昨日は、歌舞伎に行った。
新歌舞伎座 新開場記念 杮落し興行 「二十一世紀歌舞伎組 公演」
難波から、上六に新しく会場が移った記念公演のようだ。
新しい商業施設もオープンし、賑わっていた。
ダンスの先輩でもある、経験豊かな人生の先輩M女史に、
歌舞伎を見に行く時の服装の体験談、アドバイスを伺うと、
「皆さん、オシャレして行ってるわよ」とのこと。
おめかしどころか、上質の服もない私だが、暑い時に、まとわりつく服は大嫌い。
ストッキングは、葬式・法要の時のみ着用。
汗ばむ皮膚に、あのチクチク感、引っ張り・ひっ付き・密着感が耐えられない。
(私は、今のところは、女性特有の冷え性とは全く縁がなく、
夏に靴下をはいている人の感覚が、わからない、たまたまラッキーな体質)
着物は、着る気、さらさら、なし。
(和顔なので、着物は似合うタイプだと思うけれど→ど厚かましい? 多分)
目的は、服の披露ではなく、歌舞伎なんだから、
疲れない適当な服で、と思いつつ、あれやこれやと悩む。
今年初頭、尾上菊五郎氏、富司純子氏、プラスご子息 五代目 尾上菊之助氏のパーティに、
場違いな格式のない服装で参加し、
ちぐはぐ感たっぷり、窮屈な違和感を感じた悪夢が甦ってくる。
出発、1時間前に、計画していた服とは別の服にし、バッグもアクセサリーも、ショールも、
一式、それに合わせて揃える。
アルル(フランス)にある、小さなご自分のアトリエで制作された自信作のショールは、
お花が立体的についている独創的なテイストだが、
2枚も買ったのに、1ユーロも値引きしてくれなかったもの。
わあ、やっぱり、これ、あのオーナー・マダムが一歩も譲らなかっただけあって、
素敵、かわいい、ファンタスティック!!と、うっとり。
それとも、ハノイで泊ったソフティル・ホテルのブティックで買った、
どこまでも深い光沢が美しいショールにしようか・・・
どっちも、捨てがたい・・・
そんな甘く切ない、ノスタルジーを感じている場合ではない。
しかし、出発30分前に、季節感を考え、当初、計画していた服にチェンジ。
最初に着ていた服は、汗、びっしょり。
外出もしていないのに、洗濯機行きとなった。
チェンジした服に合わせて、バッグやアクセサリーも、交換。
それらを取りに行ったり、用意するだけで、滝のような汗。
にもかかわらず、出発5分前に、急きょ、やっぱり、前の服がいい、と心変わり。
いやしかし、もう、時間はない。
いったい、どこがおかしい? うーーん・・・
ショート丈のチャコール・グレーのパンツ、これがシワシワなのがダメな理由なんだわ、
と、これだけでも替えよう、と、パール・グレーのパンツに履き替える。
いや、やっぱり、おかしい。またチャコール・グレーに。
ああ、もう、時間いっぱい。
バッグだけ、また替えて、あたふたと、荷物を詰め込んで、走って家を出た。
あ、あの小窓、閉め忘れた・・・!!
もう、いい。なんでも、いい。
やんや、やんやと汗をかきかき、ばたばた出てきたが
さて、会場。
お知り合いの顔、顔、顔。
まあ、皆さん、業界でご一緒の方ばかり。
そうだ、今日は、ご招待歌舞伎だったのだ。(半額援助、半額自腹)
第一演目を観た後、さっそく、イヤホンガイドを借りた。
入場口手前に、イヤホンガイドが貸し出されていたのがチラリと見えたが、
美術館じゃあるまいし、日本人なのに、イヤホンガイドなんて恥ずかしすぎる・・・と
思い、借りなかったのだが。
女形が美しく舞い踊る場面は、それでよかった。
女性より美しい、舞い、しぐさ。
が、・・・
まるで外国語のようなセリフ、唄?を聞いて、さっぱり、わからん・・・と、
急きょ、ガイドを借りたが、それは大正解だった。
居眠りタイムは、イヤホンガイドを借りに行く直前の数分間?のみで、食い止められた。
(目が覚めたら、知らない場面になっていた)
他の観客の方々をちょいと見ると、イヤホンガイドは借りている人は見かけなかったものの
あっちで、船こぎ、こっちで、船こぎ。
見栄張らずに、こりゃ無理、と判断したら、さっさと借りたらいいのに。
やはり、ある程度のお年にもなると、よけいに抵抗がおありなんだろう。
(若い人も、船をこいでいたが)
ずっと、パンフレット(2000円也)を読みながら、舞台を観ている人もいた。
聞きづらい、分かりにくく難解なセリフを、和訳はしてくれるは、見どころを解説してくれるは、
演出のあれこれを説明してくれ、気付かないことをリアルタイムに手取り足とり?教えてくれるガイドは、
歌舞伎を立体的に、深く、楽しむのに、たいへん良い手助けになった。
歌舞伎初心者の方には、ぜひ、おススメ。
何度も足を運び、セリフまで暗記されているような方は、別だが。
ごひいきの役者がいて、通っておられるような・・・そんな通の方にとっては、
バカみたいと思われるかも知れないが、
通の方でも、歌舞伎関係者や伝統芸能関係者、古典の先生でもない限り、
あんな、何言ってんだかわからないような劇、最初からすんなり理解できるはずがない。
もし、初めて観て、好きだと感じても、内容について大変よくわかった、という人はいないと思う。
なんかわからないけれど、着物がキレイ、とか、節回しや、日本古来の打楽器が好き、とか、
感性、感覚的なことから入ったのだろうと想像する。
幕間に、わらびの里のお弁当を、ばばばと急いでいただいて、最期の演目「黒塚」を観た。
場内を真っ暗にし、光を効果的に使った舞台演出は満点。
ほとんど動きのない動作で、心の内面を表現している、と、イヤホンガイドでは解説されていたが、
あの解説がないと、私は、あくび、100連発だったに違いない。
いやーー、古典は難解です。
日本古来の伝統芸能、衰退することなく維持、発展してほしいと願うが
あれでは、ちょっと厳しいかなあ・・・と。
ビギナーに2回目、3回目と劇場に足を運ばせる、裾野を広げるための工夫・仕掛けが必要だ。
舞台両サイドに、外国劇のように、字幕スーパーのスクリーンを縦長に設置するとか
何か工夫が必要かも。
イヤホンガイドは、最小限度の出費で抑えられる、手っとり早い、優秀なサポートシステムだと感じる。
さて、さて、気になっていた、皆さまの服装。
ぜんぜん、どうってことなかった。
着物の人も2人見かけたが、洋服派も、ごく普通。オーソドックス。
目立つような方には、さほど御目にかからなかった。
人生の先輩、M女史の御言葉は、まるで役に立たなかったが、
気が張る服ではない楽な服装で出かけて、大、大、大正解だった。
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新歌舞伎座 新開場記念 杮落し興行 「二十一世紀歌舞伎組 公演」
難波から、上六に新しく会場が移った記念公演のようだ。
新しい商業施設もオープンし、賑わっていた。
ダンスの先輩でもある、経験豊かな人生の先輩M女史に、
歌舞伎を見に行く時の服装の体験談、アドバイスを伺うと、
「皆さん、オシャレして行ってるわよ」とのこと。
おめかしどころか、上質の服もない私だが、暑い時に、まとわりつく服は大嫌い。
ストッキングは、葬式・法要の時のみ着用。
汗ばむ皮膚に、あのチクチク感、引っ張り・ひっ付き・密着感が耐えられない。
(私は、今のところは、女性特有の冷え性とは全く縁がなく、
夏に靴下をはいている人の感覚が、わからない、たまたまラッキーな体質)
着物は、着る気、さらさら、なし。
(和顔なので、着物は似合うタイプだと思うけれど→ど厚かましい? 多分)
目的は、服の披露ではなく、歌舞伎なんだから、
疲れない適当な服で、と思いつつ、あれやこれやと悩む。
今年初頭、尾上菊五郎氏、富司純子氏、プラスご子息 五代目 尾上菊之助氏のパーティに、
場違いな格式のない服装で参加し、
ちぐはぐ感たっぷり、窮屈な違和感を感じた悪夢が甦ってくる。
出発、1時間前に、計画していた服とは別の服にし、バッグもアクセサリーも、ショールも、
一式、それに合わせて揃える。
アルル(フランス)にある、小さなご自分のアトリエで制作された自信作のショールは、
お花が立体的についている独創的なテイストだが、
2枚も買ったのに、1ユーロも値引きしてくれなかったもの。
わあ、やっぱり、これ、あのオーナー・マダムが一歩も譲らなかっただけあって、
素敵、かわいい、ファンタスティック!!と、うっとり。
それとも、ハノイで泊ったソフティル・ホテルのブティックで買った、
どこまでも深い光沢が美しいショールにしようか・・・
どっちも、捨てがたい・・・
そんな甘く切ない、ノスタルジーを感じている場合ではない。
しかし、出発30分前に、季節感を考え、当初、計画していた服にチェンジ。
最初に着ていた服は、汗、びっしょり。
外出もしていないのに、洗濯機行きとなった。
チェンジした服に合わせて、バッグやアクセサリーも、交換。
それらを取りに行ったり、用意するだけで、滝のような汗。
にもかかわらず、出発5分前に、急きょ、やっぱり、前の服がいい、と心変わり。
いやしかし、もう、時間はない。
いったい、どこがおかしい? うーーん・・・
ショート丈のチャコール・グレーのパンツ、これがシワシワなのがダメな理由なんだわ、
と、これだけでも替えよう、と、パール・グレーのパンツに履き替える。
いや、やっぱり、おかしい。またチャコール・グレーに。
ああ、もう、時間いっぱい。
バッグだけ、また替えて、あたふたと、荷物を詰め込んで、走って家を出た。
あ、あの小窓、閉め忘れた・・・!!
