文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:地理 2018年 03 月号

2018-03-23 08:06:40 | 書評:その他
地理 2018年 03 月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
古今書院


 最近よく読んでいる本誌。学校でやっていた地理は嫌いな教科のベスト3に入るくらいだったが(私たちの頃は高校1年で全員が地理を履修させられた)、この雑誌は、そんな学校地理から結構離れたテーマを扱っていることが多いので、なかなか面白い。今月号の特集は「地政学を識る」である。

 「地政学」というのは、最近はよく聞くようになったが、地理的な視点から軍事や経済などに関係する国際政治を考える学問のようだ。この特集の構成としては、まず最初に総論として政治地理学との関係を概説した後、海の境界と海図の役割、地名をめぐる国際関係、地政学からみた沖縄、境界と地政学、移民問題と地政学といったトピックスで各論に入る。

 これまであまり、地政学というものに興味を持たなかったが、せっかくなので、記事でも紹介されている「地政学入門」(曽村保信)を某ネット書店でポチったのは余談。特集を読んで、なんとなく地政学というものが身近になり、また200海里までは、地形に関係なく国連海洋法条約上は大陸棚とされること、領海、接続水域、排他的経済水域(EEZ)の水域区分などが分かってなかなか興味深かった。

 もうひとつ面白いと思ったのは、「しめ縄マップ九州内陸編」という記事である。これは、カラー写真付きのマップが掲載されているが、同じ九州で地続きなのに、どうしてこれだけしめなわの形状が変わるのか不思議な気がする。ダーウィンの進化論によると、孤立した場所に住む生物は独自の進化を遂げるらしいが、しめ縄も同じなのだろう。昔はあまり地域間の交流というものがなかったのだろうなと推測する。

☆☆☆☆

※初出は、「本が好き!」です。
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