夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『エンドレス・ポエトリー』

2017年12月20日 | 映画(あ行)
『エンドレス・ポエトリー』(原題:Poesia Sin Fin)
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アダン・ホドロフスキー,パメラ・フローレス,ブロンティス・ホドロフスキー,
   レアンドロ・タウブ,アレハンドロ・ホドロフスキー,イェレミアス・ハースコヴィッツ他

平日の午後、シネ・リーブル梅田にて、
前述の『ラ・ベア マッチョに恋して』の次に。

ぶっちゃけ、これを観るかどうかはたいそう迷いました。
チリの鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督ですから。
『エル・トポ』(1969)、『ホーリー・マウンテン』(1973)、
『サンタ・サングレ 聖なる血』(1989)、大好きですけれど、
どこをどう見ても変人、変態でしょう、この監督。
健康状態が万全でないときに128分耐える自信がなくて。

とはいうものの、2時間を劇場ロビーでシャキッと読書して過ごす自信もない。
劇場内ならば、眠くなれば寝ればいいわけで。
幸いにしてシネ・リーブルの会員サービスデーだから1,000円。
起きていられたら観よかなと『ラ・ベア』の鑑賞後に決めてチケット購入。

本作は前作『リアリティのダンス』(2013)につづき、
監督自身の青年時代をマジックリアリズムのタッチで描いた自伝的ドラマ。
と言われても、マジックリアリズムってなんだかようわからん。
いやもう、やっぱり変態、ド変態!

故郷トコピージャから首都サンティアゴへ移住したホドロフスキー一家。
青年アレハンドロは、勉学にいそしめという抑圧的な父に反発。
自分は詩人になるのだと言って家を飛び出す。

芸術家姉妹の家に転がり込み、若いアーティストたちと交流。
詩人として生きていく覚悟を固めるのだが……。

青年時代のアレハンドロを演じるのは監督の息子、アダン・ホドロフスキー。
青年アレハンドロの父親役も監督の息子、ブロンティス・ホドロフスキー。

母親だけが「ひとりミュージカル」状態で、台詞はがっつり歌います。
青年アレハンドロほか、フルチンで出まくり。
小人症の女性とのセックスシーンあり。
同じく小人症の男性は、その女性に恋い焦がれ、
彼女がシルクハットに吐いたゲロを大切にしようとするし(幸いにして映りません)。

シネコン上映作品しか観ないという人がもしこれを観たら、
開いた口がふさがらないかもしれません。
ド変態映画なのに、不思議と不快な気持ちは起こらない。
クリストファー・ドイルの色使いにも魅せられます。
御年88歳の監督にもっともっと長生きしてほしいと思うのでした。

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