蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

幽体離脱のその後で

2010-09-18 | 人生
社交ダンスでご一緒の、背筋がぴしっと伸びたK女史。
先日、ご家族に喜寿のお祝いをしてもらったという、ご高齢のご婦人だ。

年齢という枠にとらわれることなく、ファッションも、いつも美しくコーディネートされ、
彼女と同じブランドの服を、偶然、私も着ていることもある。

生活、生き方は、とてもアグレッシブ。

大きな病気、手術を3回経て、壮絶闘病経験をお持ちだ。
最後の大手術の時は、ICUにスパゲッティ症候群
(体中、何本もの管で繋がれている状態)で、幽体離脱を経験されたそうだ。

目の前には、亡くなったご主人が立っておられ、
「パパ、なんで、そんなところに、いるん?」とKさんは、思わず言ったらしい。

背中が、こそばいような感覚がして、エビが背中から、殻から抜け出ていくように、
自分の背中から、自分の体が抜け出していくのを感じたそうだ。
ベッドの両サイドにあるパイプを両手で持って、抜け出ないように、体を元のところに戻すように
ガタガタと揺れるのに耐えながら、必死で力を振り絞った。

その時の感覚は、今も鮮明に覚えているとのこと。

Kさん、当時61歳。

その大病を境に、彼女は、急にそれまでの人生を取り戻すかのように、元気に活動的になった。
大手術後、3か月しか経っていないのに、パース(オーストラリア)旅行に行った。
道無き道をジープで、ガタガタバンバン砂漠を長時間走る
全身上下にガッタンガタガタ、ボコボコ大揺れ、強行軍スケジュールをこなした。

そんなに長時間、大揺れしたら
大手術あとの、お腹の縫合部分が引き裂かれる恐れもあっただろうに、なんと、大胆な。

それを皮切りに、旅行に、趣味に、家庭に、パワー炸裂。

年に何度も海外、国内旅行に出かける。
今年の後半だけでも、ドイツ、ロシア、屋久島。
旅のお連れさんは、学生時代の同級生らしいが、彼女は独身なので、身が軽いそうだ。
いつも、ぱぱっと二人で、「行こう!!」と、出かける。
同級生だから、当然、二人は同じ年齢。
瞬発力、好奇心、行動力、頭が下がる。

私が息も切れ切れ、300ステップ階段なんて、スイスイ。
先月、私が旅したハロン湾は、アンコール・ワットのついでに、たーっと一気に駆け足で寄られたそうだ。
※(私はアンコール・ワット、ハロン湾は別々。でもハロン湾は、ラオスのついでに立ち寄ったが。
ベトナムも、一度にあちこち行かない方針。理由は、疲れるから。のんびり派で、根性無し)


三味線、クラシック・バレエ、バレー・ボール、社交ダンス、フィギアスケート、麻雀、・・・・
Kさんの趣味は、豊富。
歌舞伎や、お芝居、昼、夜、連チャンお出かけもよくなさる。

息子さんが、釣りバカ日誌のハマちゃんのように、いつも釣ってこられる大量の魚を
家で、ばっさ、ばっさとさばいて、お料理したり、
1升ものお米でお寿司を作って、高速道路をぶっ飛ばして、お知り合いに配ったり、
テキパキ大忙し。
同居されている息子さんご一家(成人のお孫さん2人も同居)には、頼りにされ、
お嫁さんとも大の仲良し。
(お嫁さんとは、お互い、趣味で家を空けることが多いので、同盟を組んで家事を協力し合う、盟友のよう)

海外旅行の出発当日でも、出発前に車であっちこっち、用事をこなしたり、なにしろ身が軽い。

大きな病気をすると、たいがいは、その後の人生は、守りのスタンスをとりかねない。
こんなKさんのように、人生を切り開くかのように、ご自分の時間を完全燃焼させ、なおかつ、
周りの人や、ご家族に愛され、信頼される、おばあちゃんもおられるのだ。

喜寿(77歳)と言っても、行動力、パワーは、私などとは比にならない。
分野は違うが、私の母も、すこぶるパワフル。
(この暑さで、義母のほうは、ちょっとパワー・ダウン、元気なしだが)


高齢者と言っても、千差万別。(健康、お金も、重要な要素)
しかも、大きな病気をしたり、大変なことがあった人のほうが、
何事もない人より、時間のありがたみを身をもって体験されている。

個体差が著しいので、私にはとてもマネできないが、
せめて、その一部分でも参考にしたい、
そんな人生の大先輩の一人だ。



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