こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

ドゥームズデイ・ブック

2009-10-16 00:00:00 | 未分類
コニー・ウィリス女史『ドゥームズデイ・ブック』を読みました。

2054年のオックスフォード。それは、タイムトラベルが可能な時代。
中世史学科学生のキヴリンは、1300年代に行きたくてたまらないのだが、その時代は、10段階の危険度
ランク10であり、とても行けるレベルではなかった。

そこでキヴリンは、史学部長がクリスマス休暇で不在なのをいいことに、史学部長代理のギルクリストに
話をつけ、勝手に危険度ランクを6と変更して行こうとしていた。
非公式な指導教授を頼まれていたダンワーシイは、必死に行くのを止めようとしていたのだが、
願いは叶わず、彼女は1320年に向かって行ってしまった。

さらに、キヴリンが無事に目的地に着いたかはっきりする前に、タイムトラベルを担当した技術者が
突然倒れ、意識不明の重体に陥る。どうも、正体不明のウイルスに感染したらしい。
間の悪いことに、時はクリスマスシーズンで、代わりの技術者もつかまらない。

一方、14世紀にたどりついたキヴリンも、到着と同時に病に倒れ、意識不明に陥る。
何とか病から回復した時には、元の世界に帰るゲートが開く場所の目印になるはずの馬車が移動され、
位置が分からなくなってしまった。
その上、その時代特有の悪夢のような出来事が、彼女の身にふりかかる。

まず私は、14世紀に着いたキヴリンが追いはぎなどの悪人に襲われるのではないかと心配し、
病に倒れた身の上にハラハラし、1300年代のある悲惨な出来事に心を痛めました。
21世紀の方も、未知のウイルスに人々が倒れていく中で孤軍奮闘するダンワーシイを応援しつつも、
倒れてしまうんじゃないかと気が気ではありませんでした。

どちらにしても、あまりにも残酷な状況に「ひどすきるよ、コニーさん」と訴えたくなります。
そう言いつつも、善男善女全ての人々が死力を尽くして苦難を乗り越えようとする姿に、
感動を覚えずにはいられません。

何でも、続編を書いておられると訳者あとがきに書かれていたのですが、書き上げられたのでしょうか?
今度は、再び21世紀がとんでもない悲劇に見舞われそうな気がするのですが・・・。
それともまた、タイムトラベルにまつわる悲喜こもごものドラマが発生するのでしょうか?
想像はふくらむばかりです。

コメント
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