晴、28度、85%
二つの家のお墓の掃除を私一人で済ませます。いつもは早朝から山のお墓、街中のお寺のお墓と一遍に回るのですが、今年はこの暑さです。2日に分けて朝一番の仕事にしました。
初日は主人の実家の山のお墓です。霊園の門が開くのは朝の7時、7時少し過ぎに着きました。山の緑と福岡の市街を見渡すことができるこの霊園は景色だけでも贈り物です。 博多湾を見渡しています。いつもながらに福岡の街が大きくなって行く様子に驚きます。杉木立ち、青田の中をゆっくりと下りてくると行きとは違い胸が晴れ晴れとします。いつ頃からかお墓掃除を済ませると味わう気持ちの良さです。
2日目は街中の私の実家のお寺です。こちらも山門が開くのは午前7時、ちょっと出遅れてしまいました。お盆には山門の前に長い車の列ができます。どうにか私は駐車場に最後に入れてもらえました。つまり次の車から門前に並びます。やれやれ。広い墓地ですが既に三方が高いビルに囲まれています。子供の頃から通い慣れたお寺です。墓地も来る度に墓仕舞いの後の空き地が目立ちます。高層ビル、お墓の空き地、なんとも寂しい風景です。香港にいた頃はふた月に一度は墓参りをしていたのに、お彼岸以来です。お墓の横に零れ種から大きくなったシュロがありました。母をお墓に納骨するとき、石屋さんからシュロを取り除くように言われていました。根が張って墓石を持ち上げるからだそうです。久しぶりに来てみると、そのシュロが枯れていました。惨めな様子です。 母が逝って6年目、何かの節目になるのかもしれません。墓仕舞いを考えているのにシュロの後に何を植えようかなどと思っています。この墓の横のクスノキの大木は小さい頃からちっとも変わっていません。大きな木の幹を触ると樟脳の香りがします。考えることの多いこの街中のお寺ですら山門に向かう頃には墓掃除の後の清々しい気持ちが胸に広がります。
暑さのおかげで2日に分けて墓掃除をしました。墓掃除の後の気持ちの良さを2回味わうことが出来ました。「これって、きっとご褒美だわ。」お盆休みで空いている街中の道を家に向かいました。