文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

野田秀樹×鎌田浩毅 劇空間を生きる:未来を予見するのは科学ではなく芸術だ

2019-05-22 09:21:34 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
野田秀樹×鎌田浩毅 劇空間を生きる:未来を予見するのは科学ではなく芸術だ (MINERVA知の白熱講義)
野田 秀樹,鎌田 浩毅
ミネルヴァ書房

 地球科学の研究者で京大教授である鎌田浩毅さんが受け手となって、斯界の第一人者に切り込むシリーズの第二弾。今回の相手は演劇家の野田秀樹さん。本書は、お二人の対談形式で進んでいく。なおお二人は、東京教育大付属駒場高校(現筑波大付属駒場高校)の同級生でもある。

 対談は大きく二部に分けられ、それぞれ2講、3講で構成されている。第一部は「演劇界の旗手の軌跡」と題され、野田さんの生い立ちや考えなどが語られる。そして第二部は、「演劇の世界」というタイトルの下にもっと専門的なことが話されている。対談は、同級生の気安さで進んでいるように見える。

 また対談の後には、お二人が東京教育大付属駒場高校の卒業文集に寄せたものが収録されている。まさに「栴檀は双葉より芳し」の観がある。高校生でこれだけ書ける人がどの程度いるだろうか。また、鎌田さんによる対談のバックグラウンドとなる講義レポートや、野田さんの年譜なども収録されており、至れり尽くせりと言った感じだ。

 お二人の経歴が巻末に掲載されているが、鎌田さんは東大の卒業年が書かれているのに、野田さんは東大入学年が書かれており、不思議に思ったのだが、本書を読んでいくとその理由が分かった。野田さんは演劇に夢中の学生生活で、6年通ったのだがとうとう中退してしまったようだ。

 演劇に興味がある人、野田秀樹さんのファンの方なら一読する価値があるだろう。また、自分も演劇をやるという人は、いろいろと参考になる部分があるに違いない。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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