文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:夜の放浪記

2018-03-15 08:00:00 | 書評:その他
夜の放浪記 (私の大学テキスト版)
クリエーター情報なし
こぶし書房

・吉岡逸夫

 本書は、東京新聞の朝刊で2016年から2017年にかけて連載したものを再構成したものだという。著者は元東京新聞編集委員で、企画自体はその10年前からあったようだ。その当時は「朝刊の紙面に夜の話が出るのはけしからん」ということでボツになったたらしいが、それが10年経って復活したという。

 本書に収められているのは、「夜」に活動している人たち。「夜」と言っても別に風俗のルポという訳ではない。紹介されているのは、元祖トラック野郎から、夜にやっている店や、宗教活動など。別に怪しげなものは見当たらないが、取材にあたっては色々とトラブルも多くなかなか大変だったらしい。

 しかし考えてみると、夜このような色々なことを取材できるというのも東京のような大都会ならではのことではないだろうか。過疎化の進んでいるわが故郷などは、夜は皆寝静まって、活動しているのはタヌキのような動物くらいである。

 本書には眠らない大都会の様子が多くの写真と共に示され、私のような田舎育ちの人間にとっては、極めて興味深い。

☆☆☆☆ 

※初出は、「本が好き!」です。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする