朝起きるとうっすらと雪化粧の釧路。とはいえまだ日中の日差しでとける程度で良かったです。
そろそろ除雪の季節が到来したこともあって、午前中に市内の除雪センターを見学して歩きました。
釧路では旧阿寒町、旧音別町を除いた旧釧路市内を6つのエリアに分けて、それぞれ幹事となる担当の業者さんを定めています。
降雪時には市役所の職員と各除雪センターを統括する民間事業者のセンター長が連絡を取り合って、見回りに出たり傘下の事業者さんたちに除雪の出動連絡をすることになっています。
かつて夏の公共事業が潤沢だったときは、夏で利益を上げて冬の除雪はそれほど儲からなくても社員を使った社会貢献という趣があったのですが、近年は夏の公共事業が少なくなりどこの土木会社や舗装会社さんたちも四苦八苦。
そもそも道路新設の公共事業が少なくなったため、グレーダーと呼ばれる砂利を均すのに使われて、冬は雪を道路わきに押しやるような大型機械や、トラックの先頭に据え付けるブレードという部品などもめっきり少なくなっています。
しまいにはホイールローダーをもっている中古自動車の販売会社にまでお願いして地区割りをお願いしたりするなど、担当者は夏の暑いころから冬の除雪能力を確保して回るのにとんでもないエネルギーと労力を使っています。
大きな都市であれば役所の側が業者さんを選ぶこともできるでしょうが、ここ釧路では業者さんが「そんなに苦労してお金も安くては…」と仕事を選ぶような状況。つまり、地域に自らの地域を維持補修するだけの健全な能力が欠けはじめているという認識を持つべきです。
いくら苦情や文句を言われても、「できないことはできません」と言わざるを得ない日が来ないことを祈るばかりです。
※ ※ ※ ※ ※
センターへ行く途中で「路上駐車を減らすための工夫はなにをしていますか?」と訊いてみると、担当者からは「事前に路上駐車をしている車にお願いのチラシを配っています」とのこと。
「慣れてしまうと効き目がないのではないですか?」とさらに訊くと「昨年まではちょっと優しい感じの右側のチラシだったのですが、市民の方からの『もっと強い調子で訴えてもいいと思うよ』という声を受けて、今年からは左側のちょっと強めのイラストに変えました」という返事でした。
こんなイラストの変更も市民感情を害さないように慎重に行っているのです。
【ささやかな変更の効果に期待です】
※ ※ ※ ※ ※
あるセンターへ到着して、センター長さんに地域からの苦情の状況を訊いてみました。
「苦情はやはり多いですか?」
「はい、電話二本で受けていますが雪が降るともうなりっぱなしになります」
「路上駐車場の数も相変わらず多いですか?」
「はい、でもチラシの効果もあるのか、年々少しずつ減っていることと感じています。まあ苦情を言って来られる方はだいたい決まっているような感じですが…(笑)」
「苦情の内容はどういうものですか?」
「雪が降っているけれどまだ除雪車は来ないのか、というものや、間口に雪を置いてゆくな、あるいは間口の雪を取ってほしい、というものが多いですね」
除雪車がどこにいるかは、センターと除雪車のオペレーターが電話で連絡をしあったり、業者さんによってはGPS発信機を持たせてどこにいるかをリアルタイムで把握することで問い合わせに答えるような体制ができています。
また間口除雪は行うだけの余裕がないので、単身高齢者などには120円の本人ご負担でボランティアが駆け付けて間口だけ開けてゆく「福祉除雪制度」などもあることを伝えて、自助の力をお願いしているとのこと。こうした事情も市民の皆さんにはわかっていただきたいところです。
※ ※ ※ ※ ※
ひとたび雪が降れば、市民の生活を守るという気概を持って、夜を徹して除雪作業にはいる業者さんたちですが、センターにかかってくる電話の99%は酔いに任せた罵詈雑言も含めた苦情の電話だそう。
縁の下の力持ち的な仕事は数あれど、これほど苦情を受ける仕事もそうはないでしょう。なんとも因果な仕事で同情を禁じえません。
「でもですね、最近は1%くらい『きれいにしてくれてありがとうございます』という感謝の電話が入ることがあって、そのときばかりは気持ちがふっと楽になります。あとはご説明と忍耐ですね」
いずれ雪が降った時にもセンターを訪ねて、電話でのやり取りの現場を見てみたいと思いました。
ここにもわがまちのリアルな生涯学習のタネがありそうです。
【出動間近の精鋭機械部隊】
