文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:ももるぶ 1

2018-01-15 10:42:04 | 書評:その他
ももるぶ 1【期間限定 無料お試し版】 (コミックフラッパー)
クリエーター情報なし
KADOKAWA / メディアファクトリー

・志賀伯

 なんだかよく分からないタイトルだが、ももるぶとは、ももる部すなわち「桃山商店街を盛り上げる部」のことらしい。

 舞台は明記はされてないが、一番最初に桃山御陵前駅というのがセリフの中に出てくるので、まず京都市だろう。桃山御陵前駅というのは、近鉄京都線の駅で、近くには有名な伏見桃山城がある。

 しかし、京都が舞台なのに、セリフが全部標準語というのは、学生時代を京都で過ごした者としては、ものすごい違和感がある。ここは全部京都弁をキャラに喋らせるくらいの冒険をして欲しかったと思う。

 私が昔住んでいたのは京都市でも北の方なので、このあたりの地理には詳しくない。だから、桃山商店街というのが実際にあるかどうかは知らない。試しにググってみたら、「伏見大手町商店街」というのはヒットしたが、「桃山商店街」というのは出てこなかったので、架空の商店街かもしれない。

 さて、この本の主人公は、南桃山商業高校(ちなみにこちらも架空の学校のようだ)に通う平友和という少年。一応ももる部の部長である。これに、友和の幼馴染の肉屋の娘であるオタク系の一条かすみ(ちっこい。ブラの色は黒)、と友和のストーカー歴2年である呉服店の娘の引っ込み思案でプレッシャーに弱い漆原あやね(体力はびっくりするくらいない。パンツの色は赤)、無口で無表情だが機械に強い赤木りんごとや顧問教師の小林と言った個性的な面々が加わって、桃山商店街を盛り上げようとする。

 果たして彼らはどのような取り組みを見せるのか。また、出てくる女の子たちは、それぞれ平に気があるようだ。なにしろ両手に花どころか、可愛らしい女子部員が3名。先生まで入れれば4人である。これがどのようなラブコメ的展開を見せるのか、そちらの方も期待度が高いだろう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:世界のシワに夢を見ろ!

2018-01-13 10:38:05 | 書評:小説(その他)
世界のシワに夢を見ろ! (小学館文庫)
クリエーター情報なし
小学館

・高野秀行

 本書は、早稲田大学探検部OBで、ちょっと変わった探検ばかりしている著者が、これまでに体験した31のヘンなエピソードを集めたものだ。どのエピソードをとっても思い切り笑えるのは言うまでもないが、いくつか紹介してみよう。

 まずは、うれし恥ずかし著者のDT喪失体験だ。もちろん著者のことである。普通の体験ではない。アフリカのコンゴでのこと。著者は、探検の前に現地で強い権限を持つ村長の家に挨拶に行った。村長は留守で、代わりに相手をしたのが村長の娘だった。

 言葉が分からないまま、相手が村長の娘だったので機嫌を損ねないように相槌を打っていたら、なんと寝屋に誘われたという。ただ、電気がないため、暗くて相手の顔もよく分からないままでの初体験だったようだ。どうもコンゴでは、割と気軽にやってしまうような風習があるようだ。もしできてしまった場合には、その娘の弟か妹として育てられ、本人は出産能力があることが証明されるために縁談が殺到するとのこと。しかし、著者は、欲求不満の溜まっている他の隊員たちからヒンシュクを買うのが恐ろしかったらしい。

 もうひとつ、こちらは、著者の初デートの話。デートした場所がなんと奥多摩の洞窟。観光地の洞窟とは違って、匍匐前進で狭い内部を通らなければならない。洞窟から出られたときは彼女も感激していたらしいが、その後口もきいてもらえなくなったという。まあ、そうだろうな。

 その他、著者がマラリアにかかった時の話など、面白い話題が満載。はじめにで著者も言っているように、「思わず吹き出しても大丈夫な環境」で読むことを勧めたい。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:ゆるキャン△ 1

