本書は大精霊の導きにより、異世界からやってきたエルフのリリアと、コタローの夫婦の日常を描いたものだ。タイトルに【健全版】とあることから分かるように、不健全なものもある。要するにアダルト版である。だからこの健全版には、二人はいろいろといちゃいちゃしているものの、皆さん期待の場面はでてこない。
現実にはいないが、エルフ女性といえば、超美人と相場は決まっている。だからそんなお嫁さんがいたらみんなからうらやましがられるだろう。しかしエルフといえば長命である。そして長い間容姿が変わらない。だから何百歳になっても美女のままなのである。一方男の方は百年も生きれば超長生きであり、しかもよぼよぼのおじいさんになってしまう。
このリリアさん、とっても可愛いのだ。1巻では二人で行った温泉旅行の様子が描かれている。リリアさん、お土産の刀が気に入ったようで、挿して歩いている。でも、それを見た人は可愛いとは思うが、驚いてはいない。結構この世界にはエルフが来ているのだろうか。
1巻では結構中がよさそうな感じだったが、2巻では割とショッキングなことが示されている。コタローはリリアのことをこんな美人初めて見たと思ってひとめぼれだったのに、リリアの方は、大精霊の導きに準じる意思はあるが、コタローに対する恋慕などはまったくないようだ。おまけに、彼女は人間の顔はみんな同じに見えるようで、なかなかコタローの顔が覚えられない。もっとも2巻は二人が出会ってから2か月くらいの話で、1巻の方は1年経っている。この間にリリアさんとコタローの仲はものすごく進展しているのだろうか。
☆☆☆☆