1月18日は満月だったそうです。
寝床の中で、雪原を煌々と月が照らしている風景を思い浮かべていました。
そしてまた、降りしきる雪で、月も星も見えない夜を想像していました。
でも、雪が珍しい所で育ち暮らしている私の想像は、ひどく貧弱に違いありません。
この本の著者は、日本列島のほぼ半分は雪が降るのに、
雪を知らない人たちが、政治や文化を論じていると書いています。
多くの辞書に、雪国なら誰もが知っている事項についての記載がない、と怒りをこめて書いています。
雪が多い年は、一年中の豊かな水が約束されます。
雪が少ないと、田畑の土が深くまで凍てついて、種蒔きが遅れてこまるそうです。
雪国の苦労、酷しさと同時に、雪国の喜びと、雪の面白さ、
雪の恩恵をこの本は伝えています。
小さな本ですが、雪国で育った著者の、雪と雪国への愛に溢れた本です。
2年前位の図書館の整理の際の廃棄本で、
たまたま手に入れました。
『雪を読む/北越雪譜に沿いながら』
高田宏(1932~2015)著
1997年 大巧社 シリーズ「日本を知る」
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