ラノベの異世界ものの主人公が転生者の場合、年若くして、その才能を表すことが多いが、この作品においては、なんと0歳児が、大暴れするのである。
主人公はセフィリアという魔法のある異世界で生まれたばかりの赤ん坊。しかし、彼女には日本で生樹千早(おいきちはや)として生きた記憶があった。彼女は超絶ブラック企業に勤める、プログラマーだった。なんと、彼女は連続150時間も働いたあげく過労死してしまったらしい。
なんかブラック企業というとソフトウェア会社という設定が多いような気がするが、気のせいか? そして、ラノベを書いている人にはプログラマーが多いような気がするのも気のせいか?
そして彼女の気づいた世界の心理は、「人生は、働いたら負け!」。そして彼女の快進撃が始まる。彼女が0歳児にして頑張ったのには訳がある。皆さんはこのような言葉を聞いたことがないだろうか?
「十で神童、十五で才子、二十過ぎれば只の人」
元の世界で二十(現在は二十歳でなく十八歳成人だが)で只の人なら、この世界では十五歳で成人だから、神童でいられるのは7歳くらいまでということだ。このあたり良く分からない理屈だが、この国では魔術師になれば男爵、その上の魔導士になれば公爵になれるらしい。
もちろん言葉は、一から学ぶ必要はあるが、セフィリアは、生前の知識を使ってのし上がっていく。なにしろ0歳児で大人と流ちょうに話し、果ては男爵に叙爵されるのだ。その活躍ぶりは痛快だ。
イラストは、私が昔から注目している椋本夏夜さん。こちらもなかなかいい。
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