曇、7度、64%
先日、主人が帰国していた時に珍しく小綺麗なお店が入っているビルに入りました。買い物の目的はありません。ウィンドーショッピングをしていると、目に留まったものがありました。小ぶりな一人か二人用のコーヒーのドリッパーを集めたコーナーでした。きっと主人は私の視線の先を追ったのだと思います。「今のドリッパーは大きすぎるから小さいのを買ったら?」
しばらくコーヒーを自分のためには入れなかった私が2年ほど前に買ったケメックスです。香港はコーヒーでは後進国、日本ではどこにでも売られているケメックスを見つけた時は大喜びで求めました。 ケメックスのオリジナル、今では細いケメックスも出ています。大きなケメックスは五人分ほど入れることができます。このケメックスの形が大好きです。でも、主人が言うように首の部分を持って注ぐこのケメックス、よほど手の大きい人でないと握れません。女性にしては手が大きいので使えています。しかも、朝のコーヒーは起きてくる人毎に入れます。いっぺんに数人分入れるのは来客時だけです。
たくさんドリッパーが並んでいるコーナーに近寄りました。たくさんの中でたったひとつだけ初めから目に飛び込んで来たものがありました。優しい艶を放った形の綺麗なドリッパーです。手に取ると思ったより軽い。主人が後ろから、「買ったら?」値段を見てびっくりでした。1万円を超えています。「高いから要らない。」と返事しました。翌日香港に戻る主人は、「あのドリッパーを買っておきなさい。」と言いました。
高すぎます。そこで、ネットで調べると同じものが8千円台で出ています。しめしめと注文しました。年末年始をはさんで我が家に届いたのは今月の10日過ぎでした。「やっぱり綺麗だわ。」と見惚れます。真鍮ですから熱のあたりが優しいと思います。手持ちのガラスポットにセットすると、 こんな感じです。カリタの製品です。表に刻まれている文字を読みました。「MAID IN TUBAMESANJYOU JAPAN」新潟の燕三条で作られたものでした。燕三条のものつくりには目を見張ります。日本らしい丁寧さ、デザインの良さ。あえて、燕三条と銘打ったものと思われます。このシリーズにドリップ用のポットやコーヒーメジャーなどもあります。真鍮ですからどれもいいお値段ですが、すっきりとしたデザインです。さっきも朝の一杯をこのドリップで入れました。日本のものつくり、世界に発信されるにふさわしいものがたくさんです。台所の小さなものですが、気持ちよく日々を過ごせます。