文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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書評:ファイナルファンタジーXIV きみの傷とぼくらの絆 ~ON(THE NOVEL)LINE

2017-12-22 13:22:35 | 書評:小説(SF/ファンタジー)
ファイナルファンタジーXIV きみの傷とぼくらの絆 ~ON(THE NOVEL)LINE~ (電撃文庫)
クリエーター情報なし
KADOKAWA

・藤原祐

 本書は、あの国民的RPGであるファイナルファンタジーのノベライズ版である。対象となっているのは、「ファイナルファンタジーXIV 」。シリーズ2作目のMMORPGらしい。このシリーズ、私も昔はよくやっていたのだが、年齢のせいか、Ⅹ-2位までで止めてしまった。ちなみに、このシリーズに並ぶRPGであるドラクエの方は、絵柄があまり好きでないので、やっていない。

 通常は、ゲームのノベライズ版と言えば、その舞台たるファンタジー世界を描いたもののように思える。しかし、この作品が、他のノベライズ版と一線を隔するのは、ゲーム世界はあくまで副次的なものであり、描かれているのはリアルな世界だということだ。

 ちなみに、著者は「電撃の黒い太陽」との二つ名を持つ藤原祐。彼の作品においては、登場人物がどんどん死んでいくのが通例なのだが、この作品に限っては、珍しく誰も死んでいない。

 主人公は、梶木壱樹という大学生。コンプレックスは目つきの悪いこと。同じ大学に通う一つ上の従姉である不知火古都に言われて始めた「ファイナルファンタジーXIV 」だが、ゲームの中で瀕死の状態の時に、通りかかった少女アサカに助けてもらう。やがて壱樹は、アサカやその仲間たちとパーティを組むようになり、ゲーム世界を攻略していく。

 しかし、それはあくまでもヴァーチャルな世界でのこと。現実世界でのアサカこと嶋原朝霞は、親のこと、死んだ姉のこと、自分のことなどで色々な問題を抱えていた。しかし、最後には壱樹たちの働きで、それらの問題が解決するのである。そうこの物語は、朝霞の救済の物語でもあり、壱樹と朝霞の「ボーイミーツガール」の物語でもあるのだろう。二人の本当の物語は、ここから始まるに違いない。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
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