曇、3度、51%
普段遣いのお味噌は、柳川のツルみその米、麦合わせを使っています。香港でもここのお味噌が売られていました。柳川は義父のふるさと、義父もツルみそが大好きでした。全国的な信州のお味噌より甘めです。長く関東に住んでいる息子は、福岡でお味噌汁を飲むと決まって「甘いなあ。」と言います。日本中各地のお味噌がスーパーでも売られています。塩加減や米、麦といった素材が違います。豆味噌の赤味噌、そして京都の白味噌は作りたい料理があるときに買います。
先日、京都の白味噌を頂戴しました。「粕汁などに少し加えるとコクが出ますよ。」と添え書きがされています。西京漬を作るときぐらいしか使うことがない甘い京都の白味噌です。早速、お味噌汁に使います。メリハリはないもののほんのりとした甘いお味噌汁、「これが京都のお味ね。」と香りを深く嗅ぎました。
子供の頃のお味噌屋さん、味噌桶に山高く積まれたお味噌をおしゃもじですくって買いました。しゃもじから小指でひとすくい、味見をすることもありました。普段遣いのツルみそとこの京都の白味噌をなめて味比べをします。合わせのツルみそは米や麦が残ったままですが、京都のお味噌は米の姿はありません。滑らかな口どけです。麦、米が残るツルみそは無骨ながらお味噌らしく感じます。京都のお味噌を舐めていて、「花びら餅」を思い出しました。お正月のお茶菓子、甘いごぼうと味噌あんを餅皮で包んだお菓子です。この「花びら餅」のお味噌こそ京都の白味噌です。まったりと甘いお味噌、「花びら餅」はお雑煮を模したものだと聞きます。ついつい、舐めても美味しい京都のお味噌を舐めすぎてしまいました。そこでお茶を入れます。
この品の良い甘さは色々なものの隠し味に使えそうです。お肉料理にも使えます。牛肉を焼いて京都のお味噌を忍ばせたソースでいただく、ハンバーグのタネにちょいと入れる、水菜の味噌和え、などなど次々に想像してみます。「でも、やっぱりお魚を一晩漬けたいなあ。」と思い浮かべるのはマナガツオ。マナガツオの厚い切り身をお味噌に浸けて焼くときの香ばしい匂いを思います。美味しいお味噌を頂戴しました。お味噌一つでいろんな料理を考えます。台所を預かるものの楽しみです。今日はマナガツオを探しに出かけます。