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情報理論とデジタル表現 (放送大学教材) |
加藤 浩,浅井 紀久夫 | |
放送大学教育振興会 |
本書は放送大学の2単位科目のテキストとして書かれたものである。放送大学は教養学部が現在6コースに分かれており、これはそのうちの情報コースの科目として設けられたものだ。ただし、どのコースに所属していても履修は可能であり、また、コースが異なれば、卒業生も学士入学という扱いで再入学ができる。
私は既に5コース卒業しており、残りは情報コースと生活と福祉コースの2コースだ。本来なら6コースで名誉学生となるのだが、私が卒業した2つが一つに統合されてしまったため、結局名誉学生になるためには、7コース(専攻)を卒業しなければならなくなり、最速でも後3年半はかかるが、まあ、無理のない範囲でのんびりとやっていこうと思う。
さて、本書はそのタイトルの通り、情報理論とデジタル技術による情報処理について書かれたものである。実は私が学生のころ、情報理論は履修したことがある。だから情報量、エントロピー、ベイズの定理などはそう目新しいものではない。しかしデジタル化技術については、あまり体系だって勉強したことはないので、ちょうどよい機会だと履修したというわけだ。このテキストを十分理解すれば、情報理論とデジタル処理に関する理論的なことは分かるものと思われる。
しかし、大学の2単位分の教科書としてはどうか。実は学生のころ履修した情報理論が2単位の科目だった。本書はこれに加え、デジタル技術による情報処理に関する話題が収められており、同じ2単位科目としては内容が多すぎると思われる。また試験の量も絶対に50分では出題者でも初見では解けないと思われるようなものだった。もっと内容を絞るべきだろうと思う。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。