曇、27度、85%
私が毎朝走る道沿いの家に大きなイチジクの木があります。そのお宅の家の裏手、ブロック屏よりもはるかに高い大きな木です。イチジクが好きな私は小さな葉が芽吹き出した頃からその木を見守ります。葉が茂り、花も咲かないのに小さな実が付きます。緑の実はしばらくすると小豆色に変わります。いよいよ食べ頃です。日本での3度目の夏もまたこのイチジクを木の下を毎朝走っています。昨年のことでした、早朝ですのでまだ薄暗い中そのブロック塀のところに人影がありました。その人は自分の自転車を塀に立てかけその上に立ちイチジクをとっています。せっせと自転車のカゴに入れています。そして自転車に乗って走り去りました。女の人でした。見通しのきく道のことです。その「イチジク泥棒さん」は私が見ていたとは気付かなかったと思います。昨日の朝のことです。またしても昨年と同じように自転車に立ちイチジクを取っている人影が見えました。私が近づいても一心不乱に取っています。私が真横に近付いた時のその女性の驚いた顔、しっかりとイチジクの木を握っていたからいいものの転け落ちそうに自転車が揺れました。小柄な女性です。お歳も私と同じくらいです。びっくりさせてしまいましたが私は何も言わずに走りすぎました。おそらく昨年と同じ方でしょう。走りながら声を上げて笑いました。私だって手が届くところにイチジクがなっていたら頂戴したくなります。
我が家のイチジクの木はまだ3歳、ちょうど私の背の高さで、今年は6つ実を付けました。年々大きくなっていずれは塀を越すでしょう。実も沢山つけるでしょう。そしたら「イチジク泥棒さん」が気になって私は見張るかもしれません。「イチジク泥棒さん」は人間ばかりか真っ黒なを着た鳥さんだっています。 ココさんも美味しいイチジクが大好きです。ここ数年は安心して私とココさんとで半分個するつもりです。