価格はアナタが決めなさい。 輸入ビジネスに学ぶ儲かる仕組み | |
大須賀 祐 | |
集英社 |
日本の企業は利益率が低いという話はよく聞く。特に価格くらいしか差別化できないようなコモディティ的なものは、価格競争に陥り、どんどん利益率が下がってくる。
しかし、その一方では、ものすごく高い値段で売られているものもある。例えば海外ブランド製品。私自身はまったくブランドには興味がないのだが、そういったものをありがたがる人も多いのは事実だ。
要するに価格競争に陥ってしまうのは、どこにでもある製品だということが言えるのではないか。これがあまり身の回りにないものなら、価格は売り手がその商品の価値に合うように自由に決められる。その手段として、本書では、輸入ビジネスを勧める。それもBtoBのビジネスである。BtoBなら、買い手が販売のノウハウを持っているので、自分で消費者に売る方法を悩む必要がないのである。
しかしリスクがまったくないわけではない。海外では普通に売られていても、日本の法に触れるようなものはもちろんだめである。また商慣習の違う海外と取引をするときにはそれに関するリスクもある。ちゃんと契約書で担保しておかないとあぶないのだ。本書ではそういった注意事項もきちんと書かれており、薔薇色の夢ばかりを並べているようなものとは一線を隔しているものと思う。これから輸入ビジネスを始めたい人、輸入ビジネスに興味を持っている人には読んでおいて損はないものと思う。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。