がどこにいるかは、センターと除雪車のオペレーターが電話で連絡をしあったり、業者さんによってはGPS発信機を持たせてどこにいるかをリアルタイムで把握することで問い合わせに答えるような体制ができています。

 また間口除雪は行うだけの余裕がないので、単身高齢者などには120円の本人ご負担でボランティアが駆け付けて間口だけ開けてゆく「福祉除雪制度」などもあることを伝えて、自助の力をお願いしているとのこと。こうした事情も市民の皆さんにはわかっていただきたいところです。

    ※     ※     ※     ※     ※

 ひとたび雪が降れば、市民の生活を守るという気概を持って、夜を徹して除雪作業にはいる業者さんたちですが、センターにかかってくる電話の99%は酔いに任せた罵詈雑言も含めた苦情の電話だそう。

 縁の下の力持ち的な仕事は数あれど、これほど苦情を受ける仕事もそうはないでしょう。なんとも因果な仕事で同情を禁じえません。

「でもですね、最近は1%くらい『きれいにしてくれてありがとうございます』という感謝の電話が入ることがあって、そのときばかりは気持ちがふっと楽になります。あとはご説明と忍耐ですね」

 
 いずれ雪が降った時にもセンターを訪ねて、電話でのやり取りの現場を見てみたいと思いました。

 ここにもわがまちのリアルな生涯学習のタネがありそうです。 



                 【出動間近の精鋭機械部隊】
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出すのが先、入れるのはその後

2010-12-14 23:44:45 | Weblog
 最近はとんとご無沙汰なのですが、かつてスキューバダイビングにはまっていたときがありました。

 転勤で長野県松本市に住んでいたころ、水辺の自然を研究する会に誘われ、やがて水辺にとどまらず水の中に入って生き物を見るという楽しみにつながっていったのでした。

 スキューバダイビングには公的な免許や資格というものはなくて、いろいろな団体が独自に認定することで道具の使い方から呼吸の仕方や潜水時の健康状態、緊急時の対処法などを教えることで独自に潜水可能な免許資格、いわゆる「Cカード」を与えています。

 私もCMASという団体の認定を受けるため、佐渡島までわたって二泊三日での免許取得コースに挑みました。

 しかし実際は超落第生。波酔いでふらふらになって学科の最中寝込んでいたり、実技がうまくいかなかったりして普通なら簡単に取れる二泊三日のコースでは認定ができなくて一か月後に再試を行うという体たらくだったのです。 

 なかでも一番恐怖を感じたのは、初めてレギュレーターをくわえて水深3メートルのところを数十メートル先まで泳いで進むときのこと。吸えばタンクから空気が出てくるはずなのですが、いくら空気を吸っても呼吸がどんどん苦しくなりました。

 苦しいので余計にハアハアと吸っては吐きを繰り返すのですが苦しさはいよいよ増すばかり。とうとう十メートルも進まないうちにパニックになって水面に顔を出してしまいました。

 ついてくれていたインストラクターが「どうしました?」というので、「空気をいくら吸っても苦しくて呼吸ができなくなりました」と答えたところ、「それは呼吸が浅くなったんですね。深く吐けるだけ吐いてから吸うのがコツですよ」とアドバイスをくれました。

 つまり、苦しくなってハアハアと浅く吸って浅く吐くことを繰り返していると、肺の中の深いところの空気が入れ替わらずに二酸化炭素の濃度が上がって苦しくなるのだとか。

 だからそうなったら、まずは深く深呼吸をすると良い、ということなのですが、深呼吸というのは「深く吸って深く吐く」のではありません。深呼吸とは「深く吐いてから深く吸う」ことなのだというのです。悪い空気を出し切ることで初めて良い空気を吸う体勢が整うのであって、出す前に入れるのは順序が逆だというのです。

 これは目からうろこでしたが、様々な世界の達人たちが実践する呼吸法も実はこれと同じようなことを教えてくれるのでした。


    ※     ※     ※     ※     ※


 実際、人間が最期を迎えるときには「息を引き取る」と言い、もうだめだと思ったのが生き返ったときは「息を吹き返す」と言います。これなどは実に的を射た表現ではありませんか。

