小雨、22度、82%
映画も一人で見に行く方が好きだわ、と友人へのメールに書いた時です、急に、ある光景がムクムクと目の前に広がりました。
映画を見終わって、出て来た明るいロービーでの光景です。その映画館は出来たばかり、日本でも、全場入れ替わりが始まったばかりの頃でした。大きな椅子、少しリクライニングだったかもしれません。そこ、有楽町のマリオンのこけら落としの映画は、E.T.でした。
映画を見たのは我が家の3人でした。1982年初公開ですから、息子はまだ4歳。
何を思い出したかって、明るいロービーに出て来た我が家の3人の顔です。一生懸命泣くのをこらえようと、鼻の頭は真っ赤、3人とも鼻をすすっていました。
たったそれだけのことです。こうして、DVDで家で見ても、やはり、わかってはいるのですが、泣いてしまいます。横で一緒に観てる方もそうです。
このE.T.は、前売り券を買うのも大変でした。そんなに余裕の無い我が家の、きっとその月の唯一楽しみだったはずです。小さな息子を挟んで、3人で観た思い出がある映画です。
笑える映画なら人と一緒でも良いけど、泣ける映画は、一人で思い切り泣く方が私にはいいようです。