主人公のラックは魔導士。勇者エリック、戦士ゴランと共に魔神王を倒そうとしていたが、魔神の大群に襲われた。ラックは魔神王が復活した場合、勇者エリックの力が必用になると、「ここは俺に任せて先に行け!!」と二人を逃がした。
そして次元の狭間で、魔神と闘い続ける日々。思ったより早く復活した魔神王をやっと倒し、リックは自分のいた世界に戻った。ところが、そこでは10年の時間が過ぎており、自分は生命転移(ドレイン・タッチ)の影響で子供の姿だった。おまけに、平和な世界になったのもリックのおかげだと、王都に自分の石像が建っていた。それもイケメン度アップで。これはものすごくはずかしい。
この手のものは、大体が何年かたつと、昔の仲間に裏切られると言うものが多いが、この作品は違う。エリックも、ゴランもリックとの再会を涙を流して喜ぶのだ。エリックは国王になっていたが、リックはなんと大公にされていた。ちなみにゴランは冒険者ギルドのグランドマスターである。
面白いのは、ゴランの娘・セルリスにリックがゴランの隠し子だと誤解されたこと。セルリスは思い込みが激しく、リックは、誤解を解くのに苦労したようだが、結局はセルリスと行動を共にするようになる。
もうひとつ面白かったのが、魔神たちとの闘いの鍵となるのが、神鶏ゲルベルガ様。どう見てもただのニワトリなのだが、その鳴き声には、世界の境界をはっきりさせる力があるらしい。その力で魔神たちがやってくる次元の狭間への入り口を閉じることが出来る。だから魔神たちに執拗に狙われている。ゲルベルガを守る魔族の少年ルッチラといっしょに、王宮で保護することになるが、そこにも魔神たちの魔の手が迫る。果たしてリックたちは、ゲルベルガ様を守り抜けるのか。
☆☆☆☆