上田早夕里さんの『美月の残香』を読みました。
遥花は、周囲に一卵性双生児という特殊な目で見られるのが嫌だった。
逆に姉の美月は、それを楽しんでネタにするような面があった。
遥花は姉と区別してもらえるように行動していたのだが、姉が結婚したのはやはりふたごの兄・真也だった。
弟の雄也と引き合わされるのに抵抗していた遥花だったが、やがてこの二人も惹かれあうようになる。
しかし、美月の謎の失踪とふたごという事実が、この二つのカップルに愛憎をもたらす。
香りというものが、人の心にこんなにも影響するものでしょうか?
真也の強い執着は、美月への愛情とともに寒気さえ感じさせます。
最後に明かされる秘密こそ、その原因ともなるものじゃないかと思えるのですが・・・。
とても面白く読めました。