夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈ら行〉

2017年12月30日 | 映画(ら行)
《ら》
『ラビング 愛という名前のふたり』(原題:Loving)
2016年のアメリカ作品。
異人種間の結婚を禁じた法律をなくすきっかけとなった夫妻の話。
この話に深い感銘を受けたというコリン・ファースが映画化を熱望、
プロデューサーに名乗り出たことにより映画化が実現。
1958年のヴァージニア州
幼い頃から白人も黒人も混在する環境で育った白人男性リチャード・ラビングは、
自然な流れで幼なじみの黒人女性ミルドレッドとの結婚を決意。
しかしヴァージニア州では異人種間の結婚が禁じられているため、
それが禁じられていないワシントンDCまで出向き、結婚の手続きを済ませる。
地元に新居を構え、じきに生まれる赤ん坊を心待ちに幸せな新婚生活を開始するが、
保安官がやってきて、ふたりとも逮捕されてしまう。
離婚するか、25年間の州外退去を飲むかを迫られ、夫妻はやむを得ず州外へ。
子ども3人に恵まれたものの、せせこましい街では伸び伸びと育てられない。
そんな折り、ケネディ司法長官に手紙を書いてみればと親戚から勧められ……。
法律を変えたいわけじゃない、生まれ育った土地で穏やかに暮らしたいだけ。
家族を懸命に守ろうとするリチャードと、自分たちが先駆者になれればと、
積極的にメディアの取材を受けて闘おうとするミルドレッド。
見事勝訴したわずか7年後にリチャードが交通事故死したという後日談が悲しい。

《り》
『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』(原題:Little Boy)
2016年のメキシコ/アメリカ作品。
第二次世界大戦下のカリフォルニア州、小さな漁村。
8歳の少年ペッパーは、チビゆえにいじめられることもしばしば。
そんな彼を「相棒」と呼んでくれる優しい父親のことが大好き。
ところが、戦争に行くはずだったペッパーの兄ロンドンが
扁平足のせいで徴兵検査に不合格となり、代わりに父親が徴兵されてしまう。
父親を呼び戻すためになら何でもしようと考えるペッパーに、
教会の司祭が「願いを叶えるためにやるべきことのリスト」を手渡す。
その中に、町のはずれに一人で住む日系人男性ハシモトに親切にすることとあった。
一応、米国への忠誠が認められて収容所から釈放された人ではあるが、
日本人に敵意を剥き出しの住民たちはハシモトを徹底的に差別している。
周囲から冷たい視線を浴びている彼に親切にするなんて。
葛藤しつつも父親のため。ペッパーはハシモトのもとを訪れるのだが……。
司祭役のトム・ウィルキンソンがすごくよかった。
そして、ペッパー役のおチビちゃんは今年いちばん可愛かった子役かも。
広島への原爆投下に町中が湧くシーンなどもあるので、
日本人としては心穏やかでいられない部分もありますが、
ペッパーとハシモトの心のふれあいに胸が熱くなりました。

《る》
『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』
2017年の日本のアニメーション作品。
DVDは前後編2本に分かれて発売され、1本が25分程度。
『ルパン三世』の原点に回帰するという触れ込みの、いわばスピンオフ。
鉄竜会に用心棒として雇われていた若き石川五ェ門。
ある日、航行中の賭博船で組長が襲われ、五ェ門がなんとか救出。
ところがその直後に“バミューダの亡霊”と恐れられる大男ホークがやってきて大暴れ。
組長が命を落とした責任を押しつけられた五ェ門は、懸命にホークを追う。
一方、ホークの次なるターゲットはルパン、次元、不二子で……。
五ェ門の両肩の肉が削ぎ落とされるなど、かなり残酷な描写。
フィルムノワール的な雰囲気も漂います。

《れ》
『レッド・ダイヤモンド』(原題:Precious Cargo)
2016年のアメリカ作品。
凄腕の泥棒ジャックは、その正体を隠して獣医ジェナと交際中。
ところが音信不通だった元相棒で恋人のカレンが戻ってきて、
マフィアのボスであるエディを欺いたために追われていると助けを求められる。
同時にエディが狙うレッド・ダイヤモンドをくすねようと誘われて……。
アクション映画を専門に制作する会社の作品で、
ブルース・ウィリスとのコラボは『16ブロック』(2006)以来8本目だとか。
彼は本作で主役を演じているのではなく、悪役のエディのほう。
クレア・フォーラニってこんなに顔が細長くてエラが張っていたっけとビックリ。
ジャックの仲間で女狙撃手ローガン役のジェナ・ケリーが可愛い。
エンドロールのNG集も楽しいけれど、まぁB級ですな。

《ろ》
『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』(原題:A Royal Night Out)
2015年のイギリス作品。
エリザベス女王が王女時代にお忍びで外出したという逸話に着想を得たとのこと。
ヨーロッパ戦勝記念日となった1945年5月8日。イギリスでは国中がお祝いムード。
19歳のエリザベス王女とその妹マーガレットは、
国民と一緒に祝いたいと、母親のエリザベス王妃に外出を願い出る。
王妃からはたしなめられるが、父親の国王ジョージ6世の計らいで姉妹は外出を許可され、
生まれて初めてバッキンガム宮殿を後にする。とはいえ、しっかり護衛つき。
ところが、おてんばなマーガレットは速攻で護衛をまき、バスで喧噪の中へ。
エリザベスは慌てて妹を追うが、バス代すら所持していない。
途方に暮れる彼女に手を貸したのが空軍兵士のジャックで……。
監督は名作『キンキーブーツ』(2005)のジュリアン・ジャロルド。
女性ならば誰しも気に入りそうなロマンティックストーリー。素敵です。

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