文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:スキマの植物図鑑

2014-04-09 22:31:24 | 書評:学術教養(科学・工学)
カラー版 - スキマの植物図鑑 (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社


 以前、テレビなどで、「ど根性野菜」というものがよく話題になった。その野菜は大根だったり、人参だったりと色々な種類があるが、要はコンクリートの割れ目やアスファルトの隙間から芽を出して逞しく育っている野菜たちである。

 野菜だったから目を引いたのだろうが、これを植物一般に広げるとそう珍しいことではない。その気になれば、自分の身の回りでも、結構見つけることができるだろう。この「スキマの植物図鑑」(塚谷裕一:中公新書)は、そんな植物の写真を110も集めたものだ。

 上に、結構見つけることができると書いたがこれを110種類集めるとなると、さすがに大変である・写真には、そんな環境にも関わらず、綺麗な花を咲かせているものも多く、見ていていじらしくなっている。

 面白かったのは、トラックの荷台から生えていたアメリカフウロ。なぜ、こんなところにと思うのだが、ほんの僅かでも、生育できる条件が整えば、植物は立派に育つことができるのだ。だから決して彼らは「ど根性」を出している訳ではない。本来植物とは逞しいものなのである。

 眺めていると、彼らの逞しさに元気をもらえるような気がする。これを持って、ちょっとその当たりを歩いてみただけで、色々な発見がありそうだ。

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※本記事は、姉妹ブログと同時投稿です。

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