こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『マリー・アントワネットの日記Bleu』吉川トリコ

2018-09-10 19:52:43 | 読書感想
さて、前国王陛下が天然痘で崩御され、マリーの夫であるルイ・オーギュストが、ルイ十六世として即位します。

ルイ十六世は、この物語を読む限りでは、暴君でもなく、女遊びをするでもなく、むしろ良い国王であろうとし、周りの貴族どもの方が問題大有りだと思われました。無責任ですよねー。
そして確かに、マリーは浪費が過ぎたかもしれませんが、それ以上にアメリカ独立戦争への軍事費が、かさんでいたのですね。マリーの浪費が微々たるものに思えるくらいに。

タイミングも悪かったし、時代の空気に翻弄されたとも言えるのかもしれません。

何と言うか、責任を押し付ける印になるものが欲しかったのでしょう。
民主主義国家になってから、権力者も官僚も、無責任ですけどね。

それはともかく、何より、彼女たちの子どもたちの行く末が案じられて仕方ありませんでした。
今となっては、分かりませんけど。

マリーの言葉遣いが、今の少女たちの言い方に近いと思いますので、若い方々にも親しみやすいと思いました。
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『マリー・アントワネットの日記Rose』吉川トリコ

2018-09-10 19:34:43 | 読書感想
十四歳の少女、マリー・アントワネット。
オーストリア名マリア・アントニア・ヨーゼファ・ヨハンナが、母のマリア・テレジアに勧められ、1770年1月1日(月)に日記を書き始めるところから、物語は始まります。

家族の紹介からフランス王太子との結婚準備の話題はもちろんの事、あのアマデウス・モーツァルトとのエピソードもあって、初めは軽く楽しめる雰囲気です。

世間の評価はともかく、マリー自身は、結婚相手についても実直で飾り気のないところに好感を持っています。
問題は、上辺だけ飾り立てた宮廷すずめたちと、殿下のその気のなさでしょうか?

周りがゴシップ記者ばかりの様な中、それでも心ある者と交流しようとするマリーの、幼いながらも誠実で率直な人柄に好感が持てました。

そして、Rose編のラストの出来事に、これからの物事をいくらかは知りつつも、波乱が少ない事を祈らずにはいられませんでした。
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