あのシャーロック・ホームズの姪にして(母親がホームズの妹)にして将来の公爵令嬢で現在伯爵令嬢(父親が公爵家の跡取りだが、今の爵位は伯爵のため)かつビクトリア女王の孫(父親が女王の最後の子)という設定のクリスティが、持ち前の頭脳を活かして、事件に挑むというもの。
もちろん、伯父がシャーロック・ホームズということもあり、ドイルのシャーロック・ホームズの話がモチーフになっている。この3巻でモチーフになっているのは「バスカヴィル家の犬」。ホームズものの4つの長編のうちのひとつだ。
内容はこうだ。デヴォンシャーのダートムアにあるバスカヴィル家には、忌まわしい伝説があった。17世紀中期の当主だった粗野なヒューゴ・バスカヴィルが地主の娘を手込めにしようとして、悪魔が放したという大きな黒い犬に食い殺された。そして時代は下り、前の当主で評判のいいチャールズ・バスカヴィルが不信な死を遂げる。彼は従男爵(准男爵とも準男爵とも言う)その相続人であるヘンリー・バスカヴィルの周りで起きる不信な出来事。果たして、魔犬による呪いなのか?
この事件を見事に解決するのがホームズとクリスティという訳だが、このクリスティ、ホームズもびっくりするくらい頭が切れるのに、ものすごい美幼女なのだ。そう幼女なのである。メイドのノーラに言わせれば8年もすれば9割方の男を悩殺できるらしい。ちなみに、後の1割は老人と赤ん坊だ。
一つだけ違和感があるのは、従男爵を爵位と書いているが、あれは爵位ではなく称号。世襲ではあるが、貴族としては扱われず身分は平民のままである。貴族としての最下位の資格は男爵位なのである。
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