そろそろ除雪の季節が到来したこともあって、午前中に市内の除雪センターを見学して歩きました。
釧路では旧阿寒町、旧音別町を除いた旧釧路市内を6つのエリアに分けて、それぞれ幹事となる担当の業者さんを定めています。
降雪時には市役所の職員と各除雪センターを統括する民間事業者のセンター長が連絡を取り合って、見回りに出たり傘下の事業者さんたちに除雪の出動連絡をすることになっています。
かつて夏の公共事業が潤沢だったときは、夏で利益を上げて冬の除雪はそれほど儲からなくても社員を使った社会貢献という趣があったのですが、近年は夏の公共事業が少なくなりどこの土木会社や舗装会社さんたちも四苦八苦。
そもそも道路新設の公共事業が少なくなったため、グレーダーと呼ばれる砂利を均すのに使われて、冬は雪を道路わきに押しやるような大型機械や、トラックの先頭に据え付けるブレードという部品などもめっきり少なくなっています。
しまいにはホイールローダーをもっている中古自動車の販売会社にまでお願いして地区割りをお願いしたりするなど、担当者は夏の暑いころから冬の除雪能力を確保して回るのにとんでもないエネルギーと労力を使っています。
大きな都市であれば役所の側が業者さんを選ぶこともできるでしょうが、ここ釧路では業者さんが「そんなに苦労してお金も安くては…」と仕事を選ぶような状況。つまり、地域に自らの地域を維持補修するだけの健全な能力が欠けはじめているという認識を持つべきです。
いくら苦情や文句を言われても、「できないことはできません」と言わざるを得ない日が来ないことを祈るばかりです。
※ ※ ※ ※ ※
センターへ行く途中で「路上駐車を減らすための工夫はなにをしていますか?」と訊いてみると、担当者からは「事前に路上駐車をしている車にお願いのチラシを配っています」とのこと。
「慣れてしまうと効き目がないのではないですか?」とさらに訊くと「昨年まではちょっと優しい感じの右側のチラシだったのですが、市民の方からの『もっと強い調子で訴えてもいいと思うよ』という声を受けて、今年からは左側のちょっと強めのイラストに変えました」という返事でした。
こんなイラストの変更も市民感情を害さないように慎重に行っているのです。
【ささやかな変更の効果に期待です】
※ ※ ※ ※ ※
あるセンターへ到着して、センター長さんに地域からの苦情の状況を訊いてみました。
「苦情はやはり多いですか?」
「はい、電話二本で受けていますが雪が降るともうなりっぱなしになります」
「路上駐車場の数も相変わらず多いですか?」
「はい、でもチラシの効果もあるのか、年々少しずつ減っていることと感じています。まあ苦情を言って来られる方はだいたい決まっているような感じですが…(笑)」
「苦情の内容はどういうものですか?」
「雪が降っているけれどまだ除雪車は来ないのか、というものや、間口に雪を置いてゆくな、あるいは間口の雪を取ってほしい、というものが多いですね」
除雪車がどこにいるかは、センターと除雪車のオペレーターが電話で連絡をしあったり、業者さんによってはGPS発信機を持たせてどこにいるかをリアルタイムで把握することで問い合わせに答えるような体制ができています。
また間口除雪は行うだけの余裕がないので、単身高齢者などには120円の本人ご負担でボランティアが駆け付けて間口だけ開けてゆく「福祉除雪制度」などもあることを伝えて、自助の力をお願いしているとのこと。こうした事情も市民の皆さんにはわかっていただきたいところです。
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ひとたび雪が降れば、市民の生活を守るという気概を持って、夜を徹して除雪作業にはいる業者さんたちですが、センターにかかってくる電話の99%は酔いに任せた罵詈雑言も含めた苦情の電話だそう。
縁の下の力持ち的な仕事は数あれど、これほど苦情を受ける仕事もそうはないでしょう。なんとも因果な仕事で同情を禁じえません。
「でもですね、最近は1%くらい『きれいにしてくれてありがとうございます』という感謝の電話が入ることがあって、そのときばかりは気持ちがふっと楽になります。あとはご説明と忍耐ですね」
いずれ雪が降った時にもセンターを訪ねて、電話でのやり取りの現場を見てみたいと思いました。
ここにもわがまちのリアルな生涯学習のタネがありそうです。
【出動間近の精鋭機械部隊】