北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

今月の「巷論」 ~啄木ゆかりの地サミットに参加して

2012-06-20 23:48:26 | Weblog
 去る6月2日に盛岡市で開催された「啄木没後百年フォーラム」の中で「ゆかりの地サミット」に参加した際のことを書いた今月の「巷論」。

 ブログにも書きましたが、行数や文字数が決められた型に収めるのはまた一工夫必要です。

 一応参考までに掲載しておきます。

 【釧路新聞 平成24年6月18日付】

 
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あの学校はどこ?

2012-06-20 23:45:36 | Weblog
 二水会という、釧路市内の各機関のトップを集めた情報交換会があります。

 今日はその総会が開かれて、併せて参加者の皆さんから近況などが語られました。

 馬に乗ったり、写真を撮ったり、皆さん釧路を思い思いに楽しんでおられるようで、一様に「釧路に来られて良かった。そろそろ人事の季節ですが、声がかからないように祈っています」とこの地域にいることを喜んでいます。まあ、半分はリップサービスかもしれませんが…(笑)。

 環境省の方からは、「今年はタンチョウとマリモの特別天然記念物指定60周年なので、外の方から訊かれたときに、説明できるくらいには関心を持っていただきたいものです」と釧路市を代弁していただいたかのようです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 ある先生は、「最近朝の連続テレビ小説 『梅ちゃん先生』を観るのが楽しみです」とおっしゃいました。

 実はあのドラマの中で主人公の堀北真希ちゃんが通う医学大学のロケ地がご自身の母校なんだとか。

 梅ちゃん先生をご覧の方は分かると思いますが、医学大学の設定の学校はレンガ調で中央に時計台がある、かつての帝国大学の趣を感じさせる感じのよう建物です。




 先生はご自身の母校がどこかおっしゃらなかったので、会合が終わった後に伺ってみました。

「先生のおっしゃった、ロケ地になった母校とはどこですか?」
「実は一橋大学です。時計台の前に池があったりして昔と同じです。おそらく教室の中もロケで使われているのじゃないかと思いますが、背の高さくらいまで板張りでその上が白い漆喰で塗られています。全部が昔のままのようでとても懐かしく思い出されますよ」

 実は私のいた北大の農学部も、かつてはそんな趣のある建物でしたが、IT化や省エネ化のために建物の内部は大幅に改良が加えられました。

 かつては天井が4m以上ととても高かったのですが、今はそれが普通のマンションくらいに低くなり、内装も近代建材が使われてしまいました。

 天井が高かったころは学問の府という印象が強くあったのですが、新しい建物は昔を知っている者から見ると、効率化や合理化のために何かを切り捨ててしまったように思えます。

 天井が高いというのは、その空間を使えばいろいろなケーブルや空調を回すことができるのかもしれませんが、高い天井は高い志や広い心を育んだように思うのは気のせいでしょうか。

 確たる因果関係など証明できませんが、どうも天井が高い部屋の方が夢があったようにも思えて仕方ありません。

 
 二水会では様々な皆さんから知らない世界の話を聞くことができます。

 年に二回の会合はとても楽しみな情報交換の場なのです。 
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尊敬ってどんなこと? ~ 六月木鶏会 

2012-06-19 21:53:43 | Weblog
 人間学を学ぶ月刊誌「致知」の購読者による月に一度の勉強会、「釧路木鶏会」に参加しました。

 今回は新しい参加者が4名増えて13名となり、嬉しい限り。

 致知という雑誌は、古今東西の優れた人間の営みやそこからくる真理や善なるものを学び取り人間学を身につけよう、という雑誌です。

 いつも感心させられる随筆や対談が掲載されていますが、ともすると「つん読」状態になりがち。読み合わせの勉強会は、どうしても誌面を読むきっかけを持つうえでも良い刺激になるのです。

 いつものように巻頭言と特集の記事を読んで感想を互いに語り合いますが、話題はあちこちに飛び、それぞれの知識や経験を持ち寄ることで互いに高め合うことができます。

 巻頭言は「義を以て利と為す」というタイトル。




「人間には徳と才の両方が大切ですが、徳よりも才に優れた人を小人(しょうじん)、才よりも徳に優れた人を君子と言います。また、何事も自分中心で行動する人を小人、自分よりも他人を大切にする人を君子と見ることもできます」

「これを国は利を以て利と為さず、義を以て利と為すと謂うなり」というのは、目先の利を求め、役に立つからといって小人を用いると、大局的には本当の利を得ることができません」

「正しい行為を積み重ねて得られる利こそが本当の利です。義こそが利の本となるのです」とのこと。

 これに対して、「分かるけれど商売をする身からすると、従業員の生活を守るためにも利を求めなくちゃいけないこともある」という苦しい意見も出されました。

 また、後藤新平の言葉として、「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり、 されど、財なくんば事業保ち難く、事業なくんば人育ち難し」とも言うと。

 利と義のバランスは実際には難しいものです。


    ※     ※     ※     ※     ※





 話が飛んで、話題は「尊敬する」ということになりました。

 すると参加者の中の小学校の先生が、「しかし今の子供たちには尊敬という概念が通じないことが多いんです」と言います。

「どういうことですか?」と訊くと、「子供たちに、『尊敬する人は誰ですか?』と訊ねると、良くて『両親』と言うか、格闘家や人気芸能人などが上がったり、『いない』という子もいます」とのこと。

「しかしどうして親御さんを尊敬するのか、と訊いても『仕事をして世話をしてくれるから』というくらいしか返ってきません。『それは好きだということであっても、尊敬とは違うんじゃないか』というと怪訝そうな顔をするんです」
「昔は偉人の伝記などを読むことで、感動したりこんな風に生きたいと思ったのじゃあないでしょうか?」

「それは言えると思います。子供たちには、『なんかこいつスゲー、と思うような奴はいないかい?』と訊くと、『ああー…』という顔をするんです。そんなすごい生き様みたいのものがなかなか伝わらないですね。やはり道徳の時間の使い方かもしれませんが」


 人が生きざまに感動してそれを尊敬の対象にすることを「私淑(ししゅく)する」という良い言葉があります。

 これは「孟子」の「子は私(ひそ)かにこれを人よりうけて淑(よし)とするなり」から取られたもので、直接に教えは受けていないものの、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範とする、ということです。

 人間、ある程度の年齢になったら年相応に人生を考え、多くの書物に接して人生も道標となるような尊敬する人を持ちたいもの。

 良い食べ物で良い肉体を築くように、良い書物で良い精神を養いたいものですね。
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六月議会終了~インフラ守れの意見書

2012-06-18 23:45:07 | Weblog
 六月議会が無事に終了しました。

 理事者側からの提案はすべて可決成立していただき、議会の皆様のご協力に感謝申し上げます。

 議会最終日と言うことで、釧路市議会から追加の意見書の提案があり、採決されました。

 追加の意見書は四本あり、意見書第7号は「防災・減災ニューディール」による社会基盤再構築を求める意見書、第8号は、再生可能エネルギーの導入促進に向けた環境整備を求める意見書、第9号は緊急事態に関する意見書、第10号は、東日本大震災に係る災害廃棄物の受け入れに関する意見書の四本です。

 このうち、第7号の「防災・減災…」は、これまで整備してきた公共インフラの老朽化を問題視し、それらの再整備による社会の安全・安心と経済活性化を求めています。

 全文をご紹介しましょう。

 1960年代の高度経済期に整備された道路や橋梁、上下水道などの社会資本は、築後50年を迎え老朽化が進んでいる。

 国土交通省の「道路橋の予防保全に向けた有識者会議」は、提言(平成20年5月)の中で、「2015年には6万橋が橋齢40年超」となり、建築後50年以上の橋梁が2016年には全体の20%、2026年には同47%と約半数にも上る現状を提示。

 経年劣化により「劣化損傷が多発する危険」を指摘している。今後、首都直下型じしにゃ三連動(東海・東南海・南海)地震の発生が懸念される中で、地域防災力の向上の観点からも、社会インフラの老朽化対策は急務の課題と言える。

 災害が起きる前に、老朽化した社会資本への公共投資を短期間で集中的に行うことにより、全国で防災機能の向上を図ることができる。と同時に、それは社会全体に需要を生み出すことにもつながる。

 よって、政府においては、国民と日本の国土を守り、安全・安心な社会基盤を再構築するため、防災・減災対策としての公共事業を緊急かつ集中的に行い、経済の活性化や雇用創出に資するよう、次の事項を実現するよう強く要望する。

     記

1 道路や橋梁、上下水道、河川道、港湾など、老朽化が進み更新時期が近付いている社会インフラを早急に総点検し、維持・更新のための公共投資積極的かつ集中的に行うこと。

2 電気、ガス、水道、通信などのライフラインの共同溝化・無電柱化を促進し、都市の防災機能の向上を図ること

3 地域の安全・安心のために、学校等の公共施設や病院・介護等の社会福祉施設など地域の防災拠点の耐震化及び防災機能の強化を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成24年6月18日   釧路市議会


   ※    ※    ※    ※    ※




 当たり前のようにあるので普段はなかなか意識しにくいものですが、道路や橋も劣化して壊れます。

 道路などはそれらの兆候が見えた段階で修復をしますし、舗装はしなおしたりしてまたきれいになります。

 しかし橋は、劣化すると落橋・崩落という大変危険なことになるので、早めの修理が必要ですが、架け替えとなると、元から作る以上の苦労が発生します。

 これらを計画的に維持管理してゆくにはそれなりの国家的な財政力が必要になるわけで、国民のしっかりとした支持がなくてはなかなか思うようにはいきません。

 そういう意味で市議会からこのような意見書が提出されたことはとても意義深いものと感謝したいと思います。


   ※    ※    ※    ※    ※


 個人的には、意見書中の「集中的に行うこと」というところが気になっています。
 
 行動成長期に集中的に整備してきた結果、今度は壊れる時期も集中してくるわけで、長寿命化などを図りつつ再整備の時期を計画的に分散して行くようなことが必要なのではないか、と思うのです。

 社会資本、社会インフラは、維持管理には社会からの支出が伴っていて、それを担う人たちの仕事という内需につながります。

 社会資本は一部の人のためのものではなく、それを使って社会全体が便利で効率的になるための道具です。

 普段は気が付かない空気のような存在ですが、土砂崩れや落橋などで道路が遮断されると大変と大騒ぎになります。

 こうしたことをきっかけに、社会全体が自分たちのインフラに関心を持っていただけると幸いです。
 
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父の日のプレゼント

2012-06-17 23:41:54 | Weblog
 先日友人がネット上で、「娘が最終電車に乗り遅れて迎えに来てという連絡が。まったく仕方がないなあ」と書き込んで、周りから「それはそれで幸せじゃないか」とたしなめられていました。

「娘に貸しを一つ作ったつもりです。でも、文句を言いながらケンカしながら、一緒にいるのが案外幸せなのかもしれませんね」と最後はちょっとしんみり。

「お父さん、○○してー」とおねだりして来るうちが花ということなのでしょう。


    ※     ※     ※     ※     ※


 私には娘が二人いますが、あるときから単身赴任が増えて、娘とは話し合う時間がほとんどなくなってしまいました。

 そうこうするうちに、次女は東京で就職し、妻と同居していた長女も結婚してどちらも家から離れてゆきました。

 もっと一緒の時間を過ごせたらよかった、と今となっては思います。

 おねだり上手もコミュニケーションのための一つの才能。おねだり下手は真面目なようで、コミュニケーション下手なのだと言えるかもしれません。

 娘にはおねだりされても貸しだなんて思わない方が良いでしょう。

 自分だって親に随分借りを作ってきたことでしょう。でも親から「貸しだよ」なんて言われた記憶はありません

 親から受けた借りは、親にだけではなく子供に返す。

 子は親から受けた借りを自分の子供に返しましょう。そうやって恩は世代を超えてゆくのです。


    ※     ※     ※     ※     ※




 今日は父の日。

 長女夫婦からはパジャマ、次女からは「父の日おめでとう。何もないけど、体に気をつけて頑張ってね」というメールのプレゼント。

 はい、ありがとう。お互いに健康で頑張ろうね。
 

  
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すぐ後ろが大自然

2012-06-16 23:15:54 | Weblog
 昨日は阿寒湖畔でマリモ勉強会に参加しましたが、その会場で、釣りの大師匠に遭遇。

「あ、来てたのか~。連絡しようかな、と思っていたんだよ」
「すみません、昨夜日中の会議があって泊まっていました」

「あれ?釣竿は?(笑)」
「だめですよ、仕事中ですから…(笑)」

「いや、今大変なんだ。モンカゲ(モンカゲロウ)がもうこの時期に大量発生していて、いまだったら日中から夕方まで何やっても釣れる状態だよ。寒かったし、もう一週間くらい遅いんじゃないかな、と思っていたんだけど、そういう意味じゃ、ちょうどいい時に来たよ」
「え、え~!そ、それは…(涙)」


 何をやっても釣れる、と聞いて気が狂いそうになりました。

 この季節、水中の幼虫が一気に羽化して成虫になり空中へ飛び出してくる時期が近づいています。

 そうなると、空中の虫の中には水面に落ちてくるものもたくさんいて魚にとってはまたとないごちそうの瞬間。

 本来は水中で大人しく餌を探している魚たちも、この時ばかりは狂喜乱舞して落ちた虫を取るために水面に顔を出しますが、さらにヒートアップすると水面まで飛び出して来るやつも出始めますが、これを「ライズ」と言って、爆釣の予感が漂います。

 せっかくのそんな時期なのに指をくわえて湖面を見ていないといけないというのもなんとも残念な限り。

 魚のライズはこんな感じです。↓

【モンカゲロウのスピナーフォールとライズ】
  http://bit.ly/L3fq2f


    ※     ※     ※     ※     ※


 今日になっても昨日の興奮冷めやらず、午前中は釣竿をかついで釧路川へ直行。

 水面に浮くドライフライでは全然出てくれませんでしたが、ちょっと沈むタイプのフライに替えてみたところウグイがチョコチョコ連れてきました。

 三時間で15匹くらい釣れましたが、30センチくらいのものになるとそれなりに重量感もたっぷり。




 ちょっとは釣り方の引き出しが増えてきたような気がして嬉しくなりました。


 それにしても、自転車で5分走れば充実した釣りが楽しめる。

 車で30分も走れば原始の自然の中。

 釧路の自然は恐るべし。

 

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知床の世界自然遺産への道

2012-06-15 23:06:43 | Weblog
 阿寒湖畔のまりむ館で、NPO法人阿寒観光協会が主催する「マリモの勉強会」が開催されました。

 今日は、知床財団の事務局長である増田泰さんをお迎えしましたが、増田さんは、斜里町の博物館学芸員から知床財団へ出向中で、この四月から事務局長になり、以前は自然保護の現場も担当されていた方です。

 本日は、「世界自然遺産その効果と責任~知床の経験から」というタイトルで、知床における世界自然遺産の裏話を聞かせていただきました。


 【挨拶するのはNPOの松岡さん】


    ※    ※    ※    ※


 まず世界遺産とは何か、というお話。

 世界遺産とは、世界的に普遍的な価値を持つ自然、文化を認定するもので、世界自然遺産と世界文化遺産、そしてそれらが融合した、世界複合遺産という三種類があります。

 世界自然遺産は、知床の前に白神山地と屋久島が登録されていて、知床の跡に東京都の小笠原諸島が認定をされました。

  
 さて、知床の世界自然遺産ですが、遺産地域は先端の半島部の71,000haのエリア。

 これは、屋久島の10,700haや白神山地の17,000haに比べてもずいぶん大きなものです。

 しかも知床は、世界で初めて海域を含んだ遺産登録地でした。これは海と陸との結びつきに価値があるとみなされたからで、後には小笠原諸島も海域を含む世界自然遺産となりました。


    ※    ※    ※    ※


 さて、ではなぜ知床は世界自然遺産に相応しいとして認定されたのか。

 世界自然遺産にはクライテリアと呼ばれる四種類の評価基準があります。

 その四種類とは、①自然景観、②地形・地質、③生態系、④生物多様性の四つで、このうちの一つ以上に当てはまることが求められます。
 
 知床はこのうち、①の自然景観と③の生態系、そして④の生物多様性の三でどうか、と申請をしましたが、結果は、③の生態系と④の生物多様性が世界自然遺産としての価値があるとみなされました。

 ③の生態系では、流氷がもっとも南まで来る地域であり、しかもそこで育まれたサケマス類が陸の生態と繋がっていることが高く評価されました。
 
 サケマス類は、海の中にあるたんぱく質が川を伝って上流へと移動するという活動であり、それがやがて熊など上流の生物や森林に栄養を与え、生態系を豊かにしていると判断されたのだそうです。


 【流氷が最も南下する知床】



 ④の生物多様性と絶滅危惧種では、シマフクロウ、シレトコスミレ、サケ科の魚類、海洋ほ乳類、トドや鯨類が希少とされました。
 
 知床は日本列島の中では最も北東に位置していますが、オホーツク海を内海として見ると一番南西に当たると見ることもできます。

 そして流氷が流れる地域は数あれど、北半球で最も南まで下ってくる地域であり、それがもたらす恵みの栄養素が豊かな海を育んでいるのです。



    ※    ※    ※    ※



 さて、自然遺産の前提条件としては、
1)十分な規模と必要な要素
2)法的措置などにより保護・保全が十分担保されていること
3)既登録地と比較して優位性・独自性が明らかであること、が必要。



 1)の十分な規模と必要な要素としては、上記の四つのクライテリアに合致していることが必要ですが、候補としては、まず国内で候補地を推薦し、その後に世界に申請するということになります。

 
 2)の法的措置などにより保護・保全が十分担保されていることとしては、国立公園、原生自然環境保全地域(自然環境保全法)、森林生態系保護地域、国指定鳥獣保護地域、という多くの保全のための法律体系で守られているのが知床です。

 もっとも、全ては独立したエリアを指定しているので、それらを包含する一番大きなエリアとして線が引かれて指定エリアとされています。

 さらには、各種の管理計画などの管理体制整備が求められました。


 【世界自然遺産エリア】


 そして3)の既登録地と比較して優位性・独自性が明らかであることとしては、中央シホテアリン、カムチャツカ火山群というライバルとの比較となりましたが、最終的には、海氷南限として特殊な生態系ということが強くアピールしたと言います。


    ※    ※    ※    ※


 そうした活動の結果、知床は世界自然遺産になった訳ですが、登録後もやらないと行けない活動が結構あると言います。

 知床財団はインフォメーション施設の管理だけではなく、今では自然を知り、守り、伝えるための、調査研究や、野生動物対策、森林再生など、普及啓発・研修実習・環境教育やインフォメーション提供活動などの諸活動をしています。

 まさに登録されれば終わるのではなく、登録されることで守るべき価値を再認識して、それを守り、伝える活動を継続することが求められるのです。
  

 私たちも、マリモ群落を育む阿寒湖を世界自然遺産目指して活動をしてゆこうと思いますが、登録されることだけが目的なのではなく、その運動や活動の過程で阿寒湖の自然の持つ魅力や価値をアピールしてゆくことが大切なのだと思います。

 息の長い活動になるでしょうけれど、生まずたゆまず歩んでいきましょう。

 増田さんには貴重なお話をありがとうございました。
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日中航空対話~阿寒湖畔で国際会議

2012-06-14 23:45:18 | Weblog
 第五回日中航空対話が昨日と今日、釧路の阿寒湖畔で開催されました。

 夏(シャ)中国民航局副局長を団長として八名の中国政府関係者、ならびに国土交通省航空局から審議官お二人を筆頭に航空行政関係者が来釧されて、日中間の航空問題についてさまざまな意見が交わされたとの事です。

 この会談は、年に一度日中間で互いの国を開催場所として行われていて、今年は日本での開催。

 国内での開催地として阿寒湖畔のホテルが会場として選ばれたと言うわけです。

 本来は二年前にもここ阿寒湖畔で開催されかけていたのですが、尖閣諸島での漁船衝突問題の余波を受けて、ここ2年間対話そのものが途切れていたものです。

 二年ぶりに再会された航空対話が阿寒湖畔とは、友好の輪が再びつながれました。

 昨日の夜は国土交通省主催レセプションが開かれ、今日の夜は地元釧路市として歓迎レセプションが開かれることとなりました。

 釧路市からの歓迎は、アイヌの皆さんによるムックリ演奏や伝統の舞の披露と、釧路江南高校による蝦夷太鼓の演奏。




 釧路らしい出迎えに会場の皆さんも喜んでくださり、菰樽の鏡割りでレセプションの始まりです。




   *    *    *    *    *  


 先方の夏団長はなかなかのインテリで、会議終了後の地元見学会で阿寒湖遊覧船に乗った際の感動を漢詩にしたためて紹介されました。

 「本当は韻を踏んでいるのですが、読むと分かりませんね(笑)」と会場の笑いを誘いつつ、詩をご披露してくれました。

 通訳さんが意味を訳してくれましたが、こういうものは原文を味わえるような教養が欲しいですね。

 教養と言うのはこういう瞬間に現れます。

 日本人であれば俳句や短歌などで返歌を返すくらいの魂の勝負がしたいと思ったのは私だけでしょうか。

 教養と言うのは、一日にして成らず。

 思い立ったときが始めるときでしょうね。

 関係者の皆様、お疲れ様でした。

 
 【江南高校との記念写真】
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地域SNSは観光の役に立つか

2012-06-13 23:45:30 | Weblog
 久しく会っていない東京の友人からメールが来ました。

 何でも、あるクライアントから依頼を受けて、「SNSを使った観光情報発信」の事例を集めているのだとか。

 そこで掛川のe-じゃん掛川という地域SNSを知ったらしいのですが、私に「中身について何かご存知でしょうか、あるいはどなたか話を聞くと良い方をご存知でしょうか?」と訊ねてきたのです。

 もちろん、「皆まで言うな!」と言いたくなるくらいいろいろと参加してきているわけで、「掛川のキーマンをご紹介もできますよ」、と答えておきました。

 いまだに注目されるなんて嬉しいことですね。


    ※     ※     ※     ※     ※


 地域SNSに対しては、グローバルSNSという言葉があります。

 私もつい最近まで、地域SNSは広がりに欠ける為、グローバルSNSに取り込まれてしまって、衰退するのではないか、と思っていました。

 しかし掛川のe-じゃん掛川は、会員のほとんどが掛川市民とその周辺に限られていて、市内関係者の良好なコミュニケーションツールとして独自の地位を確保したかのようにも見えます。

 これはフェイスブックやツイッターなどのグローバルSNSが本格化する前に一定程度の会員を集めて運用が安定していたことや、地域にはグローバルSNSと地域SNSを使い分けている人も多く、別に地域だけの情報交換で良いと思っている人が案外多いということなどによるのではないかと考えるようになりました。

 そこに掛川の生涯学習的土壌が効いているかどうかは定かではありませんが、地域のことを考える意識が高い人が多いようには思います。

 そうした人に支持されている地域SNSとしての掛川はもっと多くの人に知ってもらっても良いように思います。


    ※     ※     ※     ※     ※





 情報というものは、もちろん情報の発信源が出すのが最初ですが、自分のことだけを伝えようと思うと、ついどぎつくなったり押しつけがましくなったりしがちです。

 宣伝と言うと、とにかく買って欲しいという思いが先に立ってしまいがちですが、そうなればなるほど消費者の側は引いてしまいます。

 そうかと言って、有名なブロガーや芸能人に「これ今自分が使っていてとても良いんですよ」という手法も、あからさまに宣伝と分ければまあ笑って済まされますが、広告なのか自分の感想なのか区別がつかないことも良くあります。

 こうした隠れた宣伝は、「見えない宣伝」という意味で、ステルスマーケティング(通称ステマ)と呼ばれ、ばれた時は嘲笑の対象になるという風潮さえ現れました。

 真の価値が正しく伝えられないと人の心は打たないということがなお一層厳しい時代になってきたのかもしれません。

 そういう意味で地域SNSに情報を放り込んで、それが有効に伝わるのか、あるいはどのような効果をもたらすのかは私も興味のあるところです。

 
 是非レポートができたら見てみたいものですが、その前に掛川の人たち自身が、e-じゃん掛川がやってきたことの真の価値を正しく理解しているかどうかが心配になってきました。

 灯台下暗しだし、地元を軽く見てしまう風潮を戒めたのが生涯学習まちづくりだったはず。

 いつか掛川の誰かがこれまでの成果についてレポートを書いてくれないものか、と密かに期待しているのでした。
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霧でも飛行機が降りられるわけ

2012-06-12 23:45:24 | Weblog
 今朝の中標津の最低気温が氷点下2℃、明日の釧路の最低気温は6℃。

 クールビズで節電が奨励されそうなので、そろそろストーブを焚くのを自粛しようと思う今日この頃です。

 
    ※     ※     ※     ※     ※



 さて、空港の民営化やHACの経営問題、あるいは台湾の復興航空が釧路便を定期路線化しそうだ…、など空港・飛行機がらみの話題が多い今日この頃。

 釧路空港は釧路市内に近いのと、高台に盛土をして作った空港なのでやはりこの時期は霧がかかりやすくて飛行機利用には難しい季節です。

 空港の視界が悪いと飛行機が降りられず、かつては春から夏にかけては霧による欠航の多い釧路空港でしたが、計器誘導装置がつけられてからはそれが大きく改善しました。




 計器誘導装置には大きく分けてカテゴリーⅠ、Ⅱ、Ⅲと呼ばれる3種類があり、釧路空港にはこのうち最も性能の良いカテゴリーⅢbという機械が備えられています。

 これは空港と飛行機の間を電波でやり取りして、視界が50m程度でも着陸ができるのだそうです。

 そのかわり、空港に備えてあるのはもちろんですが、飛行機の方にも機械を備え、さらにはパイロットはその操作の研修を受けた人が操縦しなくてはなりません。

 カテゴリーⅠとは、気圧で高度を測定するタイプの機械で、カテゴリーⅡとは飛行機が地上に電波を当てて自機の高度を測定するタイプ。

 気圧だとどうしても高さを正確には測れれないし、地上に電波を当てるタイプだと、釧路のように高台に盛土で作ったところだとやはり地上高が突然変化するのでうまくいかないよう。

 しかし国際的にみると、電波誘導に近いカテゴリーⅢを積んでいるような高級機材はほとんどなくて、標準はカテゴリーⅡなのだそう。

 国際定期便となると、霧で降りられないなどということになれば旅程が大幅に狂うのでツアーが不安定になりがち。

 今現在釧路空港に降りている台湾からのチャーター便は、霧がほとんど出ない日中のわずかな時間帯の隙間を狙って着陸をするプランになっているために、霧で降りられないということが現実的にはないとのことで、それはそれで幸運が続いている状態です。


    ※     ※     ※     ※     ※


 ところが、日中に釧路に降り立ってしまうと、釧路市内にしても阿寒湖畔にしても宿までの時間を持て余してしまいます。

 そこで釧路空港に降り立ったツアーの多くが、そこからいろいろと見学をして夜に宿に入るプランを作るために、帯広の十勝川温泉に宿を取ってしまうということが多いのだそう。

 せっかく釧路空港へ誘致活動をしても、釧路市内の宿泊施設に恩恵が薄いのでは困ってしまいます。

 本当は夕方くらいに着陸してもらえばちょうど良い時間に市内や阿寒湖畔に行けるのですが、そうなると霧がかかるリスクが拭えません。

 飛行機の計器一つとっても、それが使える状態であれば旅の作り方がもっと多様になるわけで、それもまた生活を改善するインフラだということがよくわかるお話です。

 科学と技術の進歩は生活を劇的に改善するものです。

 『高望みせず分をわきまえろ』、とは言われますが、それはそれとしても進歩に対する情熱を失うべきではない、とも思います。

 便利さを増して、それまで行きにくかったところの旅を楽しむというのはやはり人生を豊かにします。

 多くの観光客の人生を実り多く豊かなものにする観光地として釧路・阿寒を選んでもらえるように頑張らなくては。

 
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