 吸った息を吐けなくなったときが「息を引き取った」瞬間であり、吸った息が再びフーッと吐き出されたときが「息を吹き返し」た瞬間なのです。昔の人は実によく真理を見ていますね。

 実は食べ物も同じで、食べることよりは便を出すことの方が生きる上では重要なのだそうです。

 私は知識も同じようなものだと思っていて、本を読んだり話を聞いたりして詰め込むだけ詰め込むの結構だけれども、どこかでそれを自分なりにまとめて人に伝えたり形に残すことで、入れたものを出す作業をするのが良いと思うのです。

 それも出せば出すだけ、自分の中のものが足りなくなってしまい新しいものを求めるようになるからです。

 それは学術的な高度な論文に限らず、日記やブログ、さらには酒でも飲みながらの友人との語らいでも良くて、とにかく自分の考えを形にして外に出す作業を繰り返すことで新しい発見に繋がったり、もっとたくさんの情報や知識が欲しくなるのです。

 上手だとか下手だとかにこだわらず、まずはいろいろな形で自分の中のもやもやを外に出してみてはいかがでしょうか。できれば深く出した方が次に深く求めるようになるような気がします。

 まずはちょっとした呼吸法の実践からでもよいのですが、こんなちょっとしたことが長い人生を生き抜くコツになるかもしれませんよ。 
 
  
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僕等がいた

2010-12-13 23:33:16 | Weblog
「こままささん、『僕等がいた』って漫画を知っていますか?」

 突然職員から訊かれたのですが、最近は漫画をあまり読まなくなっているのでよくわかりません。

 『僕等がいた』というのは、「別冊少女コミック」改め「ベツコミ」で連載されている少女漫画で、作者は小畑友紀さんとのこと。

 第50回(平成16年度)小学館漫画賞を受賞して、コミック累計数は900万部を超え、2006年にはテレビアニメ化もされるなどした大ヒット作なんだそうです。

 実はこの小畑友紀さんという方が釧路市出身で、ご自身の出身校が漫画の中に登場する学校のモデルとなっていて、ご当地漫画として知っている方が良いというアドバイスでした。

「読むならお貸ししますよ」という声に、「じゃあ貸してください」ということで、まずは5巻を借りました。

 中身は5巻までを見る限り、子供時代に見たような懐かしい少女漫画。主人公の女の子が同級生のイケメン男子に惚れたことによっておこる学園ドラマです。

 物語が進むと、ドラマの場面は東京に移ってゆくのだそうですが、まだそこまで行きません。

 映画「ハナミズキ」では映画のロケ地を訪れてみましたが、ご当地作品というのはできるならチェックしておきたいものです。

 少女漫画で懐かしいのは陸奥A子さんとか大島弓子さんなどかな。あ~、懐かしいですね。

 さて、残りの漫画も借りて観てみるとしましょうか。

 
                 【まずは五巻から】
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幽霊の正体

2010-12-12 23:03:32 | Weblog
 昨日、壁掛け電波時計の針がぐるぐる回る怪奇現象について記事<こちら>を書いたところ、さっそく「しらねあおい」さんという方からコメントが届きました。

 曰く、「こままささんの時計は、周囲の明るさを感知して、夜など周囲が暗くなったときなどには秒針を止める機能が付いていませんでしょうか?」

「このような機能が付いている電波時計の場合、夜に部屋の照明を点けると同時にそれまで止まっていた秒針が正しい秒を表示するべく動き出すので、このような現象を目撃することになるのだと思います。
(秒針以外の針は、周囲が暗くても正しい時刻を表示し続けるので、照明を点けた時に秒針だけが大きく動きます。)」とのこと。

 おお、なるほど。確かに寝室のスイッチをつけた瞬間に時計の針がぐるぐる回る現象は、明るさかスイッチによる電波か何かに反応していることを予感させていました。

 午後の電車で釧路へ戻った後に、自宅の妻に連絡をして明るさによる反応を見てもらったところ…、早速電話が来て「本当だ!明かりをつけると秒針が早く動いたよ!」ということが分かりました。

 電波時計の説明書はどこかへ行ってしまったのですが、やはり「しらねあおい」さんの説明が正しかったようです。

 しらねあおいさん、ありがとうございました。長年の気味の悪い現象の謎から解放されました。ほっ…


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