こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

図書館革命

2008-01-09 00:00:00 | 未分類
有川浩さん『図書館革命』を読みました。

日本で大規模原発テロが発生した。それも、小説家・当麻蔵人の『原発危機』に酷似した。
政府は、このテロを国際無差別テロと認定したうえで、異例の速さで対テロ特措法を採択した。

これによって、権限を拡大されることが決定した政府組織の中に、
メディア良化委員会も含まれることになった。
この委員会は、上記の本がテロリストの教科書になり得るほど危険な書籍であり、
それを書ける人物に、自由な著作を許すわけにはいけないと主張した。

放っておけば身柄を拘束され、自由な著作を放棄するまで解放されまい。
そしてそれを皮切りにして作家狩りが始まるだろう。もちろん言論者もふくめて。

今回『図書館の自由法』が適用されるべき事態であると判断して、図書隊が当麻氏を保護した。
果たして、表現の自由は守れるのか?

対テロ特措法ができた時に、心の中で引っかかっていたことが、こうやって物語の中で表現されるとは!
法律は両刃の剣ですよね。戦前に治安維持法があったように。
いくらでも拡大解釈ができたり、穴があったりしますから。

普通に人々は、表現の自由なんて関係ない、テロ防止のためには制限されても仕方ないと
思うかもしれません。
特に、読書をしない方々は。
この『図書館戦争』シリーズは、そういう方々にこそ読んでいただきたい本です。
全四巻で大変かもしれませんが、あなたの大切なものを守るために。

過去、表現の自由を守るとはどういうことかを語った本に、レイ・ブラッドベリ氏『華氏451度』があります。
ハヤカワ文庫から出版されていますので、そちらを読むのもいいかもしれません。
276pですが字が小さいので、『図書館戦争』の大きさに直すと、どのくらいになるのか分かりません。
ちなみに『図書館革命』で331p。恋愛ありコメディありの楽しい面もあります。
ただし、単行本四冊です。
どちらを選ぶかは、お好みのままに。

コメント
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