北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

十勝と釧根を比べてみたところ…

2013-11-10 23:37:59 | Weblog

 

 

 私にはかつて経験のないほどの暴風に見舞われた今朝の釧路。

 昨夜ホテルの窓越しに聞こえた強い風は夜半から一層強くなり、朝にはとてつもない風が吹き荒れました。

 ラジオでは釧路で最大風速32mを記録したと言っていましたが、さもありなん。あちこちでとたんの屋根が吹き飛ばされた家が続出して、私が見かけたところでも消防隊員がかけつけて屋根の上で応急処置を実施。

 海は大荒れで道路には細い街路樹が倒れてきたり、工事中のカラーコーンが軒並み倒れていたり、飛ばされそうな立て看板を必死で補強する人たちなど、釧路では珍しい暴風に、多くの人が対応に追われていました。

 せっかく釧路へ行ったので、釧路市動物園にお目見えした網目キリンのスカイ君を見に行こうと思っていたのですが、あまりの暴風雨に耐えかねて今回は見送り。楽しみは取っておくことにします。


   ◆   


 帰る途中で道の駅うらほろに立ち寄り、ふと置いてあった十勝地域の観光ガイド情報誌をめくっていると、十勝にはソフトクリームを提供するお店が60件以上もあるとのことでした。

 世界的チェーン店もありはするのですが、地元の小さな個店でオリジナルソフトやジェラートを出しているお店がこんなにあるとは、改めて十勝地域のスイーツ観光の基礎体力の力強さを思い知りました。

 元々十勝は確かに乳製品はもちろん、小麦や砂糖も作れて、六花亭や柳月など名の通ったお菓子づくり企業があることは知っていましたが、心のどこかで(でも乳製品なら釧根だろう)と根拠もなく思っていました。

 しかし店の数や出す品々のバリエーションなどを見ても、十勝は力強いブランド価値があるように思えます。

 試みに、「食べログ」というサイトで、『十勝』×『ソフトクリーム』で検索をかけてみると、出た答えは『2,309店舗、11,694口コミ』という値でした。

 これが『釧路』×『ソフトクリーム』では、『1,384店舗、3,949口コミ』、さらに『根室』×『ソフトクリーム』では『282店舗、592口コミ』なので、この『釧路』と『根室』を足しても十勝には到底勝てません。

 また、道の駅の数でも十勝が14に対して、釧根では併せて7。地域をさらに情報と地域の産物で発信していく拠点の数も違います。

 十勝には農業を基盤とした豊かな町村が多いとは知っていますが、数字でこうしたことを見せられると、アバウトながら十勝は釧根の二倍の力強さに見えます。随分と差があるものです。

 立ち寄った道の駅での置いてある地元産による商品の品ぞろえにも各町村の良い意味での競い合いが見えてとてもシンパシーが湧いてきました。

 世界的ブランドのハーゲンダッツのアイスクリームの原材料は釧根地域の牧場だと聞いたことがありますが、さらにさらにその質の高さを武器にして売り込む実践的な取り組みがあると良い、いや、必要ですね。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

講演会無事ウケました(笑)

2013-11-09 22:43:27 | Weblog

 釧根ブロック商工会女性部の講演会が終わりました。

 年に一度の研修会は参加人数130名にもなる大きな催しで、この研修会の後の懇親会も含めて交流と息抜きで皆さんとても楽しみにしている会合です。

 事務局には何人も知り合いがいるのでふるさと会のようなもので、知り合いに会うたびに「お帰り」と言われます。

 市役所と総合振興局からも部課長が挨拶に駆け付けてくれて、女性たちの活躍が地域社会の活性化に果たす役割は行政もよく理解していることでしょう。

 挨拶が終わるといよいよ私の講演会の番。導入は柔らかく映画の話で始め、映画「陽だまりの彼女」を観て、ロケ地になった湘南と江の島が実に魅力的に映されていたというお話から。

 顧みると釧路も映画「僕等がいた」でロケ地になり、道東周辺の場面が魅力的な絵になっていました。しかしながら、会場で「僕等がいた」を観たという人はわずかに数%程度。ほとんどの方が観ていなかったのです。

 最近の話題では、直木賞を受賞した桜木志乃さんの「ホテルローヤル」がありますが、これもまた読んだ方は全体の1割足らず。実に残念です。

 地域が話題になっているのなら応援しましょう。誰かが地域を良くしてほしいと思うなら、まずは自分ができることからした方がよいでしょう。

 そういう考えのベースは「生涯学習」。我が町を良くしようという生涯学習は最も貴く素晴らしい活動なのです。


   ◆   


 講演時間は90分ほどあったので、一つの話題に終始すると飽きてしまうので、話題は小さな話題を7つほど盛り込みました。

 風景がお金になる話、釧路川のもたらすヨーロッパ的な風景、地域ならではのスポーツを楽しもう、フライフィッシングの話、阿寒湖と世界自然遺産の話、そして道東を舞台にした1700年代後半のロシアとの外交に関する話題などなど。 

 先日書いたように、妻との釣り話なども引き合いに出して笑いをとり、それに芸能とスピリチュアルを適当に混ぜながらの90分。

 ちょっとスライドを盛り込みすぎたので、最後は時間切れでしたがまあ言いたいことは大体言えました。

 会場も結構ノリが良くて、飛ばすジョークに良く反応してくれてとても良い雰囲気でした。


 終わった後には何人かが話しかけてきてくれて、「全然眠たくならなかった(笑)」とか、「とても良い話が聞けて良かった」と好評でした。

 女性に受ける話のコツを勉強しておいてよかったです。何事も予習ですね(笑)。


   ◆   ◆   ◆

 


 その後の交流会では、各商工会ごとに出し物が披露されて会場は大爆笑。

 女性パワーに圧倒されながらも、大いに楽しめました。

 女性の力でますます地域を明るくしていただけるように心から期待しています。 

  
  【貞子の芸は怖かった(笑)】

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究所の未来

2013-11-08 22:22:04 | Weblog

 

 ある研究機関主催の講演会を聴きました。

 講師は著名な大学の名誉教授でしたが、寒冷地における土木技術の研究に対する期待が語られて、温かい眼差しの中にも厳しい環境になるだろうという将来を見据えたアドバイスが込められていました。

 研究所で研究をする、と聞くと、なにやら部屋にこもって計算やデータ整理をして論文を書くばかり、というイメージがありますが、昨今の研究所、研究者を巡ってはまずその存続を巡ってとても厳しい状況が続いています。

 その背景は、国の予算、とくに学術研究や基礎研究など一見して成果が見えにくい分野のものは、福祉予算の増大に伴って予算が後回しになってしまうという危惧です。

 大学も国の研究機関も、相次いで独立行政法人化されたのは、まずコストを下げ、自由度を増すという、合理化を目指す国家意思への一つの答えではありましたが、それで後は全てOKということでもありません。

 不断にコストを下げる努力は続け、さらに成果についてもはっきりと説明する事ができなければ、組織の存続はおぼつかない、という厳しい状況はいつまでも続くのです。

 
     ◆     


 講師の先生は研究の成果を上げる前提として、文化、宗教、考え方など多様な思考をするためにも、グローバルな人材をそろえよ、と訴えます。

 そこに多様な回答を示してイノベーションを起こすためには多様な環境がなくては無理なのだ、と。

 アメリカは壮大な移民国家であるために、国家そのものが多様になっていてそうしたイノベーションの素地ができあがっているのに対して、どうしても日本では同質性が求められてしまう。

 打たれても出る杭になるような異質な人材をいかに組み込めるかもカギになる。

 我々自身がグローバルになれるのが一番ですが、そのためにも外国人留学生や海外交流の機会を増やしたり、やはりまずは多様性に身を置く事を意識すべきだと言います。

 例えば、海外の小国の小さな村で国際会議が行われる場合など、他国から来る研究者はそんな小さな村でも歴史や文化などを実によく知っているのに対して、日本人は全くそれらに疎い、ということがよくあるのだそう。

 今や大学では、博士論文は海外での大会で必ず発表をさせるというくらいになりつつあるのです。


 そしてさらに、海外での研究会合には常に同じ人間を出せ、とも。
毎回同じ人の顔を見るから顔なじみにもなるし、やがてその人が国を代表する研究者として認知されて行く。

 それを、持ち回りで順番に参加しているようでは知り合いというネットワークができあがらないのです。

 
    ◆     


 そしてさらに、グローバルであるためには海外の情報に対してアンテナを高く張っておくことが大切であり、同時に自分たちの情報を積極的に発信していなくてはならない。

 発信とはすなわち英語による発信なのですが、「論文全部を逐一英訳して発信することはいらない。しかしせめてアブストラクト(概要)くらいは短い英文で常に添えて欲しい。それに引っかかれば、興味がある人は論文を訳す作業に入ることができる。しかしその日本語だけではその引っかかりに至る可能性が著しく低い」とも。

 年かさが増したベテランになると、大切なことは研究をすることではなく、「次なる研究のテーマ」を求める視点なのだ。

 それが見つかれば研究は若手が大いにやるだろう。テーマ、シーズを見つけるには幅の広い知識や人間性、柔軟な考え方など大きな人間力が必要なのです。


     ◆   

  
 カナダやフィンランドでは、国家を挙げて研究組織の統合が行われつつあるそうです。

 そのような動きに抗って行くためには、分野が遠いところとは差別化を、近いところだったらそこには負けない、という強い姿勢が大切です。

 外部研究費の獲得など、つねに独立してもやっていけるようなところまで常に考えておいたほうがよい、とさえ言われました。

 
 実に暖かくも厳しいご指摘の数々。

 「グローバル化、差別化、発信、自立…」というのは、研究所に限らず、我々自身の日頃のありようとしても参考になりました。


 厳しさに耐えて行きましょう。
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女性に受ける話

2013-11-07 23:51:25 | Weblog

 この週末の土曜日は、釧路で「釧根ブロック商工会女性部」なるところからの依頼で、講演をすることになっています。

 求められたことは、「少しくだけた話の中で、道東の魅力について話してほしい」というもの。

 道東の魅力については、本が一冊書けるほど(笑)仕入れてあるのですが、さて、相手は女性の集団。

 同じ話題にしても話し方に工夫が必要かもしれません。

 そこでネットで、「女性に受けるネタ」は何かと探してみると、そういうことに関する記事がありました。

 その記事曰く、女性に受けるためには「(1)美容の話」「(2)占い・スピリチュアル系の話」「(3)お金の話」「(4)ファッションの話」「(5)芸能の話」「(6)グルメの話」「(7)恋愛の話」「(8)知恵になるような話」「(9)笑える話」なんだそうです。

 なるほど、一つ一つ見るともっともらしく思えます。

 とは言いながらも、さて、これを持ちネタといかに組み合わせるかはまた工夫が問われます。

 私の場合はどんなネタにも、「生涯学習的な気付きと実践」ということをいれないと気が済まないので、これは「(8)知恵になるような話」でしょうか。

 占いはダメでも、偶然ではない必然につながったスピリチュアルな思いは結構しているので、それも行けそう。

 あとは笑いをいかに取るかですね。

 結局はお話って、楽しくて笑えるのが一番ということでしょう。

 やっと資料もできました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

だはんこき

2013-11-06 23:24:22 | Weblog

 

 私のいない間に平日に日中、我が家に来ることのある娘と孫ですが、ずっといい子できた孫(1歳4ヶ月)が最近【だはんをこく】ようになったのだそう。


 おっと失礼、【だはんをこく】というのは、北海道の人は良く知っている北海道方言で、『言うことをきかなくてわめいたり暴れたりすること』という意味。

 孫は最近、思い通りにならないと突っ伏して大声で泣いて不満を表すようになったというのです。

「ほっほー、そろそろ自我が芽生えて来たかな」「そうかも」と爺さんと婆さんとしてはほほえましく思っているところですが、そろそろ親としては子育てが大変な時期を迎えそうです。 

