文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ダーティペアの大冒険

2019-05-26 10:05:34 | 書評:小説(SF/ファンタジー)
ダーティペアの大冒険 (角川文庫 緑 544-1)
高千穂 遥
KADOKAWA

 みなさんはダーティペアを知っているかな。昔女子プロレスで似たような名前があったことを覚えている人は多いのではないだろうか。実は作者は大のプロレスファンで、そこからインスパイアされたらしい。


 とはいっても、この作品はプロレス関係ではなく、スペースオペラ。ケイとユリという二人の美少女が宇宙を舞台に大活躍いや大暴れするというものだ。なぜかこの第一巻は、ハヤカワ版と角川版があり、私の読んだのは角川版。でも最初に読んだのは、SFマガジンに掲載されたもの。ヒロイン二人のなんともハチャメチャぶりに一遍に引き込まれた。

 そして彼女たちが所属するのがWWWA。といっても女子プロレスの団体ではない。世界福祉事業協会(Worlds Welfare Work Associatiron)という銀河連合の付属機関なのである。彼女たちはそこのトラブル・コンサルタント略してトラコン。強大な権限を持ち、人類に関するあらゆるトラブル解決のために働くのである。

 彼女たちの正式なコードネームは、「ラブリーエンジェル」。しかし、彼女たちの行くところ屍の山が築かれる(彼女たちの責任ではないが)ので、ダーティペアと呼ばれている。

 この巻で彼女たちが訪れるのが、惑星グングル(ダーティペアの大冒険)と惑星ラメール(田舎者殺人事件)。期待にたがわず、いろいろやらかした結果、なんと後者では星一つ火の海にしてしまった。そしてこの2作の間に、惑星グングルでやらかしたことを部長に怒られ、酒場でくだを巻いている様子(酒場にて)が挿入されている。

 まあ、まじめに取ればかなり悲惨なのだが、二人のおバカ加減がなんとも面白く、それほど悲惨さは感じられない。もうハチャメチャでとにかく痛快なのだ。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

コメント
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