2018-01-11 10:04:42 | 書評:その他
ゆるキャン△ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
クリエーター情報なし
芳文社

・あfろ

 この1月から深夜アニメも始まった、女子高生ゆるゆるキャンプマンガ。
 
 主人公の志摩リンは、オフシーズンのキャンプ場で一人キャンプ(ソロキャン)をするのが趣味。たまたま同じ学校に転校してきたもう一人の主人公各務原なでしこを助けたことから彼女との交友が始まる。

 なでしこは、山梨に引っ越して来て、富士山を見るため自転車で遠出して来たのだが、つい居眠りをして暗くなってしまい、帰れなくなっていたところをリンに助けられた。その時見た夜の富士山がきれいだったので野外活動に興味を持ち、学校ではまったり系の野外活動サークルに入ることになる。

 そのサークルの先輩メンバーが大垣千秋と犬山あおいである。ストーリーはこの4人と、リンの友達の斉藤恵那を中心にして進んでいく。

 リンがソロキャンをしている麓キャンプ場になでしこが押し掛け坦々餃子鍋を作ったことから二人の距離は縮まったようだ。なでしこ、とてもそんなキャラには見えないのに、意外とお料理上手というところが面白い。鍋を殆ど一人で食べたという、大喰らいなところは予想通りか(笑)。

 可愛らしい少女たちの繰り広げるゆるふわストーリーは、私のツボにハマってなんとも楽しい。笑いながらもアウトドアの知識が知らず知らずのうちについてくるという優れもの。ただし寒いのが苦手なので、オフシーズンのキャンプ場でキャンプしようとは思わないが。

 でも人気のないオフシーズンのキャンプ場で、リンのような女子高生が一人でキャンプして大丈夫なのだろうかと老婆心ながらちょっと心配になった。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放送大学の単位認定試験の受験票が来た

2018-01-10 19:33:50 | 放送大学関係
 本日、放送大学の今年度2学期の単位認定試験の受験票が届いた。今回受験の資格があるのは、「錯覚の科学」と「危機の心理学」の2科目である。「錯覚の科学」の方は、試験開始時間は1時限目からとかなり早い。さて、さて、無事に受験できるか乞うご期待といったところだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:ひらめきを生み出すカオスの法則

2018-01-09 19:47:45 | 書評:ビジネス
ひらめきを生み出すカオスの法則 (T's BUSINESS DESIGN)
クリエーター情報なし
TAC出版

・ティム・ハーフォード、(訳)児島修

 タイトルからは、アイデア創出法のようにも思えるが、本書はそれだけには留まらない。書かれているのは、あまりにも整然としたところからは、画期的なものは生まれないということだ。

 例えば、アドリブの中から素晴らしいものが生まれるということや、目標値を数値で決めてしまうと、数値が達成出来ればいいとばかり視野狭窄に陥る可能性があるということなど。

 コンピュータで全てが制御されているからと安心してはいけない。あまり頼りすぎると、想定外のことが発生した時に人間が対応出来なくなる。本書では航空機の事故例が挙げられているが、多くのプラントの制御系でも同様だろう。

 昔は人間が状況を判断しながら手でやっていたものを、今はコンピュータがやってしまう。かっては、色々な現場に、あの人に任せればOKだという生き字引のような人がいたものだが、最近はトラブル対応の経験が積めないということをよく聞く。

 製造業では、よく5Sが重要だとされる。すなわち、整理、整頓、清掃、清潔、躾だ。私に言わせれば、これらは決まりきったことを効率的にやるのにはいいかもしれないが、本書でも批判的なように、そこから画期的なものは何もでてこないだろう。

 もうひとつついでに言えば、私は、一部でもてはやされているフリーアドレス(自分の机を持たない)というのが大嫌いだ。スペースが共有のため、机の上を自分の好きなように汚せないではないか。私の会社員時代は、机の上は誰よりも乱雑だった自信があるが、生産性のほうも誰よりもあった(と思う)。

