今は競技人口も少なくなったが、昔麻雀が大学生の必修科目のような時代があった。今のように、勉強よりデートやバイトと言う時代ではない。でも勉強より麻雀と言う学生は結構いたと思う。今は少なくなったが、その時代には、大学の周りにはかなりの雀荘があった。
そんな時代に、スターのような雀士が存在していた。色川武大という名義でも知られ、作家としても有名な故阿佐田哲也さんは、その中でもメジャーだったが、通の間では桜井章一さんも有名だった。何しろ、20年間無敗というのだから。
本作は、この桜井章一さんを主人公にしたものだ。彼を主人公にした漫画だが、私のような第三者には、どこまでがフィクションでどこからが真実なのかは分からない。ただ麻雀のようなギャンブルには、危ない人たちが関係してくる。本作にも、結構危ない場面が出てくるが、似たような場面はあったのではないかと推測する。
出てくるのは、彼がいかに積み込みや牌のすり替えなど麻雀におけるイカサマに精通しているかということ。昔のように手積みの時代ならともかく、雀荘では、機械が積んでくれるようになったので、かなりやりにくくなったのではないかと思う。ただ、仲間内でサインを送ってやるようなイカサマは、別に機械が積むからと言ってやりにくくなったということはないので、知らない人たちに交じってやるのは止めた方がいいと思う。
本作を読めば、麻雀におけるイカサマにどんな手口があるかが分かるだろう。最近は老化防止のために、高齢者の間でも麻雀が人気だと聞く。仲間内で遊ぶのならそんな効果も期待できると思うので、くれぐれも知らない人に交じって打たないように。
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