ガス、22度、97%
水彩画、素描はともすれば、油絵のように前面に出て評価されることが少ないように感じます。ところが、鉛筆で精緻に描かれたものに、薄く水彩が施されていたりすると、油絵よりももっと肌に近く感じます。大きさだって、キャンバスのものよりずっと小振りで、控えめです。
水彩画を見たいこともありましたが、ターナーの名前が目に飛び込んできました。まだ、香港に来る前のことです。ですから25年以上前、英国 国立ウェールズ美術館展で見たターナーの絵にすっかり魅了されていました。この展覧会、モネのベネチアなどの大作、もちろん油絵ばかりの展示でした。ターナーの「難破の翌朝」とタイトルがついた絵です。当時は、ターナーがどういう画家なのか知りませんでしたが、薄くグレーがかかったような中の光は入り方が、惹かれる理由です。ターナー、英国の国民的な画家といわれています。
今回のこの水彩画展、150を越す作品です。ターナーだけでも30点ほど。あの油絵と同じ、大気を感じる水彩画です。たくさんの水彩画を見ているうちに、まるで油絵のような作品も幾つかあります。はて?私は、絵を描きませんので、絵の具に付いては知識がありません。でも、油絵のような絵は、グワッシュという絵の具が使われています。油絵のはっきりした色彩は見られませんが、すーっと掃いたような、色合いには落ち着きを感じます。
ひとつだけ、どうしてこんなにきれいな色がと思わせる絵と出くわしました。ウィリアムグットホールという人の「花の習作;キンダンサスオブリクス」です。この彼岸花のような花の赤の色、透けるような花びら、写真でも得られない世界でした。
Bunkamura,このネーミングに開館当初は、いいなと思ったものですが、最近は、文化村のほうがいいわね、と思っています。
見出し写真、入館の半券は、ターナーの「彼方にリギ山を望む」です。