晴れ、東京
住んでいる街でなく、旅先での街を歩いていると、花屋が目に留ります。東京のあちこちで、AOYAMA FLOWER SHOPという花屋を見かけました。花のアレンジと店で働くお姉さんたちの様子が、ガラス窓の外からもうかがえます。特に昨日のような、雨まじりの日には花屋は普段より華やいで見えるものです。季節柄クリスマス向けのディスプレーも始まっています。でも、妙に気になったのは、小さなブーケでした。ブーケというより、アレンジで残った花や、もしかしたら売れ残ってしまった花を集めたものかもしれません。くるっと、紙で巻かれただけの15センチほどの小さな花束です。値段は見なかったのですが、200円もしないでしょう。ワイヤーのバスケットにその花束が、7,8個こちらを見ていました。会社のデスクやテーブルに、コップに入れて飾るとちょうどの大きさです。
ホテルの部屋に花があることは、稀です。でも、こんな小さな花束があればいいわね、と思いながら、ずっと以前、友人が香港を訪ねて来てくれた時のことを思い出しました。彼女に会う予定の午前中、花市に行きました。香港の花市のブーケは一抱えもあります。あの頃は、小バラが何処からか輸入されていました。香りもよく、20センチほどのものです。黄色の小バラを、自宅用にとりわけ、花束にしてホテルを訪ねました。3泊ほどの旅だったように記憶しています。きっと、彼女の旅の部屋を飾ってくれたと思います。
昨晩、たくさんの方達と挨拶を交わし、気持ちよい疲れと一緒にホテルに戻ると、私、しっかりと花束を握っていました。はて?何処で頂いたものか?フリージヤと黄色いバラの5本ほどの花束です。長いこと、包まれていたのか葉っぱがペタンとなってます。はさみが無いので、茎の下をバシッと折って、トールグラスに入れました。
水を吸い上げ、花も少し膨らんでいます。でも、今日の午后には香港に戻ります。このまま部屋に残しておくと、折角の花が捨てられてしまいそうです。昼前にお会いする人に、わけを言って、もらってもらいましょうか?一晩一緒に過ごした花の行く先を案じています。