 私の読書傾向なども統一性がなく、乱雑なことおびただしいが、いつかはきっとそこから素晴らしい何かが生まれることだろう(笑)。果たしていつのことになるのやら。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:江戸春画 奔放なる性愛芸術 弐

2018-01-07 09:18:42 | 書評:その他
江戸春画 奔放なる性愛芸術 弐 (コスミック・禁断文庫)
クリエーター情報なし
コスミック出版

・吉崎淳二

 本書は、タイトルの通り、江戸時代の春画を集めたものだ。春画とは、要するにアレの場面を描いたものである。

 出てくる春画を見ていると、確かに男の方は、AV男優も裸足で逃げ出しそうなくらい立派なモノをお持ちのように描かれている。しかし、当時の浮世絵がそうであるように、男も女も皆同じような顔に見えてしまう。

 おまけに、現代の基準では、美人というのはちょっと苦しい。今のAVにあの春画のような女優が出たら・・・DVD売れないだろうなあ(笑)。

 ひとつ面白い事に気が付いた。描かれている春画には、圧倒的に服を着ているものが多いのである。現代でも一部マニアには、制服を着させてという向きもあるとは聞くが、江戸時代というのは、着衣マニア(そういった分類があるかどうかは知らないが)ばかりだったのだろうか。

 いずれにせよ、昔と今の文化の違いを感じられて面白いのだが、さすがに興奮はしないなあ。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:非線形科学

2018-01-05 10:17:08 | 書評:学術教養(科学・工学)
非線形科学 (集英社新書 408G)
クリエーター情報なし
集英社

・蔵本由紀

 我々の世界は非線形なるもので溢れている。ここで線形とは、入力が倍になれば出力も倍になるようなシステムであるが、自然の本質は非線形なのである。

 例えばバネを考えてみよう。普通使われるような範囲内では、加えた力に比例してバネは伸びる。この範囲ではバネは線形である。

 しかし、どこまでも線形という訳ではない。引っ張り続ければ、あるところで、弾性が無くなり伸び切ってしまうか、ちぎれてしまう。当然この状態ではバネは非線形であることになってしまう。

 ところが、この非線形の世界が意外に豊潤であることが分かって来た。これを研究するのが非線形科学である。本書はそのような非線形科学の一端を紹介する入門書である。

 非線形なことが原因で現れる代表的なものにカオス現象がある。カオス現象とは、決定論的な方程式でありながら、その解が、ほんのわずかな初期値の違いから、予測不能な挙動を行うようなものである。

 例えば、気象学者のローレンツは、次のような簡単な方程式にもカオスが潜むことを発見した。

 dX/dt=-σX+σY
 dY/dt=-XZ+rX-Y
 dZ/dt=XY-bZ

 この他本書には、化学反応が振動するベルーソフ・ジャボチンスキー反応(BZ反応)、振動子間の同期現象などが紹介され、アトラクタなどのカオス研究にとって重要な概念が示される。

 物理学を志す人は、先端科学である素粒子論などを目指すのも悪くはないが、身の回りにはまだまだこのような興味深い現象が眠っていることも覚えておかなくてはならないだろう。姉妹編である下記の本と併せて読みたい。

非線形科学 同期する世界 (集英社新書)
クリエーター情報なし
集英社


☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:処刑姫リーゼロッテ

2018-01-03 12:55:32 | 書評:小説(その他)
処刑姫リーゼロッテ (美少女文庫)
クリエーター情報なし
フランス書院

・(文)わかつきひかる、(イラスト)うるし原智志

 これ、イラストが綺麗なので、つい買ってしまいました。なにしろ出版社があのフランス書院。内容は、ご想像の通りですが、何しろ「美少女」文庫です。この「美少女」という官能的な響きと、このイラストには抗えない人は多いでしょう。

