パイロット・イン・コマンド

内田幹樹さんの『パイロット・イン・コマンド』を読みました。

飛行機に乗るたびに不条理な苦情でＣＡを困らせる要注意旅客。
クルー・ブリーフィング時になって被疑者護送の連絡が入り、気難しい砧機長を激怒させた
詐欺師と刑事二人。

案の定、要注意旅客の苦情の嵐に辟易するＣＡたち。
詐欺師も、何とか逃げようと様々な方法を心の中で画策しています。
そこに捨てられたライフベストの謎も付け加えられ、トラブルの予感が・・・。

もちろん、今ではできない小学生のコクピット見学という心和む風景も描かれています。
さらに、パイロットやＣＡの実情も描かれています。

成田到着まで一時間あまり、あとは安全に着陸するばかりだったのだが、エンジンの爆発により
機体に穴があき、機長二人が倒れて操縦不能になり、副操縦士の江波が操縦するしかなくなった。

その後の様々なトラブルに対応する冷静な判断と責任感、それにつぶされそうになりながら
操縦席と客室が助け合って切り抜けていくところが素晴らしいです。

最後にチーフパーサーと倒れていた機長たちが負わされた処分。
納得いかない面もありましたが、それが命を預かる仕事をする人が持つべき責任なのかもしれません。