あまちんは自称♂(1) (少年マガジンエッジコミックス) | |
寺井赤音 | |
講談社 |
なかなか面白い漫画を見つけた。それがこれだ。ヒロイン?は甘澤こころ(愛称あまちん)という高校の新入生。ヒロインの後ろに”?マーク”をつけたのは、自分が男(♂)ということを自称しているからだ。そして一人称は「俺」。
なにしろその恰好がヘンだ。桃色髪にツインテール。ちっちゃくて、ものすごく可愛らしいので、クラスの男子たちは一目であまちんの虜に。上半身は女子の制服なのだが、下半身はなぜかズボン。ここが普通の女装男子漫画と違うのだが、小学校のころは普通にスカートを履いていたようなので(中学のころはこの巻では上半身しか描かれてないのでよく分からない)、もういっそ完全女装させてしまえよと思ってしまう。
そして、あまちんの幼馴染が上下タツミという少年。小さいころからあまちんと一緒にいすぎて、性別なんてどっちでもいいやと思っているのだが、あまちんはタツミにラブラブのようだ。このあまちんの決め台詞が「勃つわー!!」だ。ちなみに、これを言われると、クラスのみんなは引いてしまう。
このあまちんに輪をかけたのが、母親の甘澤きらら。実業家で大きな会社の代表なのだが、まるで宝塚の男役のよう。タツミのことも「タツミンヌ」と呼んで気に入っている。女子のファッションブランドも展開しているのだが、あまちんに着させて、気に入るかどうかでデザインを採用するかどうかを決めてしまうのである。(あまちんが気に入るかどうかは、妄想の中でタツミがかわいいと言ってくれるかどうかが基準のようだ。)あまちんのことは「こころは理想の女子モデル」と言って憚らない。この親にしてこの子ありという感じだ。そして二人が叫ぶあの決め台詞。いやお母さん、あなたは無理でしょう(笑)。
とにかく最初から最後まで笑いの連続。二人のドタバタラブコメは果たしてこれからどう展開していくのだろう。
※初出は、「風竜胆の書評」です。