 さて、この作品のヒロインは、タイトルにもあるようにリーゼロッテというお姫様。もちろん、超絶美少女という設定です。実は、前の前の王の一人娘で王位継承権1位だったはず。しかし、父親が亡くなり、未成年だったことを理由に叔父が即位。王位継承権も8位に落とされ、騎士団の団長(ほとんど名誉職)をやっていた姫騎士でした。ところが叔父である前国王が暴政の限りを尽くしたため、革命が勃発して、王族の一人であるリーゼロッテも囚われてしまいます。

 捕えられたリーゼロッテは、拘束されて鞭でビシバシ、元部下に秘密の場所をくぱあさせられたり、見られたり、果ては、白いのやら黄色いのやらいろいろぶっかけられます。この辺りはもうお約束の展開。

 革命の主導者は、元副官だったリチャード。姫はリチャードが革命王として即位するために必要な帝笏の在処を吐かせようと、リチャードからあんなこともこんなことも調教されていきます。純潔だったリーゼロッテですが、前も後ろも下も上も・・・とにかく色々と開発されるのです。リチャード君がんばりました(何を?)。

 ところが一つ誤算が。リチャードは姫さまの可愛らしさ、気高さにだんだんと虜に。リーゼロッテは、リチャードからなら何をされてもいいと、早々にデレてしまいます。リチャードの方は、姫を可愛いからこそいじめたいと・・お前は思春期の小学生か? そしてまさかのハッピーエンド。最初は鬼畜だったリチャードも、最後はリーゼロッテといちゃいちゃ。誰ですかうらやましがっている人は。

 イラストがとてもきれいなので、出版元がフランス書院と知らなければ内容を気にせずにジャケ買いしてしまうかもしれません。みんなも、可愛らしくてエロいリーゼロッテに魅せられてしまうでしょう。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レポート用紙購入

2018-01-01 13:08:03 | 秋田大学通信教育
 我が家で飼っている兎の餌が無くなっていたので、ちょっと買いに行ってきた。ついでに、学習報告に必要なA3のレポート用紙も買ってきた。ルーズリーフの用紙はA3のものが沢山あるが、なぜかレポート用紙が見当たらなかったである。そういえば、ずっと使ったような覚えがない。

 それにしても、今日は1月1日なのに店が開いている。昔は正月3ガ日は店がどこも閉まっていて、急に必要なものができたりしたら困ったものだが、利用者の立場からすれば便利になったものだ。しかし、働く人は正月から大変だろうなあ。果たして良くなったのか、悪くなったのか・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:軍神ちゃんとよばないで 1巻

2018-01-01 09:16:25 | 書評:その他
軍神ちゃんとよばないで 1巻 (まんがタイムコミックス)
クリエーター情報なし
芳文社

・柳原満月

 ヒロインは上杉謙信。いや決してヒーローの書き間違いではない。この作品では、上杉謙信は、虎千代というお姫様なのだ。

 これが普通のお姫様などではない。と言っても、別に武勇に優れているということではない。なんとグータラニートでいつも引きこもって、芋の茎を齧りながらゴロゴロの困りもの。ただし、黙っていれば超絶可愛い(笑)

 頭を痛めた兄の晴景から、寺に入れられても、和尚から出家には向いてないと、体よく追い返される始末。

 でも、なぜか彼女はラッキーマンもびっくりするくらいのものすごい運が付いているのである。寺から追い返されたのも、なぜか「才ある若武者を坊様にするのは惜しい」と周りが勝手に勘違い。

 無理やり戦に出されたのだが、なんと虎千代の言葉に兵が感動して、4倍もの敵を蹴散らしてしまう。毘沙門天の化身と呼ばれる軍神虎千代伝説の始まりであるが、当人はただボケーっとしていただけ。

 周りの豪族たちも、ただただグータラなだけの虎千代の言動を良い方に解釈して、どんどん虎千代ファンに。

 上杉謙信女性説というのは昔からあるが、ここまでグータラなお姫様という設定にするとそこかしこで笑えてしまう。グータラ美少女お姫様に対する周りの勘違いぶりが何とも面白い。この後どう展開していくのか、とても興味深い。


とっても!ラッキーマン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
クリエーター情報なし
集英社


☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする