中公新書『重金属のはなし』を読みました。
昔作った、地球の年表を広げて、
この本から得た事柄を、数行書き加えました。
赤い数字は、○億年前の略です。
この年表を作ったきっかけは、恐竜に興味を持った息子でしたが、
私自身が、白亜紀とかジュラ紀とかカンブリア紀とか、もっといろいろ知りたくなって、
まずは、地球の年表を作ってみようと思い立ち、
模造紙を切って作ったものです。
1億年を30cmにしたので、長さは1380cm(13.8m)です。
↑ 人類の誕生は約500万年前として、1,5cmになりました。(右端)
以来、関連の本を読むたびに少しづつ分かったことを書き加えています。
中公新書『重金属のはなし』では、
重金属とは何か?それぞれの金属の性質や現代の社会での重金属の役割などの話から、
生命や宇宙の物語と交差しつつ、それぞれの重金属と、
人とのかかわりの歴史、そして人類と重金属の未来を展望している・・・と書くと、
難しい本のように思えますが、読みやすくて、とても面白かった!
原始の海に溶け込んでいた鉄や様々な「金属」を取り込んで進化(変化)していく生命の話が特に面白く、
光合成の始まりが、紫外線から生命を守り、地球を命の星にする転機だった、
やがて、溜った猛毒の酸素を利用して生命活動を飛躍させていく生物が生まれていった・・・という事実に感動します。
途方もない長い時間に繰り返される、大気や海や陸地の変化と、
それに伴って、絶滅したり、また新しい生物が生まれたりを繰り返し、
そして、今がある・・・
ヒトが今いるのは、人が存在できる地球環境が出来たからであり、
環境と無数の生物たちとのせめぎ合いの中の「奇蹟」です。
その人類が、地中深くから毒物を掘りだして、
海や環境中に放出することが、どんなに愚かなことか!
水俣病やイタイイタイ病、ヒ素中毒等の公害についても、発生から、認定、今日に至るまでの経過を、
ページ数は少ないながらも、要点がしっかりと書かれています。
どれも、忘れてはならないことの数々です。
しかし!福島の原発事故後の政府と企業の対応は、100年経っても同じ!
そして最後はレアメタル、人類が利用するようになってまだ歴史は浅いものの、
コンピューター、携帯電話、ジェット機など現代社会はレアメタルなしでは考えられないようになり、
レアメタルを求めての乱開発は深海にまで及んでいます。
予期せぬ大規模な汚染が起きる恐れもあり、その時、人類はどのような選択をするのでしょうか?
放射能の汚染水を海に捨てるような現状を考えると、
悲観的にならざるをえません。
図書館で借りてきた本ですが、買って手元に置いておきたいと思います。
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『重金属のはなし』鉄、水銀、レアメタル
渡邉泉 著
中公新書 2012
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