少女七竈と七人の可愛そうな大人

桜庭一樹さんの『少女七竈と七人の可愛そうな大人』を読みました。

平凡な小学校教師だった川村優奈が、心のかたちを変えるために様々な男と辻斬りのように寝続け、
生まれたのが七竈だった。
母親がいんらんだったから、そんなにも美しく生まれてしまったのだと幼なじみの雪風は言う。
そんな雪風自身も美しくて、そして毎日鉄道模型で遊びながら二人だけの世界を形作る。

周りの大人たちの世界が、どろどろと情念に満ちて嫉妬や悲しみなど醜い感情にあふれているだけに、
二人の世界は淡々と静かで美しいんだと思います。
旭川という閉鎖的な地方都市で生きるには、七竈は美しすぎ生きていけないと感じたので、
雪風と別れて東京に出て行きますが、まるきり逆の世界で七竈がどう成長していくのか
知りたい気もします。