曇り、27度、86%
台風で外に出られないもので、ソファーを独占して、ひっくり返って本を読んでいました。クラーも除湿器もかかっているのに、なんだかジメジメします。急に、乾物や蓄えている粉類が心配になり、ヨッコラサと起きて、台所へ。香港の長くて、湿度の高い夏は半年近く続きます。しっかり仕舞っているつもりでも、こんな夏を越すと痛みが早くなります。時折点検して、使い切る、捨てるの処置をします。少しずつしか使わないスパイスだって、香りが飛んだり、インドからのものなどは急に虫が付いたりします。
スパイスは外からだけでなく、蓋をとって、クンクン。並べてみると、まるで集合写真みたいです。主婦になって36年、つまり料理をはじめて36年が経ちます。料理なんてほとんどしたことがない、教えてもらったこともない駆け出しの主婦でした。スパイスへの興味は、以前にも書いた、ホルトハウスさんの料理の本でした。図書館で借りた本を1冊まるまるノートに写して始まった私の料理歴です。 たくさんのスパイスが使われています。でも、実際のものは見たことも聞いたこともないものばかり、当時、東京の普通のスーパーにはスパイスなんてほとんど売られていませんでした。それでも、紀ノ国屋や明治屋でひとつひとつ揃えて、料理します。スパイスのもつ香りにどんどん引き込まれて行きました。
香港では、インドのスパイス類ももちろん中国のスパイスもヨーロッパのスパイスも簡単に手に入れることが出来ます。しかも、日本に比べると随分お安い値段です。
インド直輸入のスパイスは、こんな箱入りで量も多めです。大小の瓶に入れ直して保管しています。
コリアンダー、ターメリック、マスタードシードに数種類のマサラです。
中国のスパイスは、市場で小売りのものを求めます。 八角や陳皮、手前の真ん中は蝦の卵です。
素焼きの壷に入っているのは、うちで採れた月桂樹の葉やクミンシードにフランスのミックスハーブ(エルブ ド プロバンス)です。
これでも、数を随分減らしました。40代までは、とにかく知りたくて、使ってみたくて知らないスパイスを見れば買い求めていました。自分の作る料理の枠もだんだん解ってきます。使用頻度が少なければ、手元に置かないことにしました。
臭みを消したり、腐敗を遅らしたり、薬効もあるスパイスですが、なんといっても、料理をしながら立ち上がって来るスパイスの香りが大好きです。決まりきった組み合わせでなく、何となく入れてみてあっというような驚きもあります。この時期作る茄子の煮物に月桂樹の葉っぱを2枚ほど、薄い醤油味なのに、どこか微かな風が吹いているような味に変わります。
これからも、きっと楽しい発見を運んで来てくれるスパイスたちです。
明日から、一週間、ブログお休みします。