 さてこの【だはんをこく】【だはんこき】という方言ですが、ときどき開く、北海道方言辞書では<まれ>というマークがついていて、「現在,耳にする機会がほとんどない。または一部地域限定で使われている」と注釈がついていますが、私の家では今でも時々使います。


【北海道方言辞典】 http://homepage2.nifty.com/hokhog/


 北海道では、言うことをきかない子が『癇癪を起している』と言われるとちょっと上品ぶって聞こえてしまって、やっぱり【なに、だはんこいてんだ】でないと調子が出ません。

 方言には独特のニュアンスがあるので、標準語に解釈してしまうと本来持つ雰囲気が伝わらなくなってしまいますね。

 「しばれる」は「痛いほど冷たい」ではやはり伝わりきらなくて、北海道の冬の朝に「ひー、しばれるー!」と言葉がもつイメージを体感しなければ分からないのです。

 

    ◆    

 

 ところで、方言が危ないのは、それが標準語だと思ってしまって伝わらないことがあることです。

 以前東京で開かれたある会議で、「○○という解釈はなりたちますか?」と質問をされて、「うーん、それはイズイねえ」と答えたところ、会議室にいた全員の目が点になって、(今なんていった?)という雰囲気になりました。

 こちらは何が会議の空気を変えたのかわからなかったのですが、「いずい=違和感がある」という方言が全く伝わらなかったというお話。
 今でも思い出すと恥ずかしくなる記憶です。

 それでも温かみを持つ地元の言葉である方言。

 北海道の風土が生んだ言葉の文化として大切にしたいものです。
 

  

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

離煙パイプで禁煙を

2013-11-05 23:30:29 | Weblog

 

 タバコは吸わないけれど、タバコを吸う人のことは『嗜好の問題』だと思っている私。

 先日、大のタバコ好きの知人と久しぶりにお酒を飲みました。

 相変わらずタバコをスパスパと吸っているので、「相変わらずやめられないんですね」と言うと、「いや、止めようと努力はしているんだ」と言います。

 彼が指差したのは、タバコの吸い口につけるプラスチック製のパイプ。

「何です?ニコチンを少なくする健康パイプじゃないんですか?」と訊くと、「違うよ、これは『離縁パイプ』というタバコを止めるための道具なんだ」とのこと。

 話を聞くと、全部で一か月分で31本のパイプがセットになって1万円以上もするタバコを止めるためのキットなんだそう。

 これが初日はNO.1のパイプでタバコを吸い、二日目はNO.2のパイプ、三日目はNO.3のパイプ…と、一日経つごとに次の番号のパイプに替えてゆくのだそう。

 このパイプの秘密は、パイプの側面に小さな穴が開いていて、しかもその穴がだんだん大きくなり、煙に対して空気が入る仕掛けになっているのだそう。

 パイプ無しを100とすると、パイプを替えるごとに3%ずつ杯に入る煙の量が減って行き、NO.31になるとなんと95%もの煙が減っていて、同じ本数のタバコを吸っていても知らず知らずのうちに体に入るニコチンの量が減り、ついにはタバコがなくてもよくなる、という仕掛けなんだそう。

 
 仕掛けは興味深いものですが、随分お値段も高いよう。

「タバコを止めるんだったらニコチンパッドを貼って、体内に別な形でニコチンを入れることでタバコを要らなくする治療法もあると聞きましたが」
「いや、それだと、どうしても口がさみしくてタバコを吸わずにはいられない人だとニコチン過多になってかえって悪いらしいんだ。だからこうやって口をごまかしながら体内に入るニコチン量を激減させてタバコを止めてやろうと思っているのさ」

「なるほど~、それでその成果はいかがですか?」
「うん、体調が良くなってものの匂いが分かるようになったし、体重も増えたよ」

「でも最後のところでタバコを手放すことはできないんですか?」
「うん、実はNO.31のパイプだけは何本かセットになったのを別売りで買えるんだ。そこでもうNO.31で三年くらい吸っているよ(笑)」


 最後の一言で爆笑でしたが、それでも体内に入るニコチン量は格段に減っていて、最初のころは1mgのタバコなんて馬鹿にしていたのが、今ではそれだとむせてしまうというくらいに煙を体に入れないのが当たり前になったそう。

 人間の体はゆっくりとした変化にはなれることができるんですね。


   ◆   ◆   ◆

 
 地方自治体にとってはタバコ税は売れた地域に入る大変ありがたい地方税。

 健康などへの害は最小にとどめて、税金を納めてくれる愛煙家は大切な存在です。

 すごいアイディアに感心しつつ、禁煙努力をする皆さんの成功を祈るのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の鮭を使ったスモークはいかが?

2013-11-04 22:41:04 | Weblog

 知人の家でスモーク(燻製づくり)をやるので集まりませんか、というお誘いがありました。

 スモークって楽しそうですが、道具立てや味付けなど分からないことばかり。

 それに今年はいろいろと釣りを教えてもらったお礼もあって、いろいろと教えてもらおうと出かけてきました。 

 スモークって、やはりちょっとくらい広い庭がないとできません。自宅にお庭のスペースがあるのならトライしてみてもよいかもしれません。

 
 向かった先は閑静な住宅街にあるお宅。着いた時にはもうひと段落ついて、家の中で集まった人たちが出来上がったものを食べ始めています。

 スモークというと、煙で燻(いぶ)されて堅い保存食のイメージなのですが、実は味付けと乾燥、使う木の種類といぶす時間などのバランスで様々な変化が出るのだそう。

 アウトドア経験の豊富なZさんは、鮭で作ったスモークを見せてくれました。

 これには特別な道具はなくて、大きめの段ボールの中に鮭を吊るして箱の中で木のチップを燃やしてゆっくりと燻して燻製をつくっています。

「燻製には、燻す温度によって熱燻、温燻、冷燻に分けられます。この鮭は温燻で作りました。ソミュール液という塩と三温糖にハーブやブドウ液などの味付けをした液体に二日くらい漬けて、水分を取り4時間くらい燻しました。柔らかく出来上がっていると思いますよ」
「鮭は買ったんですか?」

「僕には鮭を釣って卵を取った残りの身を分けてくれる釣り仲間がたくさんいて、結構分けてくれるんですよ。それを冷凍で保存しておくとこういうときに使えるんですよ(笑)」
「それはいいですね」


     ◆   


 出来立てのスモークを一本取り出して、家の中でそれぞれが持ち寄った食材でパーティとなりました。

 ちょっと硬めの自家製パンを薄切りにして、そこに柔らかな鮭のスモークを盛り付けるととっても贅沢なサンドイッチの出来上がり。

 
【これは美味い!柔らかさと塩味と煙の香りが最高』 

「かれこれ三十年くらいいろいろと工夫しながらやってみて、ようやくこれくらい安定した仕上がりになりました。頑張れば売れるようなモノができるのにね」

 北海道の産物って、道産と言うだけで結構良いブランドになるのに、使われずに無駄に捨てられているものやまだまだ活用されていないものも多いようです。


「僕が北海道の鮭釣りを見ていると、イクラ欲しさに釣っても卵だけ取って身をあたりに棄てている不埒な釣り師も多いんですよ。そんなことをするくらいだったら、こうやってスモークにすれば、ちゃんと価値を持って売れるくらいの食材になるのにね。北海道って大らかなのも良いけれど、せっかく採れる地域の産物を使い尽くして売り物にするという緻密さがないのが残念なんですよ」
「そうですねえ」

「京都なんてごらんなさいよ。地のもので取れるものなんてほとんどないのに、全国各地から取り寄せたものに上手に手間をかけて、ほんの少しの量で良いお値段を取るじゃないですか(笑)。あれですよ」
「北海道づくしなんて良さそうですよね」  

「そうそう、燻製に使うウッドチップも、昔はヒッコリー(アメリカのクルミ科の木)が良い、ということでそればかり使っていたんです。でも道内にはオニグルミやエゾヤマザクラなどスモークに使えるすばらしい広葉樹がたくさんありますよ。素材も道産、スモークチップも道内の木、味付けだって北海道には素晴らしい素材が多いでしょう。こういう希少価値を上手にアレンジして組み立てれば、良い値段で買いたいという人はちゃんといると思いますよ」

 
 今日スモークを作った段ボールだって、もしかしたら北海道の製紙工場のものかもしれませんね、というとZさんは、「あ、そうかもね、あはは」と笑っていました。

 道産のワインやウィスキーに、鮭のスモークに道産小麦のパン。

 もうこれは日本伝統の和風を離れて、洋風を取り入れながらも日本人が楽しむ、和洋折衷の「道風」でどうでしょう。

 北海道で取れるものにもっと誇りをもって知恵をかけましょうよ。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

そうだ、写真屋さんへ行こう!

2013-11-03 23:45:17 | Weblog

 

 両親を連れて、予約してあった写真館へ行ってきました。

「今時点の良い姿の写真を一度撮っておこうよ」という誘いに乗ってくれて、一緒に写真館へ行くことになったもの。

「何かあった時のために…」ということを縁起が悪いと考えるか、「だからこそ何もなくてできるときに」という思いもありました。

 両親にもいろいろなスナップ写真はありますが、やっぱり画像が小さかったり光の加減も考えたものではありません。

 自分自身が満足できるような良い写真を一つはあった方が良いですね。


   ◆   


 写真館でも記念写真のように座ってポーズを取るという写真もありますが、最近は普段の様子そのままを何枚も取ってその中から選ぶという撮り方も増えて来たとのこと。

 私たちが行った写真館では、生まれた子供の写真を申し込みから一年間、何度でも来れば撮影するという契約があるのだそう。

「子供が生まれて一歳くらいになるまでって、その変化が一番激しいですよね。だから何度でも来てもらって写真を溜めておいて、最後に良いものを選べばよいというシステムを作りました。だんだん知る人が増えて来て、注文されるお客様も増えてきました」

 子供の思い出をたっぷり残したい親心としてはたまらないかもしれません。


     ◆   


 両親の写真も、背景を決めるとちょっとポーズを取り、撮影は会話をして皆で笑わせながら20枚くらい連続して撮りました。

 写した写真もすぐに縮小版のサムネイルを印刷してくれるので、欲しい写真をすぐに選ぶことができます。

 デジタルカメラだからこそできるようになった芸当かもしれませんが、良い時代になったものです。

 お願いすれば有償でデジタルデータでも分けてくれるそうですから、そういうニーズにも対応してくれます。

 まさにその瞬間に取っておかないと消えてしまうシーンは数多いものです。この際ちょっとだけ決心をして写真屋さんへ足を運んでみてはいかがですか。


    ◆   ◆   ◆


 それにしても、日本シリーズ「楽天対巨人」は最後までしびれました。

 前半から楽天が押し気味に進めた試合運びでしたが、最後をマー君で締めるとは!

 球史に残るシリーズ、球史に残る一戦でした。

 楽天ゴールデンイーグルス、優勝そして日本一おめでとう!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイヤを替えるきっかけ

2013-11-02 23:45:18 | Weblog

 来週末は釧路方面へ出かける用事があるため、そろそろタイヤ交換をしておこうと思い立ちました。

 ジャッキを取り出して車体を少し持ち上げて、(さてタイヤのネジを緩めよう)と思い、十字レンチを使ってネジを外そうと…、お、おーーー、取れない…!

