文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:終電ちゃん(1)

2017-11-19 10:26:52 | 書評:その他
終電ちゃん(1) (モーニングコミックス)
クリエーター情報なし
講談社

・藤本正二

 たまたま見つけた、ちょっと変わった漫画だ。なにしろ、主人公が終電を擬人化した「終電ちゃん」という存在。いや、電車を離れても、かなり広い範囲で行動してるから、終電の妖精か。終電の走行時は、屋根に陣取り、就寝も同じように屋根の上。終電に乗り込む乗客をさばきながらも、もっと早い電車で帰れと叱る。

 「終電ちゃん」は、日本各地の終電に存在するようだが、この巻では、主に、中央線の「終電ちゃん」と、終電に伴ういくつかのエピソードを描いている。描かれるのは、人間ドラマや電車の接続に関する苦労。それがなかなかに泣かせるのだ。

 他にこの巻では、山手線の「終電ちゃん」、小田急小田原線の「終電ちゃん」も登場。それぞれ個性も違うが、みな可愛らしい少女の姿をしており、自分の持ち場でがんばっている。

 基本的には「終電ちゃん」は人気者なのだが、人間とは勝手なもので、電車が遅れた時などには、非難の対象となる。それでも「終電ちゃん」は乗客のことを思い、その時折で最善の行動を取ろうとするのだ。

 さあ、みんな「終電ちゃん」に会いたくなったら、終電に乗ってみよう。でも、うちの田舎のように電化されていないようなところには、「終電ちゃん」はいないだろうなあ。なにしろ「電車」じゃないし。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする