どこかの－

『異形コレクション　ひとにぎりの異形』を買ってきました。
ただ、パソコンのモニターが壊れたので、しばらくデータの更新ができません。
しばらくお待ちください。
というわけで、何をさておいても草上仁さんの『どこかの－』を読みました。

『ディーラー』との契約書。たった二文字の願いを書くだけで何でも願いが叶ってしまう。
それが『ディーラー』がたった一言言葉足らずだっただけで、どれほど恐ろしい結果をもたらすことか。
想像するだに身の毛もよだつ物語です。
人間こそ、一番の異形なのかもしれません。

図書館本の消化のために、全部を読み出すまでには時間がかかるかもしれませんが、
草上さんのこの作品も、このショートショート集の最高の作品のひとつになること間違いなしだと思います。

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横田順彌さんの『小惑星帯　遊侠伝』を読みました。

八歳で、爆発事故にて両親を失った真継龍一郎は、働かないで政府から食べさせてもらうのが嫌だと
養育院を飛び出すような子供だった。
そして、宇宙港で貨物船にしのびこんだのを見つかった時、助けてくれたのが、
小惑星帯の鉱山資源採取をその業にしている寺島組二代目組長寺島善次郎だった。
「やくざは嫌いだけど、おじさんは気が合いそうだから」と付いて来た龍一郎を、
善次郎夫妻は、それはかわいがって育てた。

そして、龍一郎二十六歳の秋、善次郎にとって最大のライバルである藤原剛造の罠にはまり、
倉持組の代貸梅原辰治が人を殺す破目になった。
しかし、善次郎の恩に報いるため、倉持組存続のため、龍一郎がその罪をかぶり、
極寒の流刑地タイタン第四刑務所で十二年も服役した。

東映任侠映画の世界をＳＦパロディ化したのがこの作品です。
真の任侠道に生きるヤクザと、あこぎな暴力ヤクザそして悪徳政治家が闇に暗躍し、
対立することになります。
筋道を通そうとするために我慢を重ねる仁義深い龍一郎たちが、とても格好いいです。そして泣かせます。
１９８０年の作品ですが、とっても面白いので、図書館で借りて読んでみてください。