 私の力でいくら頑張ってもネジが取れません。しかも一本だけかと思いきや、他のネジも全く動かず。

 どうやら行きつけのカーショップで夏タイヤを交換した際に、機械で締め付けたのが強すぎたようで、人力では全く歯が立ちません。

 (こりゃ困ったなあ)と悩むうちに、そろそろ冬タイヤも長年替えていないことに気が付きました。

 給油やオイル交換など、車の整備を記録している整備手帳には、今年の春に夏タイヤに交換した際に、「次は新しいタイヤ購入のこと」と私自身の書いた注釈が記録してあります。

 事は安全にかかわることなので、ここは覚悟を決めて、新しいスタッドレスタイヤを購入することにして、ショップへ連絡。明日タイヤを替えることにしました。

 まさかタイヤが取れないようにすればまた来ざるを得ない、と考えたわけではないでしょうが(笑)、 ネジが取れないことで、いつかは新しいタイヤに変えなくちゃと思いながらなかなか踏ん切りがつかずにいた気持ちの背中を押してくれたのは機械のせい?(笑)

 まあ良いきっかけになりました。物事は前向きに考えましょう。


   ◆   ◆   ◆


 野球の日本シリーズ、田中マー君の負けない神話がついに崩れ、巨人対楽天は三勝三敗の五分でシリーズ最終戦へ。

 まさに両軍が死力を尽くした総力戦の見ごたえのある熱戦となりました。

 マー君は失点したイニングは随分熱くなっていて、やや冷静さを欠いた感じ。

 巨人が打線の底力を発揮しましたが、勝負は紙一重。たった一つのプレーが流れを変えることはよくある話で、明日の最終戦は目が離せません。

 それにしても楽天にすれば、マー君で落としたことはショックには違いありませんが、彼を途中で変えていたら明日の敗色は濃厚だったと思います。

 しかし二点差で負けていても、味方の援護を信じて彼一人で投げ抜いたことが、勝負を五分と五分に持ち込んだような気がします。

 ここまでレベルの高い戦いになると、気持ちが折れた方が負けるに違いありません。

 最後まで勝負を捨てずに意地を見せた楽天と逆王手で嵩にかかる巨人。

 後世語り継がれるハイレベルなシリーズになりました。

 明日の試合は見逃せませんぞ。 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

除雪の意外な応援団

2013-11-01 23:24:50 | Weblog

 

 先日、遠来のお客さんがあって仲間内で歓迎会をしたのですが、その勢いで二次会で最近はもう滅多に行かなくなったスナックへ行きました。

 若い女性がいるようなところでの飲み会は久しぶりでしたが、たまには良いものです。

 お酒を作ってくれた女性と世間話をしていると、日中に仕事をしていて、さらに夜にこうして出てくるという方も多いよう。

 まだまだ景気が戻っている感じはない、と彼女たちは言います。

 「みなさんみたいな方が『苦手で…』なんて言っていないで、もう少し来て下さらないと…」なんて言われて、ちょっとドギマギ。

 もっとも、大人になるとただお酒を飲むよりももっと興味があったり面白いことが増えてくるということもあるし、それに反比例して使えるお金は少なくなるし、でどうしても足が遠のいてしまいがちです。

 使える時間と使えるお金という資源の配分は歳と共に変わるのは仕方のないところなのでしょうか。


    ◆   


 そんな話をしているうちに、仕事柄かなり強引ながら除雪車の話になりました。

 除雪車と言っても、実はいろいろな種類があって、トラックに雪を跳ねのけるブレードがついている除雪トラックや雪を跳ね飛ばすロータリー車、それに薄くなった雪をさらに仕上げるグレーダーなど、その道の状況に応じていろいろな除雪車が働いているのです。

 そんななか、「でも世間の人たちは除雪車なんて興味もないし、そもそも見たこともないんだよね」というと、一人が「え~、私たち結構見ていますよ」とのこと。

「へえ、どこで?」
「だって、冬にお店が終わって帰るころには一生懸命に除雪してくださっているじゃないですか」


 そうでした。夜のお仕事をしている人たちが家路につく夜中から朝方こそが、除雪部隊の一番活躍する時間帯なのでした。

 人々が深い眠りについている頃、彼女たちの帰る道を切り拓き、翌朝の交通を支えているのが除雪部隊なのでした。

「意外だと思う反面、時間帯で言うと皆さんと同じ日常サイクルなんだね」

「はい、いつもご苦労様です。感謝してます」


 意外なところでの除雪部隊への応援団。

 こういう声がちょっとでもあるとおじさんたちはもっと頑張っちゃうんだよなあ(笑)。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする