北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

幼子の旅立ち

2010-12-10 23:46:01 | Weblog
 水産課から連絡があって、養魚を育成中のソイとマツカワカレイの放流があるとのこと。これは見に行かねば、ということで大楽毛(おたのしけ)にある漁業協同組合の中間育成施設へ出かけてきました。


                 【中間育成施設は案外小さいのだ】


 施設の中では組合や道庁の人たちが出て、まずはプールで育成していた魚の平均体長と平均重量を測定中。魚自体何匹いるのか分からないので、まずは50匹ほどの平均体重を量り、あとは全部の魚の目方を量ることでプールの中の魚の数を推し量ろうというのです。


                 【ソイの稚魚のプール】


                 【稚魚の体長と体重を量ります】


 マツカワカレイの方は真っ黒な魚体で体長はおよそ10センチほど。稚魚でも姿はしっかりカレイの形をしているのでかわいらしいもの。なんだかペットとして飼いたくなってしまいますが、これが体長40センチ以上にもなるのですからとても水槽では飼えません。

 カレイにもババガレイ、ヤナギガレイ、ソウハチ、マツカワなど何種類もあって、ババガレイは煮付けに最適で、逆にマツカワは刺身の高級魚。釧路へ来るまでカレイのことなんて真剣に考えたこともありませんでした。世の中は広いなあ。

    ※    ※    ※    ※ 

 この日の放流は最初にソイで約一万匹くらいと、トラックの水槽に入れられるだけのマツカワで始まりました。

 育成場から車で五分ほどの砂浜近くまでくると、今度はタンクからバケツリレーのように穴あきのカゴにソイをいれて砂浜まで人力手渡し運搬です。


                 【ソイのバケツリレーは人海戦術】


 今日は釧路の冬らしい青空でしたが波は高め。それでもドライスーツを着た担当者がリレーで受け取った稚魚たちを最後は腰まで海に入りながらそおっと海に放します。

 波が高くて浜辺に打ち上げられてしまう魚もいましたが、元気に海に放たれて自然に立ち向かう稚魚にエールを送りたくなりました。

    ※    ※    ※    ※

 ところで、聞くところによると先週見学に行った新釧路川でのししゃもの捕獲作業では結局メスが上がって来なくて、今年はそれ以上の漁をあきらめたのだとか。

 オスは数が獲れたのですがメスが予定に達しなかったため今年は二箇所ある養魚場のうち一箇所だけを稼働してここで自然孵化させることにしたのだそうです。

 もはや漁業もいる魚を捕るだけの産業ではなく、自然相手の厳しい戦いのようです。

 今日のソイとマツカワの幼子達も大海原へ旅立って、やがて立派に大きくなって帰ってきてくれと祈る気持ちになりました。 



                 【大きくなって帰って来いよ~】 
コメント (3)
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