もう、いい。なんでも、いい。
やんや、やんやと汗をかきかき、ばたばた出てきたが
さて、会場。
お知り合いの顔、顔、顔。
まあ、皆さん、業界でご一緒の方ばかり。
そうだ、今日は、ご招待歌舞伎だったのだ。(半額援助、半額自腹)
第一演目を観た後、さっそく、イヤホンガイドを借りた。
入場口手前に、イヤホンガイドが貸し出されていたのがチラリと見えたが、
美術館じゃあるまいし、日本人なのに、イヤホンガイドなんて恥ずかしすぎる・・・と
思い、借りなかったのだが。
女形が美しく舞い踊る場面は、それでよかった。
女性より美しい、舞い、しぐさ。
が、・・・
まるで外国語のようなセリフ、唄?を聞いて、さっぱり、わからん・・・と、
急きょ、ガイドを借りたが、それは大正解だった。
居眠りタイムは、イヤホンガイドを借りに行く直前の数分間?のみで、食い止められた。
(目が覚めたら、知らない場面になっていた)
他の観客の方々をちょいと見ると、イヤホンガイドは借りている人は見かけなかったものの
あっちで、船こぎ、こっちで、船こぎ。
見栄張らずに、こりゃ無理、と判断したら、さっさと借りたらいいのに。
やはり、ある程度のお年にもなると、よけいに抵抗がおありなんだろう。
(若い人も、船をこいでいたが)
ずっと、パンフレット(2000円也)を読みながら、舞台を観ている人もいた。
聞きづらい、分かりにくく難解なセリフを、和訳はしてくれるは、見どころを解説してくれるは、
演出のあれこれを説明してくれ、気付かないことをリアルタイムに手取り足とり?教えてくれるガイドは、
歌舞伎を立体的に、深く、楽しむのに、たいへん良い手助けになった。
歌舞伎初心者の方には、ぜひ、おススメ。
何度も足を運び、セリフまで暗記されているような方は、別だが。
ごひいきの役者がいて、通っておられるような・・・そんな通の方にとっては、
バカみたいと思われるかも知れないが、
通の方でも、歌舞伎関係者や伝統芸能関係者、古典の先生でもない限り、
あんな、何言ってんだかわからないような劇、最初からすんなり理解できるはずがない。
もし、初めて観て、好きだと感じても、内容について大変よくわかった、という人はいないと思う。
なんかわからないけれど、着物がキレイ、とか、節回しや、日本古来の打楽器が好き、とか、
感性、感覚的なことから入ったのだろうと想像する。
幕間に、わらびの里のお弁当を、ばばばと急いでいただいて、最期の演目「黒塚」を観た。
場内を真っ暗にし、光を効果的に使った舞台演出は満点。
ほとんど動きのない動作で、心の内面を表現している、と、イヤホンガイドでは解説されていたが、
あの解説がないと、私は、あくび、100連発だったに違いない。
いやーー、古典は難解です。
日本古来の伝統芸能、衰退することなく維持、発展してほしいと願うが
あれでは、ちょっと厳しいかなあ・・・と。
ビギナーに2回目、3回目と劇場に足を運ばせる、裾野を広げるための工夫・仕掛けが必要だ。
舞台両サイドに、外国劇のように、字幕スーパーのスクリーンを縦長に設置するとか
何か工夫が必要かも。
イヤホンガイドは、最小限度の出費で抑えられる、手っとり早い、優秀なサポートシステムだと感じる。
さて、さて、気になっていた、皆さまの服装。
ぜんぜん、どうってことなかった。
着物の人も2人見かけたが、洋服派も、ごく普通。オーソドックス。
目立つような方には、さほど御目にかからなかった。
人生の先輩、M女史の御言葉は、まるで役に立たなかったが、
気が張る服ではない楽な服装で出かけて、大、大、大正解だった。
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