北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

紙の需要を増やせ

2010-12-22 23:07:51 | Weblog
 東京での関係者挨拶回りの最終日。今日も企業系を中心に随分とたくさんの所を回ってきました。

 市内にもある大手の製紙会社を訪問。やはりリーマンショック以降、紙の需要が大幅に落ち込んで、それ以前の70%から戻らないのだそう。

 IT化の進行によって雑誌や書籍を買わずにネットで見る人が増えているせいでしょうか、と訊ねてみると、「その影響はまだ少ないと思います」とのこと。

「私自身もiPadを持っていて、移動中に取り込んだ雑誌を読んだり書類整理に使ったりしていますが、それ自身便利に思う時も確かにあります。しかしまだそれが紙の情報を目に見えて食っているとは感じていません」
「だとすると何が…?」

「やはり不況で経営が苦しくなると、効率化を推し進める企業が多く、その過程で費用対効果のはっきりしないものはまず止めてみよう、というマインドになっているように思います。何しろ家庭用のトイレットペーパーやティッシュぺーパーの需要は以前と比べてもそれほど減っていないのに、一般家庭向けにつくるチラシに使われる上質紙は大きく減っているのです。チラシなどを効果があるかどうかの自信がないのでしょうね」

 不況はいろいろな側面で余裕とゆとりを奪っているようです。


「しかしながら人口減少や、少子高齢化ゆえに増える紙の需要というのもあるように思いますが、例えばお年寄り用のおむつ需要などはいかがですか」
「それは随分と増えていますね。しかしおむつで言うと、ものすごい勢いで増えているのはペットのためのおむつではないでしょうか。ペットの高齢化に伴って『下』の始末ができない老齢ペットが増えて、その世話をするグッズの需要が急激に伸びています」

「ははあ、なるほど」
「実は私も高齢ペットを飼っているのですが、ペット用のおむつは割高なので、人間の赤ちゃん用のものを買ってきてしっぽの所に穴を開けて使っていましたよ(笑)」

    ※    ※    ※    ※

 今年は異常な暑さだったためか、農作物の収量低下や魚の不漁などが地域経済に影を落としています。こうした一次産品が取れなくなると、それを輸送するためのダンボールなどの資材も動きません。

 しかし暑さゆえの需要もあるはず、そうだ!「ビール、ビールの売れ行きはいかがでしたか?」
「ビールですか、多少は良かったでしょうけれど爆発的なところまでは行かなかったようですね。ところでビールというと、一番紙が使われるのは6缶入りの紙パックなんですが、あれにも大変な工夫とノウハウがあるんですよ」

「ええ?と言いますと…?」
「ビールって、買ってきたら紙パックごと冷やすでしょう?そうすると冷蔵庫から取り出した時に冷えた缶につく水滴で紙が濡れるんです。紙が濡れるともろくなって、運ぶ時に缶が落ちて怪我をするというわけです。実際アメリカでそういう事故があって、大変な額の訴訟騒ぎになったんです」

「なんと!アメリカらしいと言えばそれまでですが」
「ええ、しかし日本ではそういうことの無いように、しっかりとコーティングした高い品質を提供しているというわけなんです。日本社会がそうしたことに求める要求水準は以上に高いですからねえ(笑)」

 たかが紙、されど紙。

 最も身近な素材である紙が、どのようにゆたかなライフスタイルを提供するか、なにか良いアイディアはないものでしょうか。

コメント
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