Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「ブレードランナー2049」&「オリエント急行殺人事件」

2017-12-22 22:29:52 | 機内食・映画・美術展
最も愛する映画の一つは「ブレードランナー」。
その続編が公開されたが、オリジナルが好きなだけに不安も大きく、見に行くべきか否かと迷っているうちにほとんどの映画館では上映が終わってしまった。

しかしどうも評判は悪くないようだし、探すとなんとかまだ上映中のところがあったので、渋谷に続いて有楽町におでかけ。

 「ブレードランナー 2049」

上映館は丸の内ピカデリー。この映画の上映は朝の一回目だけになってしまっていたので、なんと9時20分から映画鑑賞。
我ながら遊ぶ時だけは勤勉だ。

で結論から言うとこの続編には大満足。
冒頭から環境が破壊されつくした地表の表現が見事だし、オリジナルの混沌とした都市生活の雰囲気もそのまま踏襲されている。
前作から30年後の設定だがそれほど物が変わっていないのもむしろリアルに感じられる。
なにしろオリジナルが作られてから35年、実世界はそれほど変わっていないし、そもそもオリジナルの設定だった2019年はもう目の前なのだから。
唯一これは違うんじゃないかと思ったのは前作同様、看板などに日本語がやたらと出てくるところ。
これからの時代だったら日本語より中国語だらけになるだろうと思うが、親会社のSONYに気を使ったか。

ストーリーも見事で、人間とはなんぞやというテーマが前作からちゃんと踏襲されている。
主人公がレプリカントであると最初から明示されているのもわかりやすく、おかげで今回の主人公は前作の二人の主役のハイブリッドのようになったがそれも悪くない。
どこかカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を思い出させたり、アパートのシーンはヒッチコックの「めまい」にちょっと似ていたり、好みのイメージがいっぱい。

ただこの映画、前作を見ていないとわからないんじゃないだろうか。
その意味ではオールドファン向けかもしれないが、監督はしていなくても完全なリドリー・スコット印、ファンとしてはそのかくしゃくぶりに大いに胸をなでおろした。

ラストからはまだ続編を作りそうだが、既に75歳のハリソン・フォードにはもうあまり無理させないでやってほしい(笑)。

と、大満足で映画館を出て、お昼はギンザ5の地下で
 ベトナム飯。ジャスミンライスとチキンスープの香りがまんまベトナム。

そして午後はまた映画をはしご。
今度はお向かいのTOHOシネマ日劇で
 「オリエント急行殺人事件」

これも1974年のシドニー・ルメット版が大好きなので不安を感じながらの鑑賞だったが、正直こちらは大失敗。

冒頭のエルサレムのくだりや、アンドレイニ伯爵がなぜかむやみに暴力的でクンフーもどきの動きを見せる所などはコミカルで、74年版との違いを出すためにお笑い系に行くのかと思ったらさにあらず。
ラストの方は必要以上にシリアスで、役者の顔のクローズアップがやたらに多いが、これは監督で主役のケネス・ブラナ―が芝居をしたいためとしか思えず、出演陣、特に女優を考えると過酷としか思えない。

列車内の描写はどうしても74年版のコピーっぽくなってしまい、それを避けるために列車の外に出るが、これも無理やり感だらけ。
なにより寒いところが苦手なはずのポワロがわざわざ外に出たり、ましてやアクションをするなんて論外。クリスティの原作に対する愛がなさすぎる。

ポワロの謎解きもまったく説得力なく、こちらはどうせみんなストーリーは知ってるでしょ、といわんばかり。
ミステリーのプロットは良く知られ、映画化としては傑作の74年版が既に存在し、さらにポワロ役はテレビのデビット・スーシェという究極の当たり役がいるのだから、これを今さら再映画化するならテレビのカンバーバッチ版シャーロックぐらいのことをしなければ無理だろう。
ハリウッドはイギリスのテレビに負けている。

次は「ナイル殺人事件」を再映画化するつもりらしいが、ブラナ―・ポワロは二度と見ない。


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コメント (3)
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